中国でも絶大な人気のNewJeans
日本政府観光局によると、2024年1〜5月の期間に訪日した外国人観光客は累計で1400万人を突破し、なかでも特に中国人観光客は昨年の5倍以上となる240万人以上が日本を訪れている。北京と羽田間、そして上海と羽田間も増便しており、今後も多くの中国人観光客が日本を訪れると見られている。
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中国人のファッションに対する熱量は高く、百貨店を始め日本の多くのアパレルショップがインバウンド需要の恩恵を受けている。日本のファッションシーンにも関心が高く、渋谷や原宿でのストリートスナップを投稿しているTikTokアカウント「東京大眼晴」などがZ世代を中心に中国でも人気だ。
しかし、中国でも日本と同様、Z世代ファッションとして注目されているのは、K-POPからの流れである「バレエコア」とヒップホップをベースにした「アメカジ」の2大トレンドだ。
「バレエコア」は、レースやチュチュ、リボンモチーフやフリルを重ねたスカートなどをコーディネートに取り入れた、その名の通りバレエからインスピレーションされたガーリーでロマンチックなファッションスタイルだ。「バレエコア」は、K-POPアイドルが衣装や私服でも取り入れていることで、日本でも瞬く間にファッションシーンに浸透したが、このトレンドは中国のZ世代ファッションにも影響を及ぼしている。
今年6月に東京ドーム公演で9万人を熱狂させたK-POPのガールズアイドルのNewJeansは、2枚目のEP「Get Up」でリボンやバレエシューズを身につけた妖精のようなアートワークで話題を集めた。韓国の5人組のガールズグループのILLITは、「Magnetic」でNewJeansと同様に妖精のような世界観とロリータファッションのテイストを合わせたスタイリングでその世界観を表現している。男性アーティストでは、アルバム「樂-STAR (ROCK-STAR)」のアートワークでチュールスカートに、レースリボンを身につけたStray Kidsなど中国のZ世代の間で人気のK-POPアーティストがトレンドの先駆けとなっている。
「アメカジ」スタイルも中国では大きなトレンドになっており、タイトなトップスにオーバーサイズのボトムスを合わせるスタイルが中国のZ世代に流行している。そうしたスタイルに欠かせないブランドとして「ブランディー・メルビル(brandy melville)」が筆頭に上がっている。キャミソールやタンクトップ、カレッジTシャツなどがラインアップされており、「アメカジ」っぽさと「ガーリー」っぽさを合わせもった雰囲気だ。イタリア発のブランドだが、米国のセレブリティが愛用していることで火がついた「ブランディー・メルビル」は、日本にも上陸しており原宿に店舗がある。
今年4月あたりから、訪日する中国人観光客数はコロナ前の2019年の水準まで戻りつつある。日本のファッション業界も中国人のファッションに対するニーズを汲み取ることが大事だ。
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