スーパーフードやドライフルーツ、ナッツなど素材にこだわった贅沢なグラノーラとして人気急上昇中の“ミナグラ”。Minatsuという人物が作ったから“ミナグラ”という名が付けられたこの単純明快な商品は、生まれた経緯も「コロナで寂しかったから」とある意味単純だ。しかしながら、サステナブルが叫ばれる時代にふさわしい環境にも配慮した商品であること、さまざまな業態とのコラボを積極的に実現していること、そしてオンラインサイトでの販売開始約3分で即完するなど、売れ行き、そして生みの親Minatsuが抱く野望は凄まじい。イラストレーターとしても活躍する彼女が、ミナグラを通して描く未来とは?さらに、凄まじいスピードで前進する彼女の原動力にも迫る。
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Minatsuさん
地元福岡県糸島にある高校を卒業後、音楽活動のため上京。大手事務所主催のオーディションでファイナリストに残り別事務所にて活動を続けるも25歳の頃に解散。ふと描き始めた絵との出会いでイラストレーターの道へ進み、展示会を行うまでに。昨年5月からミナグラの販売を開始。当初より入手困難な商品として話題になり、さまざまなコラボレーションの実施や期間限定フレーバーの販売など、精力的に販売活動を行っている。
MINATSUDAYO official EC:https://minatsudayo.official.ec/
MINAGRA Instagram:https://www.instagram.com/minagradayo/
音楽活動を機に上京するも…納得のいく活動ができず挫折。しかし、ひょんなことから描いた絵がさまざまな出会いや仕事に繋がる
― これまでの経歴を教えていただけますか?
高校卒業までは出身の福岡県の糸島で過ごし、卒業後21歳で上京してきました。東京でアルバイトをしながら音楽活動、その後は絵を描き始めて、現在もイラストレーターをしながら去年からはオリジナルのグラノーラ、“ミナグラ”を販売しています。主に東京で生活をしながら、時々糸島に帰る生活を送っています。
― 音楽もされていたのですね。どのような活動をされていたのでしょうか?
高校一年生のころからデジタルロック系のバンドで活動していたのですが、高校在学中にある大手の芸能事務所のオーディションでファイナリストまで残ったんです。そこで音楽事務所に声をかけていただいて、それをきっかけに卒業後少し経ってから上京しました。数年は音楽を頑張っていたのですが、正直方向性に納得した状態でやれていた訳ではなくて。上京して間もない22歳のころ、初めてクラブに行ったときに聞いた音楽に衝撃を受けて「自分はこんな音楽はできない!」と思った瞬間に、何かがプツンと切れてしまって「もういいかな…」と…。
実際、周りに良いじゃんって言ってもらっても、自分自身がずっと自分たちがやってる音楽に対して首を傾けながら続けていた感覚でした。そのギャップをずっとどこかで感じてはいましたが、惰性で続けていた部分はありましたね。だからこそうまくいかなかったんだと思います。
― そのような中で絵を描くことに出会ったのですね
ある時から絵を描き始めてみたのですが、絵は完成したら自分でも「可愛い!」って他の人にも「見てほしい」という気持ちになったんです。芸術系の専門学校に通っていたわけでも、昔から日常的に描いていたわけではなかったのですが、ある日、自分が好きなモチーフでもあるドクロを散りばめた絵を描いてみて、その絵を見せた人に「この絵を“良い”って言ってくれる人が絶対にいるから騙されたと思って描き続けろ」って褒めてもらって。その一言をきっかけに、今でも描き続けています。
ちなみにドクロが好きな理由は骸骨というのは人間の中心というか、動物も含めてすべての生物が持っているフェアな部分だから。自分はドクロに対してマイナスなイメージは全然なくて、今でもキャンバスに絵を描くときはどこかに絶対入れてますね!
自分が描いた絵を自分ですら可愛いと思えたし、何よりも積極的に他人に見てほしいと感じた
― 音楽と違い、能動的に創作できる感覚があったのでしょうか?
どこか納得できていなかった音楽とは違って、自分自身が本当に可愛いと思えるものを描けている感覚はあります。
絵を描き始めてからトントン拍子で展示会をすることになって、最初はダンサーで絵も描いてる友人と一緒にバーに絵を飾って、お客さんと飲めるようなスナック感覚ですることになりました。そこでE-girlsのスタイリングも担当していたスタイリストのウツミサオリさんと出会って、そのご縁でアーティストさんの衣装にペイントさせていただいたりするようになったんです。彼女に出会えた事が人生の転機になりました。本当に感謝してるしプライベートでも大親友です!
2回目の展示会では知人を介して知り合ったカメラマンのジェシーくん(Jesse Kojima)と共に大きな個展をさせていただいて。
他にもE-girlsさんのデニムにペイントさせていただいたりする中で、そのデニムでE-girlsさんがベストジーニストを受賞したりもしました。
― 出会いやそこから派生した仕事の積み重ねでゆりやんレトリィバァさんや、森本容子さんとも仕事をするようになったのですね。かなり短期間で駆け上がっている印象を受けますね。
ありがたいことに、描きだしてからは比較的短期間でいろいろなお話をいただくようになりました。25歳くらいから絵を描き始めて、30歳前後にベストジーニストを受賞した際の絵を描いたので、5年ほどでしょうか。
― イラストレーターとしても活躍する中で、グラノーラの販売をすることになったのですね?
