近年、米国はじめ海外ではアルムナイネットワークを活用しブランディングを加速させる取り組みが注目されています。アルムナイネットワークを「公式化」できれば、元社員を呼び戻す再雇用や採用の競争力向上にもつながり、エンプロイヤーブランディングを加速させることにもなります。そのため、今後アルムナイとの関係構築が必然となることでしょう。そこで今回は、人材確保の選択肢拡大や、採用におけるブランディング強化へとつながるアルムナイネットワークについて詳しく解説していきます。
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人事戦略のひとつとして注目されている、アルムナイネットワーク
企業にとってさまざまなメリットをもたらすとされている、アルムナイネットワーク。よりよく効果的に活用するには正しく理解しておく必要があります。ここでは、アルムナイが持つ意味やアルムナイ制度について解説します。
アルムナイの意味について
アルムナイは英語では「alumni」と表記され、alumnusの複数形のこと。本来の定義は「卒業生や同窓生」を指し、主に人事領域では「企業の離職・退職した人」のことを指します。
アルムナイ制度とは?
アルムナイを組織化したのがアルムナイ制度です。アルムナイ採用とも言われることも多く、離職者=アルムナイを積極的にビジネスに活用していく人事戦略の一つのこと。
かつて自社で働いていた人を再雇用するというもので、「カムバック制度」と呼ばれることもあります。
アルムナイ制度を利用すれば、不足した人材を確保することができたり、会社への愛着を持った人を雇用することができたり、教育コストを抑えることができるといったメリットをもたらします。
アルムナイネットワークとは?
退職者や元社員で形成されるコミュニティが、アルムナイネットワークです。離職者の同窓会のようなもので、大学の同窓会に近いのかも知れません。
外資系の企業では一般的なコミュニティの一つで、退職者同士はもちろん企業が自社の退職者とつながりを持てるようなネットワークで、SNSなどでつながったり、交流会を開催したりして定期的に情報交換を行う場として形成されています。
また離職者の現在の勤め先や職業などについての情報を収集し、管理できるようにもなっています。
アルムナイが注目されている3つの理由
労働市場や働き方の変化が激しい近年。アルムナイが注目されている背景には、主な理由が3つほど挙げられます。ではここからは、注目される理由を具体的に見ていきましょう。
より加速する、優秀人材採用の困難化
労働人口の減少はもちろんのこと、ここ数年コロナ禍による影響で落ち込んでいた求人数が回復していることが、アルムナイが注目されている理由の一つです。求人数が回復していることから、優秀人材採用の更なる困難化が推測されます。
この人材が採用しにくい状況が続いているからこそ、アルムナイが注目されているのでしょう。他社でさらにスキルアップしているアルムナイを再雇用できれば、即戦力としての活躍が期待できるからです。
人材の流動化が活発となっているため
また終身雇用体制が終わりを告げ、人材の流動化が活発になっていることも挙げられます。現在はさまざまな事情で退職・転職する人材も増え雇用市場が変化しています。1社のみでキャリアを終えるのではなく、転職をすることで複数社を経験してキャリアを形成する人が増えているからです。
そのため、企業は人材の確保が急務となっています。アルムナイはもともと自社で働いていた人材のため、そもそも自社の基本的な制度や社風を理解しており、採用後のミスマッチなどを軽減できる可能性も高まると言われています。
変化する退職の捉え方
退職に対してどうしてもネガティブな印象が残る日本。しかし近年では、視野を広げる意味合いで退職する層も増えてきています。ライフステージに合わせた働き方や、自分らしい生き方を実現したいなど、退職理由はさまざまです。
そんな退職に対する価値観が前向きなものに変化してきているのも、アルムナイが注目される背景の一つです。
一度離れた人材も貴重な人的資本と捉えることができれば、アルムナイ制度を活用し再雇用につなげることができるでしょう。
エンプロイヤーブランディングとしてのメリットも
アルムナイネットワークを構築できれば、働く人にとってはイメージダウンどころかプラスイメージになるかもしれません。ここではアルムナイネットワークを構築することで、どのようにメリットをもたらすのかを解説していきます。
企業のブランディングにつながる
退職者が増えることは、自社のイメージダウンにつながりやすいともされています。退職者が多い=待遇が悪い、働く環境が良くない、などの憶測もされやすくマイナスばかり。
そこで退職者とのつながりを持つことができる、アルムナイネットワークを構築することが重要となってきます。
一度退職した人が再び同じ会社で働くということは、会社の魅力がなければ実現しないこと。だからこそアルムナイの再雇用が可能なことは、企業のイメージダウンを回避できる可能性を秘めているのです。
「カムバッグできるほど、よい職場である」というブランディングができ、企業ブランディングへとつながることでしょう。
どのようにアルムナイネットワークを築くのか
アルムナイネットワークを構築するためには、まず施策が必要になります。ここでは具体的な方法について見ていきましょう。
イグジットマネジメントをきちんと行うこと
アルムナイネットワークを構築するためには、まずイグジットマネジメントをきちんと行うことが重要です。なぜならアルムナイネットワークには、円満退職をしている人材が存在することが大前提だからです。
イグジットマネジメントとは雇用の出口に関する計画や管理のことで、退職後のステップアップ支援をはじめとし、退職後も連絡を取り合える関係を構築する必要があります。
退職後も、より良い関係を構築した人材が増えることで、アルムナイネットワークの効果も大きく変わってくるでしょう。
運用支援を行う会社も存在する
アルムナイのネットワークは自然にできることもありますが、企業自体が呼びかけたり、ポータルサイトを作ったりするなどして結びつきを図るところから始まります。
近年では、アルムナイネットワークの構築や仕組み化を支援する会社も登場しています。
例えば、日本初のアルムナイに特化したクラウドサービス・official-alumni.comは、「Official-Alumni.com」を用いて退職者とのより良い関係を実現する場を提供する支援会社です。
そういった支援会社を利用し、アルムナイネットワークを構築するのも一つの手となるでしょう。
退職者の資産化で新たな価値を生み出す、アルムナイネットワーク
アルムナイネットワークをうまく構築できれば、優秀な人材の確保だけでなく、ひいては社員のモチベーションアップにもつながります。日本でもアルムナイネットワークを構築する会社も徐々に増え始め、今後さらに拡大することが予想されます。まずはアルムナイネットワークを「公式化」し、エンプロイヤーブランディングを加速させてみませんか。
エンプロイヤーブランディングの依頼はぜひ、NESTBOWLまでご依頼下さい。
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