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【インタビュー】ニットデザイナーMaro Kurataniが見つけた「自分らしい働き方」

Maro Kuratani インタビュー
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【インタビュー】ニットデザイナーMaro Kurataniが見つけた「自分らしい働き方」

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本来なら捨てられるものをリデザインし再び世に送り出す“アップサイクルデザイナー“として、ニット製品を中心にハッピーでカラフルな作品を編み出すMaro Kurataniさん。服飾専門学校でニットコースを専攻し企業デザイナーとして3年勤めたのち、自身のブランド「LOVE it ONCE MORE」をローンチ。昨年には靴のリメイクブランドを始動するなど精力的に活動する傍ら、動物愛護にも積極的。Maroさんが手掛ける色とりどりの毛糸を紡いだ代表作のマフラーは眺めているだけでワクワクした気分になれ、ニットの優しい風合いはそのままにエッジが効いたデザインが人気を博しています。その一方で現在も毎週末ファッション3Dモデリングを学ぶため東京のスクールへ通い、バーチャルを通して究極のサステナブルファッションを実現する準備も進行中。そんな八面六臂の活躍をするMaroさんに、アップサイクルを軸に据えた理由やこれからのヴィジョンを伺いました。

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新たに作るより既存品に再び命を吹き込む

Q.アップサイクルという言葉を聞き慣れない方もいると思いますが、自身のブランドの立ち上げにあたりアップサイクルを根幹に据えた理由は?

ここ数年でファッション業界でもサステナブルが謳われるようになりましたが、私が企業デザイナーとして働いていた時は大量生産・大量廃棄が業界のスタンダード。その時に自分が作った服が最終的に廃棄となるのを目にして衝撃を受けました。小学校で環境問題を学んだ世代ということもあり地球環境を子供の頃から意識することが身についていて、ブランドを始める際に“既にモノが溢れている中で新しくモノを作るのはエゴじゃないか”という考えがあったのです。そこで廃棄される服や糸を再生させ、新しく価値を与えたモノづくりをしたいと思ってアップサイクルデザイナーとして出発しました。製品はニットが中心ですが、毛糸って何度も編み直したりセーターをブランケットに生まれ変わらせることもできる。暖かみがあるのはもちろん、とてもエシカルな素材でもあるんですよ。

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デザインをする上で大事なのはワクワク感

Q.カラフルなのにどこか懐かしく、纏うとハッピーな気分なれるデザインを生み出す原動力とは?

手編みからスタートし、今は昭和の頃に愛されていた機械編み機と手編みをミックスさせています。元々祖母の手編みが大好きで、ニットにこだわるのはそこがルーツ。それにオリジナルの生地を発注するには大量のロット数が必要ですが、編み物だと自分の手ですぐにオリジナルができるのも強みでしょう。デザインを考えるときは最初に全体像を描くのではなく、編みながらどんどんイメージを膨らませていく派です。だからその時の気持ちやマイブームが作品に反映されるし、色使いやモチーフに意外性が生まれることも。その時のアイデアを編み込んでいくので私自身完成まで常にワクワクしているので、それがハッピーなデザインに繋がっているならすごく嬉しい。ただ、宇宙人や太陰太極図なんかは好きなモチーフでよく取り入れます。宇宙人にはまだ見ぬ世界への憧れや面白さを感じるし、太陰太極図は光の中にも影があり、影の中にも光がある、何事も一辺倒じゃないというメッセージ性に惹かれるんです。

Q. ニット以外にも靴のリメイクをされており今年3月2日からは阪急うめだ本店(シューズギャラリー)で販売されるリメイクシューズのデザインを担当されますが、リメイクシューズの魅力とは?

以前某ブランドのボクシングシューズに一目惚れして手に入れた時、これにヒールがあったら可愛いかも!とリメイクの可能性に気づきました。靴って履き心地が良いと古くなっても履き続けたいし、思い入れのある靴を再生できるならもっと長く愛用できるはず。今回のPOP UPではデッドストックの靴をニットやヒールでアレンジしようと準備していて、職人さんと二人三脚で進めています。職人さんの知識を得ることができ、私にとっても学びが大きいんですよ。

バーチャルファッションこそ究極のエコ

Q.自身のブランドが軌道に乗る中でのスクーリング、しかも毎週末東京に通ってまでファッション3Dモデリングを学ぶ理由とは?

