土に還るバッグコレクション　英「アニヤ・ハインドマーチ」が開発

　イギリス発のバッグブランド「アニヤ・ハインドマーチ（Anya Hindmarch）」は、土に還るバッグコレクション「Return To Nature」を発売した。12月11日にポップアップストアを東京・渋谷のTRUNK(HOTEL)1階で開くほか、同時にオンラインで販売を開始。2022年春からはセレクトショップのロンハーマン（Ron Herman）でも取り扱う。

バケットバッグ（15万8400円）

Image by: Anya Hindmarch

　「Return To Nature」はデザイナーのアニヤが、アメリカ出身のモデルで環境活動家であるアリゾナ・ミューズ（Arizona Muse）にインスパイアされ、2年の月日をかけて開発した。役目を終えた後に、生分解されるバッグを目指すため、トレーサビリティ（追跡可能性）が確保されているレザーや、環境に配慮したなめし技術を取り入れ、金具を使わないデザインに仕上げた。なめしは、ドイツの家族経営の老舗タンナリーであるリチャード・ホフマン（Richard Hoffmans）、オランダのネラ（Nera）の2社と開発し、原材料はスウェーデンのスキャンハイド（Scan-Hide）の工場から仕入れている。

　アイテムは、トート（14万4100〜16万8300円）、バケットバッグ（12万7600〜15万8400円）、クロスボディバッグ（11万円）の5型、カラーはいずれもナチュラルタンとダークチョコレートの2色をそろえる。また同素材で葉っぱの形をかたどったチャーム（2万9700円）も用意し、鈴掛（すずかけ）と樫（かしの葉）の2種のデザインをラインアップ。バッグには、イニシャルを追加してのパーソナライズも可能で、長く使用できるよう、お手入れ用のクリーナー「チャンバー ワックス ポリッシュ（Chambers Wax Polish）」を付属する。コレクションの売上の一部は、アリゾナが運営し、土壌を健康に肥沃にしていく循環型農業の普及に取り組む団体「DIRT」に寄付する予定だ。

　TRUNK(HOTEL)でのポップアップストアでは、同コレクションが生まれるきっかけとなったアリゾナが出演する動画映像を上映。また長年使われたチェアや植物と一緒にバッグを配置したインスタレーションを見ることができるほか、全ラインアップを手に取って購入できる。

■RETURN TO NATURE at TRUNK(HOTEL)
日程：2021年12月11日（土）
時間：11:00〜20:00
住所：東京都渋谷区神宮前5-31
場所：TRUNK(HOTEL) ROOM 101

ファッションジャーナリスト

大杉真心

Mami Osugi

文化女子大学（現文化学園大学）でファッションジャーナリズムを専攻、ニューヨーク州立ファッション工科大学（FIT）でファッションデザインを学ぶ。「WWD JAPAN」記者として海外コレクション、デザイナーズブランド、バッグ＆シューズの取材を担当。2019年、フェムテック分野を開拓し、ブランドや起業家を取材。2021年8月に独立後、ファッションとフェムテックを軸に執筆、編集、企画に携わる。2022年4月より文化学園大学非常勤講師。

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