鍛え抜かれた美しいボディで人々を魅了し、フィットネスプロデューサーとして日本のフィットネス業界を牽引し続けているAYAさん。ここ数年、筋トレやボディメイクに励む女性が増えたのは間違いなく彼女の存在が大きいだろう。トレーニング法からライフスタイルまで注目を集めるAYAさんが、これまでの知見、活動をもとに新たに提唱しているのがフィットライフ。昨年12月には、自身初のプロデュースとなるフィットライフジムもオープンさせた。彼女の提唱するフィットライフとは何か、これまでの人生やターニングポイントを振り返っていただきながらお話を伺った。
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AYAさん/株式会社A-FIT代表取締役、「Feelin’Good」フィットネスプロデューサー
幼少期から体を動かすことが好きで、さまざまなスポーツに親しむ。中学時代は陸上部、高校時代はバレーボール部に入り、個人・団体競技の両方を経験。体育系の大学を卒業した後はフィットネスインストラクターとしてスポーツジムに勤務。2012年に、アメリカ発祥のフィットネスプログラム「クロスフィット」と出会い、大きく影響を受ける。著名人を含む多くの人々のボディプロデュースを手がける傍ら、テレビや書籍・雑誌など各メディアにも登場、商品プロデュースを行うなど多方面で活躍。2022年12月、東京・虎ノ門にAYA初プロデュースとなるフィットライフジム「Feelin’Good虎ノ門」をオープン。
Instagram:@aya_fitness/@feelingood.jp
北川 加奈さん/エーバルーンコンサルティング株式会社 ヴァイスプレジデント・人材コンサルタント
静岡県出身。英国への留学を経て、英語教師としてキャリアをスタート。その後、人材業界に転身し、外資系人材コンサルティング会社にてキャリアを積んできた。2021年エーバルーンコンサルティングの上級職に就任。ラグジュアリー、ファッション、ライフスタイル、コスメティック業界に専門性を持ち、外資系クライアントのエグゼクティブサーチを中心に強みを発揮している。また「歩く人材データベース」とも呼ばれ、業界でも屈指のネットワークを誇り、キャリアを通じての人材紹介数は3,000件を超える。平日にはハイブランドのファッションを愛するかたわら、週末にはアウトドアを愛し都市と自然の調和の取れた生活を、愛犬とともに送っている。
運動が大好きで、体育の先生を目指した幼少期
― これまでのご経歴を伺いたいのですが、幼少期から学生時代はどのように過ごされてきましたか?
物心ついた頃から体を動かすことが好きでした。父が少年野球のコーチをしていたので、よくキャッチボールをしていましたし、運動好きになったのは父の影響も大きいと思います。子どもの頃は、体を動かす職業=体育の先生と思っていたので、「将来は体育の先生になろう」と決めていました。スポーツには個人競技・団体競技がありますが、私は両方を経験してから将来の道へ進みたいという想いから、中学時代は陸上競技、高校時代はバレーボールを経験しました。
― 大学卒業後は体育の先生ではなく、インストラクターの道へ。そのきっかけは?
大学時代にスポーツに関連する職業はほかにもたくさんあることを知り、フィットネスインストラクターに興味を持つようになったんです。体育の先生は、教える対象がその学校の生徒だけですが、フィットネスインストラクターは子どもからご年輩の方まで幅広く教えることができます。そこに魅力を感じ、スポーツジムのフィットネスインストラクターという職業を選びました。
― 具体的にはどんなお仕事内容だったのでしょうか?
