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人口世界一で目が向けられる「インド戦略」、2100年のGDP予測から分析

人口世界一で目が向けられる「インド戦略」、2100年のGDP予測から分析

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 国連人口基金が4月19日に発表した「世界人口自書」によると、2023年半ばまでの人口は、インドが14億2860万人、中国が14億2570万人で、世界人口第1位はインドになっているのは確実だとしている。ちなみに人口第3位はアメリカで推定人口は3億4000万人とインドと中国に大差をつけられている。さらに日本は2008年から人口が減り続けており世界第11位で1億2560万人(2022年)である。

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 さて、インドと中国は世界経済のリーダーになることを常に表明しているが、人口の推移だけみると、すでに2022年後半にピークを迎えた後に減少に転じた中国に対して、インドの人口は増え続けている。さらに、前出の国連人口基金によればインドの人口分布は「若い」。人口に占める0~14歳、10~19歳、10~24歳の割合は、それぞれインドが25%、18%、26%であるのに対し、中国は17%、12%、18%だ。今後のこの「人口ボーナス」と呼ばれる恩恵があってさらにインドと中国の差は大きくなると見られている。インド政府はこうした若年層が労働人口になるため、雇用機会拡大の政策を強化するだろうと見られている。

 今後世界経済のトップ(GDP:国内総生産年間総額)にまずアメリカを抜いて中国が躍り出るのは確実で2028~2030年あたりになるとみられている。さらにこの「アフター中国」ということになると2023年に人口世界一になったインドが世界経済のリーダーになるのではないかと言われて来たが、今回の2023年人口世界一確実の発表で、それは現実のものになった観があるのだが、どうなのだろうか。

 ここにワシントン大学が2017年に発表した2100年の人口とGDPのランキングに関する研究結果をイギリスの医学誌「ランセット」が昨年掲載した面白い記事があるので参考までに掲載しておく。

 まず2100年の人口第1位はインドでその人口はなんと10億9000万人。2023年に比べて減少しているのだ。ワシントン大学研究チームはそもそも世界人口は2064年に97億人でピークを迎え2100年には88億人になっているというのだ(2023年80億人)。女性の社会進出が進み出生率が低下するのがその理由だ。第2位はこれも驚きだがナイジェリアで7億9100万人、第3位は中国で現在の半分の7億3200万人、第4位はアメリカで2023年とほぼ同数の3億3600万人、第5位はパキスタンの2億4800万人、第6位はコンゴの2億4600万人。ちなみに日本は2023年の10位から半減の6000万人で38位となっている。

 それでは、こうした人口動態を踏まえた2100年の各国のGDPの順位だが、2035年にGDP世界一になった中国だが、その後急激な人口減少によって2098年にはアメリカに再び逆転されるとワシントン大学の研究チームは予測。インドは人口世界一の座をキープはするが、GDPでは世界一になることはなく、2100年では定位置の第3位をキープしている。GDP=人口数×労働生産性ということであれば、インドの労働生産性は今後あまり上がらないということになる。

 ちなみに2100年では人口数世界第38位の日本だが、GDPランキングではなんと4位で2023年から順位を一つ下げただけというのが驚きだ。第5位のドイツ、第6位のフランスなどヨーロッパの先進国はベスト10内のポジションをキープしているのが注目される。生産性を大きく上げるような何かが日本に起こるのだろうか。前述した2100年人口2位のナイジェリアのGDPは、2100年では2023年の28位から9位に急上昇するとワシントン大学研究チームは分析している。

 2100年の予想はこんな具合だが、今回の「インド人口世界一」に戻ると、話題性も大きく「インド戦略」に目を向ける企業が増えそうだが、立ちはだかるインドの障壁は高く大きいようだ。現在のモディ政権が2014年に発足後、高額紙幣の廃止(2016年)、GST(財・サービス税)の導入による税制国内統一(2017年)などで改善は見られたが、その後のBS6と呼ばれる厳格な排ガス規制(2020年)、コロナ禍での厳しいロックダウンなどで日本企業のインド戦略は後退した。

 しかしコロナ禍前の2019年に「ユニクロ(UNIQLO)」が3店を出店してインド進出を開始し、その後3年間で店舗数をすでに9店にまで増やしているファーストリテイリングはすでにインド事業を黒字化している。こんな心強い例もある。しかし、ほとんどの日本のファッション&アパレル企業は、難しいインド市場に目を向けなくとも、ビジネス環境が良くて自由貿易に前向きな東南アジアでまだまだ開拓余地が大きいというのが本音のようなのだ。

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