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服の寿命や耐久性に規定はあるのか?という話【3】

服の寿命や耐久性に規定はあるのか?という話【3】

繊維業界記者・ライター兼広報アドバイザー
南 充浩

みなさんこんにちは〜

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USです。

年始と成人日があったお陰で登場が遅くなりましたが、2023年第1回目のブログです。本年もよろしくお願いいたします!

さて、今回はシリーズお届けしている(?)『洋服の寿命や耐久性に規定はあるのか?という話』の3回目となります。

前回は機能性素材の洗濯に対する耐久性についてのお話を書きました。洗濯やドライクリーニングに対する耐久性を確認すべき物は他にもあります。

それは2次加工を施された生地です。

具体的には、

●フロッキー、顔料プリント、ラバープリント、顔料プリント、発泡プリントなどの特殊プリントと言われる種類のプリントが施されている生地

●プリーツ加工された生地

●ボンディング生地

●コーティング生地

などの生地です。

上記の生地を使って製品を作る場合は、繰り返しの洗濯やドライクリーニング処理で特殊プリントの脱落や変退色による劣化がないか、また生地の外観変化がないかを確認する「場合もあり」ます。

『場合もある』と記したのは、これらは各メーカーが独自に基準を定めている物だからです。メーカー基準に繰り返し処理の基準がなければ実施されない場合もあります。

とは言え、メーカーも1回の処理も耐えられない物を販売すると、「粗悪品販売している」と捉えられ、ブランドのイメージダウンにも繋がります。また、機能性とは違い生地の外観変化はすぐにわかってしまうので消費者からのクレームにも直結しやすいです。

あくまでメーカーの考え方次第と言えますが、よく名の通っているアパレルブランドや量販店ではこのような耐久テストが実施されている場合が多いと思います。繰り返しの洗濯やドライ処理の回数については検査基準によって違いますが、電気洗濯機法で5回後、ドライクリーニングで3回後に生地の外観を確認するの事が多いと思います。

2次加工された生地を使用した製品の耐久性試験も機能性加工と同様に、洗濯や、ドライクリーニングの処理回数から考えると、1シーズンの洗濯回数程度だと思うので、『1シーズンは耐えられる耐久性があるように設計されている』と考えられるでしょう。(作る方は最低でも1シーズン耐えられるように設計した方が良いと思います。)

ただし、前回のブログで書いたように、着用による劣化や経年による劣化もありますが、試験ではそれを加味されておりません。

以上3回に渡って寿命や耐久性について家庭用品品質表示法や各メーカーの品質基準から考察してきました。

このシリーズでは生地の洗濯やドライクリーニングに対しての耐久性や寿命にフォーカスを合わせて話をしてきました。

第1回目の補足的な感じで2回、3回と書いてきましたが、服の企画製造、販売する際の参考になれば幸いでございます。

また、洋服の耐久性については今回紹介した生地のことだけではなく、縫製や仕様、デザイン等も大いに影響してくるということを付け加えておきたいです。

更に、見た目が新品同様であったとしても、製造されてから時間が経過すると繊維の劣化が進んで脆化してしまう物もあります(脆化の速度は洋服の保管状況にもよります)。脆化すると生地がもろくなり破れやすくなってしまったり、染色堅牢度が悪くなって洗濯後に色が抜けたり変色してしまうケースもあります。

お気に入りの洋服を大事に取っておくのも良いですが、着用しなくても脆化が進んでいくので定期的に着用して頂いた方が、多くの回数を着用できることに繋がるかもしれませんね。

以上USでした!

ツイッターもやっていますのでこちらもよろしくお願いします。

@SCYE333

最終更新日:

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