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アパレル業界の新勢力図が明らかになった2月期&3月期の決算

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 3月決算企業の決算が出揃いつつある。旧大手アパレルではワールド、すでにアパレル企業と言ってもよい作業服メーカーのワークマンの決算が発表された。これにすでに決算が発表されている2月決算企業を加えて、営業利益の大きい順に表を作成してみた。この表はアパレル業界で大きな地殻変動が起こっているのがよく分かる表になっている。それは、2020年2月以来のコロナ禍が原因なのだが、実は2020年2月以前にすでにその兆候は現れていたのである。それは、2020年6月に自己破産して消滅してしまった1980年代アパレル業界の王者レナウンの破錠の原因はコロナ禍とは全く関係なかったのと同じである。

 旧大手アパレルの最大手オンワードホールディングスがなんと8社中の最下位である。黒字化が喫緊の課題であったはずだが、わずかであったが未達に終わっている。もう一段の店舗閉鎖もあるかもしれない。同様に旧大手アパレルの三陽商会が8社中7位。2015年にライセンス契約が終了したバーバリーショックからもう7年が経とうとしているのに黒字化はならなかった。売り上げは4分の1、社員も3分の1になってそこに未来は見えているのだろうか。

 すでに日本のアパレル業界はファーストリテイリングや良品計画、しまむらなどの大手SPA企業が牛耳っているが、さらにパルグループホールディングスやアダストリアが新大手として台頭している。雑貨事業「スリーコインズ(3COINS)」が軌道に乗ったパルグループHD、ライフスタイル対応大型ショップ「ニコアンド(nico and...)」が絶好調でこれに続く新規事業も好調のアダストリアはさらに成長力がありそうだ。

 その2社の上に君臨するのが元作業服メーカーのワークマンというのだから、まさに下克上だ。異業種から参入して、あっという間に天下を奪取してしまうのだから、いかに今までの大手アパレルメーカーが消費者の求めているものを提供出来なかったかが分かる。

 そうした新勢力図にあって、旧勢力ではなんとか生き残りの可能性を感じさせるのが4位のワールドと5位のTSIホールディングスかもしれない。4位のワールドはこの3月期で一気に53億8900万円の黒字を記録した。ワールドを再上場させた中興の祖とも言うべき上山健二前社長の跡をうけた鈴木信輝社長(2020年6月23日就任)の手腕を感じさせる。もともと百貨店比率はさほど高くなく、利益体質へ転換しやすい下地はあったが、今期はさらに改善が望めそうではある。

 TSI HDも上野商会出身の下地毅新社長(2021年3月1日就任)にとって初の決算になったが、絶好調のゴルフ、アスレジャー、ストリートのブランドが業績を支えた。特にストリートブランド「ハフ(HUF)」の絶好調ぶりは今後も期待できそうだ。またデジタルビジネスが軌道に乗ってきたことも業績に貢献している。

 今回の決算で明らかになった新勢力図だが、旧大手の中でなんとか「新大手」と対抗できそうなワールド、TSI HDに加えて、三陽商会、オンワードHDの捲土重来を期待したいものだが。

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