職務内容を明確にするジョブ・ディスクリプション。従業員各々が担当する業務内容や業務範囲、業務の目的、求められるスキルや技能などがまとめられた文書で、日本でも人材採用や人事評価の際に用いられることが増えてきました。
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そこで今回は、エーバルーンコンサルティングがクライアントから提示されたジョブディスクリプションを参考に、企業が求職者にどのようなスキルや技能を求めている傾向にあるのかを考察。転職やキャリアアップを考える方はぜひ参考にしてください。
データとして参考にしたのは、エーバルーンコンサルティングのクライアント企業のジョブディスクリプション(直近3ヵ月分、計56社)。求人企業は外資系が9割で、営業職、マーケティング職、マーチャンダイジング職、ジェネラルマネージャー職など、年収レンジは500~3,000万円です。
データ提供元:エーバルーンコンサルティング株式会社
エーバルーンコンサルティングはラグジュアリー・ファッション・ライフスタイル領域に特化しており、その中でもエグゼクティブクラスの人材紹介を得意としています。エーバルーンコンサルティングのみが紹介する、非公開の案件や日本初進出の企業案件も多く取り扱っています。
公式HP:https://www.aballoon.co.jp/
ジョブディスクリプションに記載される企業が求めるスキル
ジョブディスクリプションに記載されている「必要スキル」に着目。特に記載が多かったのは以下の4つです。
第1位 Experience(経験): 89% 【50/56社】
「職務内容と同等の経験がX年ある」といった内容で、約9割の企業のジョブディスクリプションに記載がありました。そもそも未経験者では職務遂行のスキルが足りないため応募が難しく、経験のある中途採用を前提とした採用活動が行われていることがわかります。記載例:マーケティング、デジタルマーケティング、CRMなど
第2位 Language(語学): 82% 【46/56社】
外資系企業の求人が9割であったことも前提としてありますが、日本語や英語でのコミュニケーションスキルについての記載は8割を超えていました。業務遂行において語学スキルを求める企業が多いことがわかります。
記載例:ビジネスレベル以上の英語力、TOEICなど
第3位 Education(学位): 52% 【29/56社】
記載内容はさまざまですが、学位に関する記載が5割を超えていました。専門学校や特定のスクールに限ってはいないものの、学士を判断基準とする企業が多い結果に。四年制大学を卒業するといった学位は必要と思われます。
記載例:MBA、学士号など
第4位 PC(パソコンスキル):50% 【28/56社】
PCスキルについての記載も多い結果になりました。特にマーケティング職などデータ分析を行うポジションでは、中級以上のPCスキル(特にExcel)を求める企業が多く見受けられました。
記載例:Excel、SAP、Salesforceなど
上記に加えて、(取得が必要な資格として)「簿記2級」、「2級建築士」。「5㎏キロのモノを持つことができる」など、ユニークな記載も見られました。採用後に、企業側と求職者側で認識の齟齬やトラブルが起こらないようにするためだと思われます。
総括
今回、ラグジュアリー、ファッション、ライフスタイル領域の企業のさまざまな職種で統計をとりましたが、外資系企業の多くは採用の際に「経験」「語学」「学歴」「PCスキル」を求めていることがわかりました。特に職務に関連した「経験」は、ほぼすべての企業が必要としていることから、未経験者ではなく即戦力となる人材が求められていること、他業界からの転職や同業界での職務チェンジはハードルが高いことがうかがえます。また外資系企業を希望する場合は、日本語でのコミュニケーション能力をベースに外国語スキルも重視されます。日常会話に加えてビジネスレベルまでスキルアップをしておくと、採用の際に有利に働くでしょう。
人材の流動化が激しい昨今、企業は必要とする人材を明確化して即戦力を求める傾向にあります。ジョブディスクリプションをよく確認し、企業が求める人材を理解した上で応募することが大切です。一方で、スキルが足りない場合でも採用されるケースはあるので、自身の強みを改めて整理して、恐れずにチャレンジしましょう。
ラグジュアリー、ファッション、ライフスタイル業界への転職を考えている方は、今回のデータを参考に新たなスキルの習得やスキルの向上にはげみ、理想のキャリアパスを築いていただけたら幸いです。
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