仏政府も自転車の購入や修理に補助金を出し「自転車ブーム」を後押しした
3年ぶりに訪れたパリは、コロナ禍前とあまり変わっていないように見えた。バカンスシーズンの空港は大混雑。街路にはレストランのテラス席が所狭しと並び、そこかしこに黒山を築いていた。
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(橋口侑佳)
何より、マスクを着けている人がいない。再び感染が拡大し、第7波もささやかれていたが、街行く人に警戒する様子はなく、むしろ解放感に浸っているようだった。パリ在住の友人いわく、5月に公共交通機関でのマスク着用義務が解除されたのを機に、市民の緊張も一気に解けたらしい。
すっかり日常に戻ったパリで、風景を変えつつあると言われているのが自転車だ。市が07年から運営する自転車シェアリング「ヴァリブ」を中心に、サイクルステーションがずいぶん増えた。車道を一部自転車の専用レーンに変える工事が急速に進んでいるそうで、目抜き通りでは必ずといっていいほど自転車レーンを見かけた。
元は自動車の交通量を減らし、慢性的な渋滞と温室効果ガスの削減を目的にした市の施策だった。しかし、コロナ下で落ちた公共交通の輸送量を補完する一時的な対策として自転車レーンを拡大した結果、利用者が大幅に増えたらしい。パリは21年からの5カ年で2億5000万ユーロを投じ、専用道や駐輪場をさらに増やす計画だ。
健康意識の醸成にもつながっているのだろう。ギャラリー・ラファイエット本店の地下1フロア(3000平方メートル)が丸ごと、「ウェルネス・ギャラリー」になっていた。元はシューズ売り場で、今夏改装したばかりだそう。スポーツウェアやスキンケアなどのケア用品を販売するほか、フィットネスのレッスンやマッサージ、エステなどを受けられるエリアもあった。
近接するプランタンのレディス館でも、アスレジャーをテーマにした売り場が存在感を放っていた。
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