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看護師からWeb漫画家に転身、「あげおとティム」の作者にインタビュー

看護師からWeb漫画家に転身、「あげおとティム」の作者にインタビュー

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 現在、新作漫画『あげおとティム』を発表しながら、この作品の地上波アニメ化を目指すNFTプロジェクトを立ち上げている漫画家、人間まおさん。ブログ月間2,000万PV達成、SNSフォロワー数は35万人を超えるなど、商業漫画の連載や漫画ブログといった多彩なフィールドで活躍する彼女は、キャリアのスタートが看護師、しかも医療の最前線といわれるオペ室だったという。人間まおさんのこれまでのキャリアストーリーと、漫画家としての今後について語っていただいた。

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人間まおさん/Web漫画家
専門学校卒業後、看護師として従事。幼いころからの夢であった漫画家を目指し、看護師の仕事をしながらエッセイ漫画を執筆。ヤングマガジンにてオペ室看護師を題材にした漫画「オペ看」を連載。現在人気Web漫画家として、主にブログSNSに漫画をアップし続けている。サルのあげおと二人暮らし。

昼はクリニックで働き、帰宅後に漫画を描くハードな生活

― 人間まおさんは漫画家になる前は、看護師だったそうですね。

私は小さい頃からの夢が漫画家だったのですが、次第に周りの友だちの中にも絵がうまい人たちが出てきて、自分の絵の実力がはずかしくなってしまったんです。そのため高校の2年生くらいまで、ずっと絵は描いていませんでした。でもいざ進路を考える際に、「漫画家になりたかった」と思い出し、親に「絵の学校に入りたい」と言ったんです。そうしたら「人生は甘くないんだから、手に職をつけなさい!」と言われてしまい、看護師を勧められて。都立の専門学校に入学し、何とか国家試験も受かったので、看護師として病院に就職しました。

― 看護師の仕事に携わりながら、再び漫画に興味を持つようになったのは、どんなきっかけがあったのでしょうか?

患者さんの中に絵を描いている人がよくいて、「私も一緒に描きたいな」と思うようになりました。また病院に貼ってあるポスターのイラストや漫画を見て、「私だったらこう描くのに」といった感情が少しずつ芽生えてきて。そうしたらたまたま兄から連絡がきて、「漫画家になりたかったんじゃないの?やってみればいいじゃない」と言ってくれたんです。“身近な人が言うなら”と考えて、いったん看護師の仕事を辞めて、漫画家の道に進もうと決めました。

ただ、最初は漫画の描き方もわからなかったので、本を買って見よう見まねで勉強しました。すぐ稼げるようになるわけでもなく貯金がどんどんなくなるにつれて、“これはまた就職するしかない”と思い、クリニックに勤めることにしました。それからお昼休みや仕事が終わった後にカフェに行って、漫画を描いて投稿して、といったことを繰り返すようになりました。

日中、看護師の仕事をしながら帰宅後は漫画を描き続ける毎日を送っていたと語る

― 仕事として初めて描いた漫画は何だったのでしょうか?

最初に掲載させていただいたのが、パチンコ系の漫画サイトです。働きながら、週1で描かせていただきました。そこではパチンコ漫画だけではなく、自分の日常も描いていて。でも賞などにはまったく引っかかりませんでした。そうしたら私の漫画を読んでいただいた出版社の方から連絡が来て、「日常を描いた漫画が面白いから、単行本にしませんか?」とお声がけいただいたのです。

2018年に単行本を出していただけることになり、そこからギャグエッセイ漫画を描き続けていました。でもストーリー漫画を描けないとプロではないと思い、挑戦しようと考えたんです。実は当時の彼が漫画家で、その人が「看護師としてオペ室で働いていたのなら、オペ室の漫画を描いたら?」とアドバイスしてくれて。

そこで講談社が運営する雑誌と作家のマッチングサイトに投稿したら、『ヤングマガジン』の担当の方から「面白いから一緒に打ち合わせしましょう」というお話をいただいたんです。打ち合わせを行い、オペ室看護師の漫画を描くことが決まったのですが、私は手が遅いので描きためてから連載をはじめようということになりました。2年間くらいは仕事終わった後に漫画を描いて、講談社に行って、という生活を繰り返していて。その時が一番きつかったかもしれません。

― 2年間、看護師と週刊連載を両立していたのですか?

毎週40ページ、多い時は80ページを描いて出版社に持っていきました。プロの世界は直しが多く、どんなに時間をかけても、面白くなくてはダメです。なんとか描きためて、作画の人も決めて連載が始まったのですが、これまでの生活が非常にきつかったので、「始まったから、終わりが見えた」と思ったんです。結局、3巻分出していただいて、その連載は終わりました。

― 『ヤングマガジン』の連載は、漫画家の方からすると、大きな転機になったのではないでしょうか?

