休刊ラッシュが続くファッション誌だが、昨年は1年間でどんな動きがあったのか。今回は日本雑誌協会が公表している雑誌の印刷部数を元に、2020年と2021年の印刷部数の増減率を比較したランキングを発表する。9月に発行される雑誌は「セプテンバーイシュー」とも言われ、年間でもっとも広告が集まる号だ。そのため、各雑誌も増ページし、もっとも力が入る。今回は、「セプテンバーイシュー」の発行月を含む、2020年と2021年の7月1日〜9月30日に発売された1号あたりの平均印刷部数で比較した。
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まず、部数の増加率1位はハースト婦人画報社の「ELLE JAPON(エルジャポン)」(前年同期比98.1%増、35,333部→70,003部)だ。「ELLE JAPON」は世界45の国と地域で刊行されている女性誌「ELLE(エル)」の日本版。同誌では表紙やグラビアのページ数が通常と異なる「特別版」を増刊し、不定期で出版している。2021年9月号(7月28日発売)の増刊特別版には俳優で歌手のNissy(西島隆弘)が登場した。調査対象期間外ではあるが、2021年の特別版には他にも韓国アイドルの「NCT127」や「ENHYPEN」、俳優の山下智久、アイドルグループ「JO1」が登場し、話題を呼んだ。
続く増加率2位は、同じくハースト婦人画報社の「Harper’s BAZAAR(ハーパーズバザー)」(同53.3%増、26,100部→40,000部)。世界29地域で発行される女性ファッション誌の日本版で、心を豊かにするラグジュアリーなファッションや感性と知性を刺激するカルチャーやライフスタイルの最新情報を発信している。こちらも対象期間外にはなってしまうが、2021年7・8月合併号には「BLACK PINK」のジェニーが登場し、その息をのむようなビジュアルに多くが魅了された。
増加率3位は小学館の「CanCam(キャンキャン)」(同33.5%増、53,667部→71,667部)だった。同誌は「社会人になったらCanCam!」を合言葉に、素敵な大人への階段を登ろうとする20代を応援するファッション&ライフスタイルマガジン。2021年10月号(8月21日発売)は「King & Prince」の平野紫耀を、11月号(9月21日発売)は、「なにわ男子」の道枝駿佑と「Snow Man」の目黒蓮を表紙に迎えた特別版を増刊・発売した。
反対に減少率1位は文化出版局の「装苑」(同36.2%減、69,000部→44,000部)だった。「装苑」はハイファッション・モード系の女性向けファッション誌。昨年3月には、文化出版局が発行する婦人向けのファッション誌「ミセス」が創刊60年で休刊している。2位は光文社の「CLASSY.(クラッシー)」(同34.7%減、148,700部→97,167部)。カジュアルだけど上質なものを好む、20代後半〜30代の女性をターゲットにしたファッション誌だ。3位は日之出出版の「Safari(サファリ)」(同29.5%減、145,800部→102,800部)だった。LAセレブのようなラグジュアリーかつアクティブなライフスタイルを提案する男性ファッション誌だ。
※印刷部数を調査したファッション雑誌43誌
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