写真家の細倉真弓による個展「Sen to Me」開催 写真に刺繍を施した新シリーズを発表
Top photo:Mayumi Hosokura, “Sen to Te #41,” 2021
Top photo:Mayumi Hosokura, “Sen to Te #41,” 2021
写真家の細倉真弓による個展「Sen to Me」開催 写真に刺繍を施した新シリーズを発表
Top photo:Mayumi Hosokura, “Sen to Te #41,” 2021
写真家 細倉真弓の個展「Sen to Me」が、Takuro Someya Contemporary Artにて10月9日(土)まで開催中。
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「触覚的な視覚」を軸に、身体や性、人と人工物、有機物と無機物などが移り変わっていく境界線を写真と映像で扱う細倉真弓。
近年は視線が交差するフィールドとしての作品に興味を持ち、2019年に発表した「NEW SKIN」では、男性身体に注がれる複数の視点をデジタル・コラージュによって異なるいくつかの媒体の写真を重ねることで可視化した。
今展覧会を構成する「digitalis」と「Sen to Te」の2つのシリーズでは、写真のコラージュやレイヤーはシンプルなものに変化し、鑑賞者が自らのオリジナルな「視線」を再発見する装置として提示される。
「digitalis」シリーズは、細倉が日々撮りためてきた写真をコラージュした1枚の巨大なイメージの中を、カメラがゆっくりとスクロールしていく映像作品。
単なる映像でも写真でもない、ゆっくりとスクロールされる静止した写真は、私たちの目がその遅さに耐えられないということに気づかせる。
新作「Sen to Te」は、「カメラを使わない写真」と言われる技法であるフォトグラムのプリントに刺繍を施した作品であり、近年の細倉が行ってきたデジタルによる制作プロセスが、アナログで物理的な空間へと移行。
現代においてデジタルデータと強く結びついている「写真」がアナログかつ1点もののユニークな存在となると同時に、人の手を想起させる刺繍をデジタルミシンで施すことによって、メディウムが持つ条件を転覆している。
制作の段階ではフォトグラムを見た時の視線の動きを再現していたという、古着屋「OASIS II」とのコラボレーションによって刺繍で描かれた線は、制作を進めるにつれ、その線は視線の動きに先行する、いわば視線を誘導するものに変化。
確固たる対象を持たないこと、偶然によって作られたイメージ、共同制作といった要素が、スケッチドローイング的な不確定さを作品にもたらしている。
作家の関心を経験として鑑賞者に提供される作品の数々。
曖昧に重なり合う視線のその先を見つめて。
TAKURO SOMEYA CONTEMPORARY ART
03-6712-9887
【Mayumi Hosokura “Sen to Me”】
DATE:10月9日(土)まで開催中
TIME:11:00am~6:00pm
※日曜、月曜、祝日休廊
PLACE:Takuro Someya Contemporary Art
ADDRESS:東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3階
ADMISSION FREE
WEBSITE:tsca.jp/ja/exhibition/
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