確かにステップアップしましたし、「漫画はこうやって描くんだ」ということがすごく勉強になりました。とにかく「文字を少なく、キャラクターを魅力的に分かりやすく」と言われ続けたので、それを意識して今も描いています。

ストーリー漫画も書いたし、「次はどうしようかな?」と考えて、以前から読むのが好きだったブログに注目しました。ただ、実際にどれくらい収益があるのかが分からなくて。1000万PVを記録された方のインタビュー記事を読んでみたところ、1000万PVでだいたいこれくらいの金額になるんだとイメージが湧いたこともあって、それなら挑戦してみようと思い、次第にブログに移行していきました。

講談社が発行する週刊の漫画雑誌「ヤングマガジン」にて、初めて連載をした漫画「オペ看」。あわてんぼうのポンコツナースがオペ室で成長していく悲喜こもごも奮闘記を描いている。

漫画は遠く離れている人の救いになれることもある

― そこから活動の場を、ブログに移されたのですね。

最初は誰も見てくれなかったのですが、“これしかないから描き続けるしかない”と思って。私の仕事を手伝ってくれている友人からも「こういうものが人気だから、こういう系を描くのがいいと思う」とアドバイスをもらって、戦略も練りました。そしてたまたまアップした漫画がすごくはねて、1日で6万人ぐらいフォロワーが増えたんです。

そこからギャグエッセイも少しずつ読んでくれる人も増えて。でも単発の話だと、フォロワー数はまったく増えないんですよ。続き物で追ってくれる人でないと、フォローはしてもらえないので、ストーリー漫画にシフトチェンジしていきました。

― 最終的に漫画家だけでやっていこうと決断したのは、なぜでしょうか?

ブログのPVや収益が安定してきて、何か月も看護師の給料を連続で超えてきたので、「これだったらやめても大丈夫かな」と感じて、看護師の仕事はやめることにしました。5、6年ほどクリニックの仕事を続けていたのですが、皆さん個性的で優しく、患者さんもいい方たちばかりだったので、楽しかったです。

― 人間まおさんは、『ちびまるこちゃん』の作者であるさくらももこさんを目指していると伺いました。

さくらももこ先生の『ひとりずもう』というエッセイに漫画家を目指す話があって。夏休みをつぶして漫画を描いて投稿し続けている、という様子が描かれていたんです。それを読んで、“こんなにすごい人でも、コツコツ地道に描き続けていらした時代があるんだ”と知りました。

それにさくらももこ先生の作品は、『コジコジ』も『ちびまるこちゃん』も、ちょっとひねくれていても、愛おしいキャラクターが多くて。「私もこういう作品を描きたいな」と考え、目指すのはさくらももこ先生だと決意したんです。

― さくらももこさんの影響もあり、体験エッセイを描くようになったのでしょうか?

最初はギャグ系を書いていたのですが、そこから重めの話に移行していきました。きっかけは、当時付き合っていた漫画家の彼とのことで、私は心がボロボロだったんです。そんな時、ネットでいろいろな方の体験談を見て。漫画を描いている人も、文章で書いている人もいたのですが、「私だけじゃない」と分かって、すごく救われました。

それで彼と別れる時に、“この体験は他の人のためになるかもしれない。誰かの背中を押すことになるかもしれない”と思い、1日で100ページくらいのネームを描きました。彼に見せに行って、「名前は絶対に出さないから、載せていい?」と聞いたところ、「ここのセリフはちょっと分かりにくいから、こうした方がいい」とかアドバイスをしてくれて、「載せていい」と言ってくれたんです。また私のネームを読んで「こういうことを考えていたんだ。自分はまったく気づかなかった」と言って、私の気持ちも分かってくれました。

この漫画を載せたらすごく人気が出て、コメントで「私もすごく辛かったけど、救われました」と言っていただける方が多かったんです。そこからジャンルを問わず、誰かの背中を押せるような漫画を描いていこうと決意しました。まずエピソードを募集して、「これはひどい話だな」とか、「こういう男の人がいるんだな」とか、義母関係、友だち関係なり、悩まれている方が多いと思われる、いじめ問題などを描くようになりました。

― 人間まおさんの漫画に対する「好き」「描きたい」という気持ちの強さを感じます。

漫画に対する思いは、どんどん高まっています。看護師の仕事は目の前の人を手助けすることができるのですが、範囲が限られていると思うんです。漫画は非常に多くの層にリーチできる。「漫画のおかげで、自殺したかったけどやめました」という人もいる。普段だったら目の前にいる人しか助けられないけれど、漫画だと遠く離れている人の救いになることもあるんです。

体験エッセイの漫画を描いたことで多くの方々の共感をよび、背中を押す漫画を描くことを決めたという。

夢はさくらももこ先生のキャラクターとコラボすること

― 人間まおさんは新作漫画『あげおとティム』で、かわいらしいキャラクターを描いていますが、こういったキャラクターを作り出そうと思った背景についてお伺いできますか?