昨年の5月1日にデビューしました。名前の由来はすごく単純で、「Minatsuが作ってるグラノーラ」で“ミナグラ”(笑)。作り始めたきかっけも、コロナの自粛期間に寂し過ぎて何か作ろうかなって。グラノーラだったら小分けにして袋に詰めたら知人に送れるし、ふざけたパッケージも付けて贈ったらクスっと笑って喜んでくれるだろうなと、本気の遊びをするつもりで作ってみました。それで配ってみたら友人たちがSNSで紹介してくれて、商品化に繋がっていったんです。
― 一般的なグラノーラとは違う、“ミナグラ”ならではの特徴はありますか?
グルテンフリーでオーガニック素材、オイルと砂糖にはココナッツを使用しています。一番の特徴はかたまりが大きくゴロゴロとしているので食べごたえがあり、何よりも食べた瞬間に「ウマっ!」ってなると思います(笑)
ヘルシーなイメージがある食べものってあまりうまくないですよね…でも自分は少ないカロリーでも美味しくないものは食べたくない。どうせカロリーとるなら、おいしくないと意味がないと思っています。体に良いもの=カロリーが低いわけじゃない。栄養があるということはカロリーが高くなるのは当たり前。アサイーボウルが流行った時も細くて綺麗なモデルさんが「毎朝食べてます!」とか言っちゃうから「よし!これ食べて目指せモデル体型!」みたいになってる人がたくさんいたけど、そんなわけあるかい!と思っていましたね。(笑) 逆に体にいいもののカロリーは大体高いと思います。ミナグラもカロリーは高いので、食べたらよく運動して欲しいですね!(笑)
― ミナグラは環境にも配慮されているとお聞きしました。
グラノーラを作っているとどうしても粉々になってしまう部分があるのですが、実はそこに栄養がたくさん詰まっていて。細かく最後に残りがちの部分を薄いホワイトチョコレートで固めて、最後まで美味しく食べられるようにしています。それが結果的に食品ロスの削減に繋がって、環境にも配慮したものになっています。
― 売れ行きはどのような状況でしょうか?
正直、大量に売れる想定をしていなかったのですが…オンラインでの販売当初は開始約3分で完売。当時は100個前後の単位でしか作れませんでしたが、今は多く作れるようになって、個数無制限で予約販売を試してみたら3日間で1,000個の売上を記録しました。
さまざまなコラボレーションを通し思い描く未来は「チャーリーのチョコレート工場」!?
― 今までの他企業や団体とのコラボレーション実績はありますか?
まず、コラボレーションではないですがミナグラデビューのイベントをやらせて貰ったのがPELLS coffee&barでした。コラボレーションだとビジュアルのブランディングがバッチリハマった代官山のtea bucksですね!こことのコラボは正直めちゃくちゃ人気です。ブランディングがかなり攻めてます。あとはTRUNK HOTELさんやARALEと言うエスニック料理屋さんともオリジナルフレーバーを作らせていただいてます。こちらも大人気のフレーバーです!これからもコーヒーショップ、甘酒フレーバーのミナグラにも興味があるのでお米農家さんともコラボレーションしてみたい。あとは餡子も大好きなので、和菓子屋さんともコラボできたらうれしいですね。もしとらやさんと一緒にできる機会があったら、私が虎の絵を書きます!(笑)これからも、やりたいことはどんどん口に出していきたいです!
― ミナグラの今後の目標、模範としている企業はありますか?
ステラおばさんのクッキーとのコラボレーションは大きな夢ですね。実はミナグラのパッケージが完全にステラおばさんのパロディなのですが…、企業側の目に止まって怒られるまで頑張ります。「何やってんだよ!」と言われたときこそ、コラボの依頼タイミングとも思ったり。ただただ怒られたとしても、「ミナグラ胸ぐらつかまれて終了」というブランディングにできちゃうので、どっちに転んでもおいしいですよね(笑)。でも、そのぐらいリスペクトしているお菓子なので、ご一緒できるように邁進します!「ミナツおばさんのグラノーラでつくったステラおばさんのクッキー」よろしくお願いします!
― 他に夢はありますか?
映画「チャーリーとチョコレート工場」のように、子供たちに夢を与える仕事をしたいと常々考えています。映画と同じように、パッケージの裏につけたチケットが当たった子は工場に招待するみたいな。そういうことを実現できる、遊び心のある工場を作りたいですね。もしそこまで実現できるようになったら、学校で「大好きなことを見つける大切さ」というテーマで講演とかもしたいですね。だからステラおばさんに怒られたとしても、夢の実現まではミナグラをやめられません。
― 最後に一言…
「エンジョーーーーイ!」
撮影:Jesse Kojima
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