ゴールドウインが、環境に配慮した新プロジェクト「Goldwin 0」の詳細を発表した。「循環」を前提としたビジネスモデルやプロダクトを模索する実験的プラットフォームと位置付け、スパイバー(Spiber)の人工タンパク質「ブリュード・プロテイン素材」を使用するなどサステナブルなアイテムなどを打ち出す。
Goldwin 0ではゴールドウインの新たな中期経営計画「PLAY EARTH 2030」に基づき、これまでスポーツアパレルを得意としてきた同社がカテゴリーやレーベル、国境を超えて機能的な衣服を開発。キーワードに「Circulation(循環)」「Borderless(無境界)」「Co-Creation(共創)」を掲げ、スポーツシーンだけではなくデイリーウェアとしても着られるシームレスなデザインを提案する。デザインでは「ルメール(LEMAIRE)」などでニットを中心にデザインを手掛けてきたジュリア・ロドヴィッチと、デジタル上でのアパレルデザイン開発を得意とするジャン=リュック・アンブリッジを招へいし、アーティストも交えたブランドチームで運営していく。
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2022年秋冬シーズンに展開するファーストコレクションは、約20型をラインナップ。発表会では一部のアイテムが披露された。スキーウェアをルーツに持つゴールドウインのアーカイブからインスパイアされたニットやセカンドスキンが揃い、いずれも地球環境に配慮した素材を取り入れられた。
※中央2体がスパイバーと共同開発した素材を使ったアイテム
Image by: FASHIONSNAP
ブリュード・プロテイン素材を使ったアイテムではデニムやフリースを開発し、デニムのセットアップやスキーウェアにも使えるテクニカル素材のセットアップ、フリースのトップスを合わせた全5型を展開。テクニカル素材のセットアップは無染色で、素材そのままの色を採用している。ゴールドウインの渡辺貴生社長は「満足できるレベルにきている。アウターは素晴らしい出来」と称賛した。スパイバーとは今後、ファーなどの素材開発を進めていく予定だという。
デニムのジャケットとフリースニット
Image by: FASHIONSNAP
価格は「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」など同社が展開するブランドと同程度を予定。ジャケットは15万円程度を想定しているという。ゴールドウインの直営店やオンラインストアのほか、専門店などへの卸売も計画する。
発表会で同プロジェクトについて「目先の利益ではなく企業のスタンスを示す」と語った渡辺社長。最後に「スポーツウェア事業をやってきたが、それに限らず新しい未来をデザインする会社になり、社会から共感される存在を目指していきたい」と展望を示した。
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