以前メタバースとファッションの記事を読んだ時に、これからのファッションの可能性を強烈に感じました。それですぐに私も学びたいと学校を探したんです。最近はバーチャルで商品を販売するブランドも増えていますが、バーチャルファッションって現実に品物を作るわけではないので究極のサステナブルだと思うんです。架空のファッションとはいえ今の技術では非常にリアルに表現でき、それこそニットの質感も再現できる。メタの世界でのオシャレを楽しむ時代はもうすぐそこかもしれませんよね。その勉強のため週末ごとに夜行バスで東京の学校へ通っていますが、そこでは学生さんからアパレル企業の社長まで年齢も立場も異なる人と机を並べて学んでいます。授業の内容はもとより、そこでの出会いや受ける刺激もデザインを仕事にする上でとても貴重。近々ここ神戸と東京との二拠点生活も計画しているんですよ。

Q.バーチャルブランドを確立した時、現実のブランドのあり方は変わっていくのでしょうか?

余剰を出さない、サステナブルを推進するという理由からリアルの方は受注生産というスタイルになるかもしれません。また、近年は百貨店など大型商業施設がサステナブルやエシカル方向に舵を切りつつあるので、今後ファッションの売り方や生産方法が環境により良く変化する可能性も感じています。

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ファッション以外の関心事

Q.デザイン以外にも動物保護団体への寄付やマクロビオティック料理など多方面への関心があり、その活動もなさっているそうですね。

それら全部が実は「LOVE it ONCE MORE」に繋がっています。LOVE itのitは動物でもあれば食でもあり暮らしでもある。もう一度愛すべきitは誰の中にもあるはず。私は茶子という名のトイ・プードルを飼っていて、それがきっかけで保護犬や保護猫に興味を持ち自分にできる支援はないかと売り上げの一部を寄付する活動を始めました。マクロビ料理にはアレルギーで悩んでいた時期に出会い、体に優しいだけでなく食材を無駄にしない考え方も自分のモノづくりに対する価値観と共通していたのがハマった理由。何かに興味を持つには何かしらきっかけがあると思うのですが、例えば「LOVE it ONCE MORE」のマフラーを可愛いと手に取ってくれた方がアップサイクルに出会い、それをトリガーに環境問題に少しでも関心を持ってくれればありがたいです。

Q. 今はSNSを初め自分をアピールする手段が数多くあり、ブランドを立ち上げるのも昔よりハードルが低くなっているかもしれません。そんな中でこれからデザイナーを目指す人にメッセージをお願いします。

自分でブランドを始めるのはとても勇気がいるし、全部に責任を持つ必要があります。私は今でも心細いし悩むことも多いけれど、自分の作品に絶対の自信を持つこと。自信を持てるまでより良さを追求すること、そして作品と向き合うことで乗り越えています。また、自分の好み以外でも古着含め様々な服に袖を通し、時代ごとの縫製やアイデアを学ぶこと。服をデザインするだけでなくコーデ提案までできると強みになるので、服の知識を実際に着ることで会得するのが良いと思います。

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廃業した工場に眠っていた毛糸、廃棄されるはずだった服。Maroさんの手に掛かればそれらに一気に命が吹き込まれ、新しい「ステキ」に生まれ変わります。手に取ることでその背景を知り私たちが暮らす世界の問題を知るきっかけになるのなら、それはモノがモノ以上の価値を持つということ。その気づきの一歩がこんなにカラフルなニットなら、きっとエシカルはもっと身近なものとなるでしょう。

Maro Kuratani

「LOVE it ONCE MORE」アップサイクルデザイナー
文化服装学院を卒業後、企業のニットデザイナーを経て独立
Instagram
https://www.instagram.com/maro_kuratani/
YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCT7A4z5Bx-OR8g16XsMmcmw

TEXT:横田愛子
PHOTO:大久保啓二

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