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日本国内の実店舗が閉店、フランス発「デカトロン」の今

直営ECと卸売で商機拡大

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日本国内の実店舗が閉店、フランス発「デカトロン」の今

直営ECと卸売で商機拡大

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 2019年3月に日本に本格上陸した後に、コロナ禍の影響もあり2022年に直営店の全店閉店が余儀なくされた「デカトロン(Decathlon)」。「日本でのブランド価値の向上と販路拡大」を閉店理由としていたが、直営ECと卸売を中心に着実にビジネスチャンスの拡大を図っている。

 デカトロンはフランス発のグローバルスポーツブランドで、特に西ヨーロッパでは絶大な知名度を誇るという。同じく機能性商材に強みを持つワークマンも、デカトロンが日本1号店となる大型店を阪急西宮ガーデンズに出店することが決まってから関西地区の店舗でアウトドア売り場を強化し、「西宮戦争を勝ち取る」と牽制していたほど、デカトロンの存在感は大きい。

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 デカトロンは西宮店のほか幕張店も出店していたが、2022年7月をもって全店閉店。本格上陸時の話題性も相まって全店閉店の告知には注目が集まった。日本市場のビジネスを担うデカトロン ディストリビューション ジャポンは直営店の閉店後、公式オンラインストアと公式の楽天市場での販売に加えて、同社の企業理念である「いつでも、どこでも、誰にでも、スポーツの楽しさと喜びをお届けする」体制強化を目的に、ナチュラムなどのパートナー企業の卸売拡大を図ってきた。ECのみが販路となっていたが、今年7月からは大型スポーツ専門店「ゼビオ(XEBIO)」で販売がスタート。ゼビオのECでも取り扱いが始まり、販促なしでも手応えを感じられる売れ行きだという。ゼビオでの取扱店舗数は現在約70店舗と、タッチポイントは順調に拡大している。

◆ライフスタイルシーンでも選ばれるデカトロン

 デカトロンの展開領域はハイキングやランニング、サッカーなどの球技、サイクリング、フィットネス、カヤック・SUPなどと幅広いが、最大の強みはキャンプやアウトドア領域にある。日本国内の売上構成比ではキャンプやアウトドアの製品が4〜5割を占めるという。ひもを引っ張るだけですばやく設営でき、ボタンを押すだけで撤収できる独自の「EASY」システムを採用した自立型構造の「ケシュア(QUECHUA)」ワンタッチテント(2人用、2万7900円)や、パックパック製品が特に人気を集めている。

テント

ワンタッチテント

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バックパック

バックパック

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 また、パソコンやタブレット用のコンパートメントを備え、出し入れがしやすいデザインが好評を得ているケシュアのロールトップ式のバックパック(7490円)や、約200gと軽量でコンパクトにまとまるレインジャケット(9990円)などが日常使いでも支持され、グリップ性に優れたソールを採用した裏起毛のハイキングブーツ(7490円)は雪国の地域で動くなど、ライフスタイルシーンでも選ばれる機会が増えているという。「フォルクラ(FORCLAZ)」のフェザーダウンジャケット(8490円/すべて税込)は競合他社製品よりも品質に優れ、手に取りやすい価格設定だとYouTuberに紹介されたことを機に品薄状態が続いた。アウトドア担当の西川雅彦氏によると今後もライフスタイル提案を強化していく方針だ。

ロールトップ式のバックパック

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◆スペックにこだわる日本 「安かろう悪かろう」から脱却

 西川氏によると、キャンプ・アウトドア用品の市場規模で日本はアメリカに次いで2位とポテンシャルが高いマーケット。大きな商機があるように感じられるが、参入後は競合ひしめく状況に加えて、撥水性や軽量性、耐風性といった日本人特有の“スペックへのこだわり”が大きな課題になったという。どこかで先行していた「安かろう悪かろう」のイメージを払拭するべく、現在はビギナー向けの商品も揃えつつ、高品質の素材を追求した上級レベルの製品の打ち出しを強化している。

白いテント

二酸化炭素排出量を低減するために染色していない“真っ白”なテント

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 コロナ禍ではキャンプブームがピークを迎えた。キャンプ場はいまも満枠状態が続くが、キャンプ用品の買い替え需要が落ち着き、キャンプギアを販売するメーカーは苦戦を強いられている。デカトロンはキャンプ・アウトドア以外の領域にも強みを持つことから、キャンプ用品を入り口に他のスポーツ用品にも消費を促していきたい考え。販路に関しては引き続き直営ECと卸売を中心とし、実店舗の出店は計画していない。

スクーター
スキー用品
サーフィン用品
ランニング用品
フィットネス用品
バイク関連用品

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