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ファッションとサステナビリティ、SDGs軸の産学連携が活発

ファッションとサステナビリティ、SDGs軸の産学連携が活発

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 教育の現場でも主要テーマになったSDGs(持続可能な開発目標)。多くの教育機関がその達成に向け、環境や社会課題について考え、行動できる人材の育成に力を入れている。座学はもちろん、昨今は企業の協力を得て、実践の機会を作る産学連携が活発だ。例えば、廃棄衣料をはじめとする繊維・ファッション業界を取り巻く問題は身近な教育材料。こうした問題に取り組む業界企業に連携を持ちかけるケースは少なくない。縫製工場で発生する余り生地を紙にアップサイクルする「アスカミ」で廃棄衣料問題に向き合うモリトグループのマテックス(神戸市)もその一つ。同社と連携する関西大学、近畿大学の活動事例に焦点を当てた。

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関西大学/学びの機会をゆるく広げる

 18年末に学長を座長とする「SDGs推進プロジェクト」を立ち上げた関西大学。大学の執行部中心にワーキンググループを設け、併設校も含めて大学の全ての構成組織で横断的にSDGsの達成に貢献しようと取り組んでいる。

 同プロジェクト事務局メンバーの植田光雄学長室次長は、「SDGsに向けて考え、実行し、社会に還元するための組織と仕組みがあることが本学の特徴」という。その仕組みの一つが「SDGsパートナー制度」。SDGsに向けた取り組みを加速させる狙いで、同制度を通じて企業や団体などと連携し、双方の知見やノウハウを生かし合って社会課題の解決へ具体的に取り組むものだ。

 産学連携の従来の枠組みはあるものの、「明確な研究テーマなど具体的なプランがなければ協定の締結は難しい」など連携のハードルが高かった。「学生たちには既存の枠に縛られず、色々な学びの機会を提供したい」と模索し、「ゆるい関係性を重視」した同制度をスタート。書面での申請手続きは必要だが、細かな取り決めに縛られず、状況に応じて臨機応変に取り組みの内容を更新できる。

 〝ゆるい〟とはいえ、その前段階で企業と大学の担当者が話し合う機会を設け、制度の趣旨説明、価値観の共有、具体的な連携のイメージをすり合わせ、意思確認をした上で申請手続きへ進む。これにより、ミスマッチをなるべく未然に防ぐようにしている。約1年半で登録団体数は50になった。繊維・ファッション業界では関西ファッション連合、アーバンリサーチ、マテックスが名を連ねる。

 このうち、マテックスとはアスカミを活用した取り組みを推進中。その一つは、12月3日まで開催される関大と法政大学共同の「SDGsウィークス2022」に併せて、不要な衣料の回収ボックスをキャンパス内に複数設置し、回収衣料をアスカミの原料として利用するというもの。関大付属の北陽高校では「探求学習」という科目の題材の一つとしてアスカミを提供。廃棄衣料の問題と絡め、アスカミで何ができるのかを学ぶという。

回収した不要な衣料を「アスカミ」の原料として活用する(関西大学の千里山キャンパス)

 関大学生有志の団体「SDGsキャンパスサポーター」の学生たちはこのほど、三井ショッピングパークららぽーとエキスポシティ(大阪府吹田市)でSDGsを切り口に実施された「エキスポ文化祭」に参加。そこで企画したスタンプラリーにアスカミを利用した。

「エキスポ文化祭」に参加した関西大学の学生たち。SDGsをテーマにしたクイズのスタンプラリーにアスカミを使った

 「パートナー制度を通じた連携によって、できることが広がった」と植田次長。「大学は教育、研究を中心とした様々なリソースがあり、企業や団体とつながることで社会に還元できる」と同制度の意義を強調した。

近畿大・金ゼミ/実践的な教育何よりも重視

 「僕は現場主義。実践的な教育を何よりも重視している」というのは、近畿大学経営学部の金泰旭教授。「座学も大事だが、そこで学んだ理論が現実に起こったことと照らし合わせて、どういう価値を持つのか。それを理解することが経営学部で学ぶ意義だと思う」という。

 金教授のゼミは新年度までに座学を済ませ、4月からは産学連携のような実践的な課題に集中できるよう、特殊なスケジュールを組んでいる。コロナ禍の最中は制約がかかったが、ようやく通常に戻りつつある。

 今年は複数の大学と多様な業種の企業が参加するマッチングプログラムにゼミとして初めて参加した。マテックスのアスカミを活用した新商品開発と、大阪市生野区の地域活性化を狙った新しい複合施設の広報活動、関西の中小企業に限定した就職情報サイトの立ち上げといった事業に3チームが参画。

マテックスとの会議に臨む近畿大学・金ゼミの学生たち

 マテックスとの連携について金教授は、「アスカミはSDGsに資する題材で、紙は汎用性の高い材料。社内にはデザイナーもいて、そのリソースを活用すれば様々な用途で、色々な業界とのビジネスにつながる可能性を秘めている」と強調した。

 とはいえ、SDGsに関わる題材である以上、「サステイナブル(持続可能)という言葉の意味をかみしめ、理解した上で長く続けられる取り組みを考えることが大切」という。「環境配慮型の材料を使っているという大義名分だけでなく、独自性や利便性、コストパフォーマンスといった要素も含めて社会に認められる物でなければならない」と学生に伝えている。

 その上で、マテックスと連携する学生たちが発案したのはカレンダー。不特定多数が対象のカレンダーではなく、就職活動に役立つカレンダーを一つの案として検討中。マテックスと議論を重ね、来年2月の最終発表に向けて形にしていく。

《メモ》アスカミは国内の縫製工場などにある余り生地を活用した混抄紙(パルプにほかの繊維を混ぜてすいた紙)。マテックスと国内製紙工場、紙専門商社が協業し、難しいとされてきた天然繊維と化繊が混ざった生地も混抄紙にする技術を確立。余り生地を粉砕した物を3~5%程度パルプに混ぜ、再生紙を量産するサイクルを構築した。アパレルの下げ札や名刺、封筒など様々な紙製品へ活用が始まっている。

マテックス「アスカミ」の生産・利用プロセス

(繊研新聞本紙22年11月30日付)

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