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繊研plusコロナ禍で、百貨店の収益構造の脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになり、「百貨店事業だけで生き残るのは難しい」との声が業界内外で強まっている。百貨店という看板やのれん、立地の良さで客が来店し、購入してもらえる時代は過ぎ去った。改めて百貨店の存在価値が問われている。
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三越伊勢丹ホールディングスは24年度までの中期経営計画で、コロナ禍で蒸発した売り上げ、利益を元に戻す百貨店事業の再生を最優先課題に掲げる。「3000億円の壁」(細谷敏幸社長)の販管費を2700億円に圧縮して高コスト体質を是正する。コロナ禍前に比べても損益分岐点を引き下げる。
営業利益は24年度に過去最高の350億円を目指す。一方で、長期的には百貨店中心の事業ポートフォリオを見直す。営業利益の6割を占める百貨店を4~5割に下げ、不動産、金融で5割を稼ぐ構造に転換する。保有する不動産の再開発やPM事業、自社カードの利用増を促す。
百貨店の顧客基盤が新規事業の成長に欠かせない。外商の12万口座、自社カード会員の280万人、アプリなどのデジタルID会員といった強みの資産を生かすことが前提だ。百貨店の購買代理業としての存在価値を磨く以外に成長戦略は描けない。百貨店が本来持つ魅力はコロナ下でも変わらない。むしろ生活者には、さらに必要になっている。
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