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順調そうに見えるが実は重大な岐路に立っていると思えるワークマン(後編)

繊維業界記者・ライター兼広報アドバイザー
南 充浩

前回ワークマンのことを書いた。

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理由は、知人から「最近、商業施設内にテナント出店しているワークマンの入店客が以前から比べると少し減った気がする」という感想を聞いたからだ。

もちろん、知人の個人的な感想なので正しいかどうかはわからない。

しかし、仮に正しいとすると、理由はいくつか考えられる。

1、新規性が無くなってきた(物珍しさが薄れてきた)

2、店舗数が増えて分散している

あたりが適当ではないかと思う。

そして、自分の経験と照らし合わせると

3、品切れが多くて補充されないから

というものもある。

ちなみにネット通販も実店舗同様に品切れが多い。

実店舗にせよネット通販にせよ、品切れが標準仕様になっているようなところを頻繁に覗くほど世の中の人間は暇ではない。必然的にどちらもあまり覗かなくなってしまう。

定期的にワークマン女子、ワークマンシューズの店頭を見ていると、基本的には売り切れ御免体制で、通常のアパレルブランドで言うところの期中投入企画がそれほど充実していないから、品切れ問題というのはかなりの機会ロスを生んでいるように見える。

現在の国内アパレル市場で、売れた商品をやみくもに補充することは危険なので売り切り体制は理にかなっている。その一方で、不特定多数を顧客とせざるを得ないカジュアル市場・ファッション市場において期中企画商品は重要である。

作業服業界では期中企画はそれほど必要とされていないから、ワークマンの企画生産体制が作業服のままでは、カジュアル市場には対応できなくなりつつあるのではないかと思えて来る。ましてや今後、作業服店を減らしカジュアル向けのワークマンプラス、ワークマン女子を増やすというのなら尚更である。

それを前回のブログに書いた。

あまりに長くなるので、書かなかった部分がある。

それはワークマンの店舗の95%くらいが直営店ではなくフランチャイズであるということである。ユニクロやジーユーなど他の大手チェーン店は直営店がほとんどであるため、期中に追加企画生産しても店頭にはスムーズに送り込める。そこに本部と直営店の間で仕入れとか卸は基本的には発生しない。

自分もかつてイズミヤ系のチェーン店で販売員、店長を務めたことがあるからわかるが、本部から「来週月曜日〇〇商品が〇点入荷します」というお知らせが来るだけである。別に店長たる当方が支払わなくてはならない金などない。

しかし、フランチャイズ店ではこうはいかない。フランチャイズ店の経営は独立しており、本社から商品を仕入れるという形態を採っている。

直営店なら

「新規商品が上がってきたから、〇〇枚送るわ」

と本部が店舗に連絡すれば事足りるが、フランチャイズ店だとそうは行かない。一々仕入れが発生することになるからだ。

いくら期中商品を企画生産しても、本部が「送るわ」とは勝手に言えない。フランチャイズ店のオーナーがそれを仕入れるかどうかを決めることになる。そこには支払いが発生するため、オーナーも慎重にならざるを得ない。カネを払うのはオーナーだし、売れ残った在庫を抱えるのもオーナーである。

コンビニや携帯電話ショップと同じである。

コンビニのように自動発注システムにすればいいじゃないかという声が聞こえてきそうだが、コンビニの場合は食品の割合が大きく、日々の一定量の消化が見込める部分が大きい。

一方、ワークマンプラス・ワークマン女子は衣料品、服飾雑貨だからコンビニ食品のように毎日絶対これくらいは消費されますよという商品は無い。

これが従来型の作業服向けワークマンなら、毎日の需要予測は無理でも2週間から1か月くらいの過去実績と照らし合わせた需要予測は立てやすい。

何せ顧客は労働者なのだから、だいたい買い替える期間・買い足すまでの期間というのは一定である。当方が労働者だったとして作業服・作業手袋などが古びて買い替えなくてはならなくなるまでの期間というのはほぼ一定である。たまにイレギュラーな破損や買い足し需要が発生することはあるが、確率は低い。だから、オーナーもそれを予測しながら過去実績と照らし合わせて期初に必要と思われる数量を発注すればいい。

実際に近隣の駅前にある路面ワークマンでも何度か買い物をしてみたことがあるが、恐らくはオーナー夫婦なのだろう。60代と思われるご夫婦がのんびり運営している感じだったが、作業服店ならそれで事足りる。

しかし、ワークマンが今後圧倒的に増やそうとしているのはカジュアル向けのワークマンプラス・ワークマン女子であり、しかも商業施設内のテナントである。

当然、路面の作業服店に比べると売上高も多くなりやすいが、不特定多数が訪れるから売れる数量も一定ではない。またブームと反ブームも頻繁に起きる。

しかも今後もフランチャイズ主体の出店は継続する意向なので、この手のショップも9割以上はフランチャイズだと考えられる。

売上高が大きいということは一見すると良いことだが、裏を返せば「その分量を仕入れなくてはならない。その分量の支払いが発生する」ということになり、よほど資金的な余裕がないとオーナーになることは難しい。いくら、ワークマンが企画生産体制を変更して期中追加企画を充実させたところで、毎回やすやすと仕入れることができるオーナーは数少ないだろう。

前回は、作業服時代と変わっていないように感じられる企画生産体制に対して疑問を投げかけてみたが、実は問題はそこだけではなく、フランチャイズ主体のままでカジュアル市場で多店舗化するという構想も論理的には可能でも実情は難しいのではないかと当方は考えている。

実際に当方が定期的に見ている都心店も実はオーナーが資金的な事情から追加補充仕入れをしていない可能性だって決して低くはない。

作業服に比べると売上高の成長上限がはるかに高いカジュアル市場・ファッション市場ではあるが、作業服体制のままでは適応は難しいし、今後は新たな仕組み作りが必要にならざるを得ない。

まあ、在野のオッサンたる当方に指摘されずとも、優秀な方が多いワークマンだから対応策はすでに取り始めておられるのだろうと思うが、企画生産体制と店舗運営体制の舵取りはかなり慎重を要する作業になるので乗り切っていただきたいと思う今日この頃である。

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