スタジオ&プールプログラムのインストラクターとして、エアロビクスやボクササイズ、水泳やアクアビクスを教えていました。その頃はとにかくがむしゃらで、会員のお客様に対しては「自分のクラスに来てもらって、楽しんでもらわないといけない」とか「辞められないようにしないと」という気持ちが大きかったです。現在のように、「身体を変えてあげよう」とか「ボディメイクしてあげよう」という部分にフォーカスできていませんでしたね。そういう意味で、駆け出しの頃は一番大事なところが欠けていたのだと思います。そんなとき、クロスフィットに出会ってその魅力に開眼し、現在のようなフィットネススタイルを提案するようになったんです。
クロスフィットとの出会いが大きなターニングポイントに
― AYAさんを魅了した、クロスフィットとはどういったものなのでしょうか。
クロスフィットは、アメリカ・カリフォルニア発祥のフィットネスメソッドです。歩く・走る・起き上がる・拾う・持ち上げる・押す・引く・跳ぶなどの日常生活で繰り返し行う動きを基本に、それぞれをバランス良く鍛えることで、基礎体力が向上し、生活動作が楽になるのを実感できるトレーニング方法です。このような動作のパフォーマンスと全身の機能向上を目的としたトレーニングを「ファンクショナルトレーニング」といいますが、「クロスフィット」は毎回異なったトレーニングを高い強度で行うため、効率良く全身を鍛えられるという魅力があります。
― クロスフィットに出会ったことで、現在のトレーニングスタイルが確立されていったのですね。
実は、スポーツジムのインストラクター時代は、腕立てふせや懸垂を1回もできなかったんです(笑)。クロスフィットに出会ってから、正しい体の使い方や動かし方、体づくりの本質について理解し、会得することができました。その頃からクロスフィットの本場であるカリフォルニアにも年に2回くらいのペースで行くようになり、現地のフィットネススタイルやトレーナーのあるべき姿などさまざまなことを学び、吸収していきました。そういった体験は良い刺激になりましたし、たくさんのインスピレーションを受けました。
― 特に、どんな部分に影響を受けましたか?
トレーニングスタイル、フィットネスジム自体はもちろんですが、日本と大きく違うと感じたのがトレーナーのあり方です。現地で出会ったトレーナーは、皆さん見た目がかっこいいのはもちろん、それぞれの個性が際立っていました。「私のようになりたいの?なら、私が教えるよ」という感じで、憧れを抱かせるような存在なのです。私もそんな風に人を惹きつける、立っているだけで存在感を放てるようなトレーナーになりたい、と強く思いました。日々のトレーニングと食生活はもちろん、ウェアや身に着けるものに気を配っているのも、常にトレーナーとして良いお手本になる人間でいたいと思っているからですね。
過性のボディメイクではなく、ライフスタイル全般を提案したい
― 昨年12月にオープンされた、「Feelin’Good」について教えてください。
ひとことで言うと、一人ひとりのフィットライフをサポートするジムです。フィットライフとは、「フィジカルだけでなくメンタルや食事のケアなども行いながら、より健康な心と身体を目指す生き方」のこと。ただの一過性のボディメイクではなく、ライフスタイルをまるごと見直そう、ということをご提案していきたいです。スタジオでは、私の考案したプログラムを初心者から上級者向けのものまでご用意しています。忙しくてなかなか通えない方にはオンラインプログラムも配信しています。
― なるほど。体を鍛えると同時に健康も手に入れる感じですね。
そうなんです。私が大事にしているのは、「一生動ける身体づくり」と「人生を輝かせ、豊かにしてくれるもの」。そのためにはフィジカル、メンタルのケア、食事、睡眠……それらすべてが重要な要素なのです。フィットネスを通して、そういったところも見直していきたいです。トレーニングについては、「AYAさんだからできるんでしょう」とか「私にはそんなハードなものはできない」とよく言われるのですが、私自身、腕立てふせや懸垂が1回もできないところからスタートしています。だからできない方の気持ちはよくわかりますし、一人ひとりの体を見て適切な負荷をかけたトレーニングを行っているので臆せずチャレンジしてほしいです。パズルのピースを埋めていくように体を動かし、しなやかな筋肉をバランス良くつけていくイメージで行います。初心者の方もまずは体験に来ていただきたいですし、続けていけば必ず体は変わっていきます。
― 今後の展望について教えてください。
私が一生をかけて叶えたい夢が、「日本総フィットネス化」。運動しない文化を、より運動する文化へと変えていきたいんです。簡単なことではないですが、これからひとりでも多くの人が運動を習慣にしていってもらえたら。この「Feelin’Good」も、そんな活動の展開のひとつ。今後も夢の実現に向けて、自分ができることに全力で取り組んでいきたいです。
文:鈴木 里映
撮影:Takuma Funaba
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