Image by: アダストリア
国内アパレル関連大手各社が2024年1月度の既存店売上高を発表した。ファーストリテイリングの国内ユニクロ事業、しまむらなどの企業では冬物セールや春物商品の販売が好調だったことなどが寄与し、前年同月比で増収となった。中でもアダストリアは暖冬傾向にも関わらず自社開発素材のコートが動いているという。
アダストリアの1月度実績は、初売りや冬物セール、春物の立ち上がりが好調だったほか、前年同月に自社ECサイトの不正アクセスにより休止期間を設けていた反動等もあり、月次売上高は14.7%増で推移した。システム一時休止による押し下げ影響は10%前後で、反動がなかったと仮定しても約5%増収の見込みだという。
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アパレル企業にとって秋冬シーズンは、最も売り上げや利益を確保できる稼ぎ頭の冬物のアウターをいかに売るかが勝負。そのため、暖冬は業績への大きな痛手となる。
同社は、ウール見えする合成繊維素材「ウーリーテック」や、ダウンのような見え方と暖かさを備えた合繊中綿素材「エアサーマル」といった自社開発素材を用いた冬物アウターを「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」や「ハレ(HARE)」、「ニコアンド(niko and ...)」などのブランドで展開。これらの製品は2023年9月から2024年1月までの期間で売上点数、売上高ともに前年同期比で約20%増と売上を伸ばしているという。価格帯はブランドごとに異なるが他のアウター商品との大きな価格差はなく、軽い着用感で冬らしい装いを楽しめる点がポイントになっているようだ。「軽めの着用感なので、暖冬でも変わらず支持されている。“ウール見え“、”ダウン見え”と2パターンの需要を押さえていることも大きい」(アダストリア広報担当者)。
自社開発素材を使ったアダストリアのアウター
Image by: アダストリア
暖冬の影響で春物早くも動き始める 価格改定の反動で減収となった企業も
ファーストリテイリングの国内ユニクロは、月を通して気温が例年より高く推移したことで、春先まで着られる冬物商品や、エアリズムコットンクルーネックTシャツ、ワイドストレートジーンズといった春物新商品の販売が好調だった。1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」については「全ての店舗が営業を継続しており、業績への影響は限定的。お客様の消費マインドの落ち込みも感じていない」(ユニクロ広報担当者)という。
一方で良品計画は、衣類カテゴリーで冬物の一部在庫が不足したほか、前年の価格改定に伴う反動影響があったことなどが要因となり2ヶ月連続の前年割れ。良品計画の広報担当者は「スキンケア用品やキャリーケースなどを取り扱うヘルス&ビューティーの領域はここまで堅調に推移しているので、2月度も期待したい」と話した。
■2023年1月度 各社実績(すべて既存店ベース/前年同月比)
国内ユニクロ事業(既存店+Eコマース)
売上高:100.4%
客数:98.7%
客単価:101.8%
しまむら
売上高:101.9%
客数:100.0%
客単価:101.7%
良品計画(直営既存店+オンラインストア)
売上高:92.7%
客数:91.5%
客単価:101.2%
アダストリア
売上高:114.7%
客数:107.4%
客単価:106.7%
ユナイテッドアローズ(小売+ネット通販 既存店)
売上高:103.1%
客数:100.2%
客単価:104.2%
ワークマン
売上高:100.9%
客数:95.4%
客単価:105.7%
バロックジャパンリミテッド
売上高:105.5%
客数:105.4%
客単価:100.1%
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