花王が2023年第2四半期決算(2023年1〜6月)を発表した。連結売上高は前年同期比0.6%増(実質2.3%増)の7385億2800万円と微増だったが、営業利益は構造改革費用を86億円計上したことなどから同51.7%減(実質35.8%減)の259億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同57.3%減(実質32.3%減)の166億2400万円と減益だった。化粧品事業やヘルス&ビューティケア事業などを含むコンシューマープロダクツ事業は計画を上回ったものの、ケミカル事業は市場の回復遅延などによって計画値に届かなかった。
セグメント別では、化粧品事業で国内の「カネボウ(KANEBO)」や「ケイト(KATE)」などグローバル戦略ブランド「G11」の売上高が前年同期を2桁伸長で好調を維持。一方で中国や欧州はインフレによる消費抑制の動きなどを受け、前年同期を下回り、同事業全体の売上高は同0.2%減(実質1.6%減)の1158億円、営業損益が25億円(前年同期は営業利益22億円)だった。
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ヘルス&ビューティケア事業では、スキンケア製品が好調で、国内はUVケアをはじめとしたシーズナル製品やメイク落としの新製品が貢献。アメリカは物流の混乱が解消されたことで伸長。ヘアケア製品は前年同期から横ばい。国内市場では「エッセンシャル(Essential)」の新製品が順調に推移し、欧米のヘアサロン向け製品は、アメリカ発「オリベ(ORIBE)」でEコマースが好調。そのほか、外出機会が増えたことで入浴剤の売上が縮小した。売上高は同6.8%増(実質3.1%増)の1888億円で、営業利益は160億円(前年同期は182億円)となった。
また、2023年12月期通期の連結業績予想について、既存ビジネスでの業績予想に変更はないが、構造改革費用の計上に伴い、利益予想を下方修正した。売上高1兆5800億円は据え置くが、営業利益は前回予想から600億円減の600億円に、税引前利益を同600億円減の610億円に、純利益を同470億円減の410億円にそれぞれ引き下げた。
下期の構造改革では、中期的な収益改善と事業基盤の強化を図る。主な施策として、非効率事業の抜本的戦略見直し・再編、人財構造改革の推進、高付加価値化の徹底追求と最適な原価設計を掲げる。
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