スニーカーは、当然のことながら履けば履くほど汚れてしまう。お気に入りのスニーカーを長く履くには、やはり普段のケアが重要だ。ただ、どんなケアをすればいいのかわからない……。そこで、ニューバランス原宿に設置された「SHOE CARE BAR」にて、スニーカーのお手入れや汚れ落としについて、お話を伺ってきた。
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ショップでの期間限定体験コンテンツが定番化
2022年10月に6周年を迎えたニューバランス原宿。その前年の5周年時に体験コンテンツのひとつとして生まれたのが「SHOE CARE BAR」だった。名前のとおり、ホテルにあるBARのようなラグジュアリーな空間で、シューケアに関する相談ができることでユーザーからも好評を得ている。
意外と知らなかったスニーカーのケア。ケアをするとしないとでは、スニーカーの寿命はもちろん、見た目やソールのクッション性にまで影響を及ぼすこともあるとか。ニューバランス原宿の店長である田代宏さんはこう語る。
「もともとニューバランスのショップでは、ニューバランスのスニーカーをご購入いただくときに、長くキレイに履いていただくためにシューケアのお話もさせてもらっています。それを切り取って集約させたのがこの『SHOE CARE BAR』なんですよ。ここでのケアは基本的にミッドソールのケアがメイン。
お客様が履いてきたスニーカー、もしくはお持ち込みいただいたスニーカーのミッドソールをキレイにしていくことができます。アッパーはスニーカーの素材によっても違いますので、希望があればその素材にあったケアを施していくのが基本ですね」
田代さん曰く、普段からしっかりとケアしていけばスニーカーはもっと長くキレイに履けるという。その基本となる極意を伝授してもらった。
ミッドソールの状態はスニーカーの印象の8割を占める
「SHOE CARE BAR」でのケアに使うアイテムは、ニューバランス原宿でも販売されている「SNEAKER LAB(スニーカーラボ)」の各種スプレーやワイプスと呼ばれる拭き取りタイプのペーパークリーナー。
有益バクテリアと天然由来成分を組み合わせて精製されており、顕微鏡レベルでこびりついた汚れも素早く効果的に取り除き、清潔な状態を長く保つことができるのだ。洗剤を使わない100%生分解性なので、洗い流すこともなく汚れた水が排水されることもない。無害で環境にも優しい。田代さんは語る。
「お客様のシューケアに対する理解や、普段のケアの状況に応じてご案内の内容は変わってきますが、基本的には一番手軽なミッドソールの拭き取りが中心。もちろん、ブラシによるアッパーのケアも施しています。ケアをしたことがないお客様に関しては、より手軽なケアからおすすめしてレクチャーさせていただいています。
汚れ落としはもちろんですが、いかにきれいな状態を維持するかもアドバイスしています。あくまで切り口はミッドソールの汚れ落としですが、お客様の悩んでいるポイントなどをヒヤリングして、おすすめのケア方法をご案内しているんですよ」
「SNEAKER LAB」のワイプスで拭き取ると、ミッドソールの汚れがみるみる落ちていった。洗剤を使わず環境にも優しいのに、この効果は驚きだ。
「ミッドソールが汚れていると、全体が汚く見えてしまいます。自分でも“ミッドソールのきれいさはスニーカーの印象の8割を占める”と思っているので、ケアの仕方がわからない人は、まずはミッドソールをキレイにすることから始めてほしいですね」
革靴とスニーカーのケア方法は共通点が多い
「SHOE CARE BAR」が実際に推奨するスニーカーケアの手順はこうだ。まずは履く前に汚れが付きにくくなる処理ということで、SNEAKER LABの「SP(スニーカープロテクター)」をアッパー全体にスプレーする。田代さんはポイントをこう語る。
「一般的な防水スプレーは、ガスでフッ素系の膜を作って水をはじかせる……というメカニズムですが、『SNEAKER LAB』の“SP”は、水溶性なのでアッパーの生地自体に染み込んでいきます。いわゆる生地自体に撥水効果を持たせることが決定的な違いです。
このスプレーには色落ち防止という効果も含まれているので、撥水+色落ち防止を付与できます。特にブラックやネイビーなどの濃い色は退色しやすいので、おすすめなんですよ」
次に行うのは定期的(ウィークリー)なケア。スニーカーに使われるスウェード素材で推奨したいケアはブラッシングだ。
「ブラシでスウェードの毛を立たせながら、中の汚れをかき出していきます。その後に、先ほども登場した『SNEAKER LAB』のSPをスプレーします。SPは3回目以降に効果を発揮してきます。生地に染み込んでいくので、撥水効果が高まっていくのです。
基本的には、ブラッシングとSPのスプレーを繰り返していけば、汚れが付きにくくなるので、定期的なケアが重要ですね」
そして、2週間に1回ぐらいはミッドソールのケアとして「SNEAKER LAB」のワイプスで汚れを落とす……というのが基本的なケアとのこと。汚れがついてからケアするよりも、汚れが付きにくくなるケアして、汚れが溜まらないうちに拭き取っていくのが大事だそう。田代さん曰く“スニーカーのケアはお肌のスキンケアと一緒”とのことだ。
「スニーカーは、1日履いたら2~3日は休ませてほしいですね。足も汗をかくので、その汗が内部に染み込んでニオイの原因になることもあります。
また一度履くとクッション性の高いミッドソールはぎゅっと収縮し、元の状態に戻るまで3日ほどかかるそうです。その状態で履き続けると、ソールが縮んだままになって、劣化していくんですよ。だから履き続けるのではなく、適度に休ませてほしいですね」
スニーカーのケアは革靴のお手入れにも似ている。またケアの悩みは人それぞれという部分も多いだろう。そんなときの駆け込み寺としてニューバランス原宿の「SHOE CARE BAR」を活用してほしい。
PROFILE|プロフィール
田代 宏(たしろ ひろし)
ニューバランス原宿 店長
ニューバランス原宿にて、店長を務めつつ「SHOE CARE BAR」では、スニーカーのケアはもちろん、ケアにまつわるアドバイスもしてくれる。最近発売されたM990v6がお気に入りで他にも900番台を多数所持する。
ニューバランス原宿
東京都渋谷区神宮前4-32-16
TEL:03-3402-1906
営11:00~19:00(時短営業中)
不定休
Text:Yasuyuki Ushijima(NO-TECH)
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