2022年度「第40回毎日ファッション大賞」の表彰式が9月20日の今日、大手町三井ホールで開催された。大賞は「ケンゾー(KENZO)」のアーティスティックディレクターと「ヒューマン メイド(HUMAN MADE)」のデザイナーを務めるNIGO®、新人賞・資生堂奨励賞は「フミエ タナカ(FUMIE=TANAKA)」のデザイナー 田中文江、鯨岡阿美子賞はスタイリストの北村道子が受賞。また、「デニム de ミライ〜DENIM PROJECT〜」とシンガーソングライターの松任谷由実に話題賞が贈られた。
大賞を受賞したNIGO®は、2010年に「ヒューマン メイド(HUMAN MADE)」をスタート。2020年と2021年には、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」 とコラボレーションコレクションを発表した。また、2021年9月には、ケンゾーのアーティスティックディレクターに就任。デビューコレクションでは、故・髙田賢三へのオマージュを表現した新作を発表した。今回の選考では、ストリートカルチャーへの貢献のほか、高田から継承したケンゾーのクリエイションが大きな反響を呼んだことが高く評価され、大賞に選ばれた。NIGO®は「今まで評価を得たいと思ったことはなかったが、こういった権威ある賞をいただけたことで自分が取り組んできた事が報われたように感じた。今後も日本ファッション、日本文化の素晴らしさを国内外に伝えていけたら」と喜びを噛みしめた。
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新人賞・資生堂奨励賞を贈られた田中は、2019年秋冬シーズンまで活動していたブランド「ザ・ダラス(THE Dallas)」を終了し、2020年春夏シーズンに自身の名前を冠したブランド「フミエ タナカ」を始動。2019年10月にはフミエ タナカとしてファッションアワード「TOKYO FASHION AWARD 2020」を受賞し、イタリアの見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ(Pitti Immagine Uomo)」に参加してコレクションを披露した。今年3月に発表した2022年秋冬コレクションが「デザイナーズブランドの服を着て外に出たい」というポスト・コロナの雰囲気にマッチしたことが評価され、受賞に至った。1975年生まれの田中は「この歳で新人賞をいただくのは照れくさい気持ちもあるが、年齢や経験は関係なく、やる気と行動力が何より大切だと感じている。自分の受賞が、夢に向かって進む人たちの道標になれば嬉しい」とコメント。「ここに立っているのは自分1人の力ではない、これまで関わった全ての人に心から感謝したい」と涙ぐみながら話した。
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田中は、授賞式後に行われたプレゼンテーションでランウェイショーを開催。受賞のきっかけにもなった2022年秋冬コレクションを再び披露した。
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鯨岡阿美子賞を受賞した北村は10代をアメリカ、フランスなどで過ごし、30代でスタイリストのキャリアをスタート。初期は広告や企業文化誌「花椿」などでスタイリングを担当していたが、森田芳光監督の映画「それから」のスタイリングを手掛けて以降「東京日和」など数々の映画の衣装に携わってきた。重要な映画作品でスタイリングを担当した点、スタイリングで多くの人に影響を与えた点が評価され、鯨岡阿美子賞が贈られた。北村は「自分自身こんなに長く仕事をするとは思わなかった」とした上で「名誉ある賞をいただけたことに感謝したい」とコメントした。
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話題賞が贈られたプロジェクト「デニム de ミライ〜DENIM PROJECT〜」では、三越伊勢丹、阪急阪神百貨店、岩田屋三越、エスティーカンパニー、ファッションコアミッドウエスト、佐藤繊維の6社がタッグを組み、「リーバイス(Levi's®)」の「501®」のユーズドストックをアップサイクルしたアイテムを販売。消費者とともにファッションを楽しみながら環境に配慮する姿勢が讃えられた。表彰式に登壇した三越伊勢丹 伊勢丹新宿店 リ・スタイル バイヤーの神谷将太は「ファッション業界にポジティブなニュースになればという気持ちで1年半企画に携わってきた」とし、「SDGsやサステナビリティが当たり前になる未来に向かって今後も企画を続けていきたい」と展望を語った。
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同じく話題賞を受賞した松任谷は、50年にわたりシンガーソングライターとして活動。年代ごとに個性を活かした衣装を着用してきたこと、シティポップの再燃を背景に各楽曲やステージ、生き方そのものがファッショナブルだと国内外から注目を集めたことが評価され話題賞の受賞に至った。松任谷は「このような名誉ある賞をいただき、好きな服を着て暮らしていきたいという10代の頃の夢が叶ったような気持ち」と喜びを表現。今後の目標は80歳で黒いソワレを着こなすことだという。
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