今まではストーリー漫画を描いていましたが、一つのストーリーが終わるとフォロワーが一気に減ってしまうんです。皆さん、ストーリーが面白いと思って読んでいただいているので、新しい話を始めたら、それに興味のある方に入れ替わるという感じで、固定の方に読んでいただけるわけではないんです。

アニメになっているものや、グッズとして人気の高いものは、すべてキャラクターの人気が高いんです。だからこそ、「人間まおと言ったらこれ」という、かわいくて、皆から愛されるキャラクターを作りたいという思いがありました。そのキャラクターが広く認知されるようになれば、グッズやアニメ、映画などいろいろなことに展開されて、尊敬するさくらももこ先生のように、子どもから大人まであらゆる世代の方から愛されるような作品にできるかもしれない、と。

「あげおとティム」の「あげお」は、もともと私のペットのお猿さんがモデルになっています。あげおの顔は丸くして、目もクリッとして可愛い感じにしました。赤ちゃんや子どもが好きな『アンパンマン』や『ドラえもん』といったキャラクターは、だいたいフォルムが丸なんです。ただ、それだと子どもだけにしか読まれなくなってしまうので、ストーリーは大人向けにして、子どもから大人まで読むことができるようにしています。気持ち的には、私の子どもみたいな存在ですね。

とても愛くるしいキャラクターの「あげおとティム」。漫画も心温まるストーリーが多く描かれている。

― キャラクターを生み出すまでの過程では、かなりいろいろ調べて検討されたのですね。

そうですね。どういうキャラクターが市場でウケているのか、作り出した方のインタビュー記事もたくさん読みました。どういうコンセプトで作ったのか。現実社会とキャラクターを結びつけるために、どういった工夫をしたのか。みんなただかわいいだけではなくて、戦略的に作り込まれているんです。だからこそ「なんとなく、こういうのでいいや」では、絶対にウケないから、作り込もうと思いました。

― 『あげおとティム』はSNSで漫画を発信する以外に、どのようなプロジェクトを手掛けていらっしゃるのでしょうか?

SNSとブログ以外では、NFTプロジェクトとグッズ展開をしています。また、リアルイベントにも積極的に参加して、まずはいろいろな人の目に触れることが大事だと思っています。

― なぜNFTプロジェクトを立ち上げようと思ったのでしょうか?

クリエーターと、ファンの皆さんとの距離が近いと感じたことがきっかけです。これまでも、読者の方からファンレターをいただいたり、漫画に対するコメントをいただくことはあったのですが、NFTでは「こうすればもっと人気が出るんじゃないか」「こんなやり方なら、より多くの人に知ってもらえるのでは」といった感じで、ファンの皆さんがコミュニティの中でいろいろな意見を出し合ってくれます。

戦略についても、今までは自分ひとりでコツコツ考えてきましたが、「みんなで『あげおとティム』の人気を高めていこう」という感じで、ファンの皆さんと一緒になって作り上げていけるところが、NFTのおもしろい点だと感じています。

― 今後どのようなコラボレーションをしたいと考えていますか?

『ちびまるこちゃん』とか『コジコジ』が好きなので、グッズ展開したりとか、テレビでも定期的に流してもらえるようになったり、いろいろな企業とコラボしたりしていきたいですね。とにかくいろんな人に知ってもらいたい。『アンパンマン』や『ドラえもん』みたいな感じで、誰もが見たら「あ、これはあげおだ」と言われるようなキャラクターになってほしいです。最終的には『あげおとティム』のアニメが、地上波でテレビ放送されることを目指しています。そして、いつかさくらももこ先生のキャラクターとコラボすることが夢です!

人間まおさんが描く新作漫画「あげおとティム」では、同じ想いをお持ちの企業様との積極的なコラボレーションを考えています。「あげおとティム」の可愛いキャラクターを活かしたグッズのコラボなど一緒に新しい価値を創出できる企業様からの応募をお待ちしています。ご興味がある方はこちらから詳細をご覧ください。

文:キャベトンコ

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