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繊研plus年に数回、仙台を訪れる。地方の商店街の疲弊が続くなかでも、仙台駅から続くアーケード街は日本屈指の規模を誇る。言うまでもなく、今の仙台の礎を築いたのは伊達藩の初代藩主、伊達政宗だ。城下町の発展を目指し、各地から商人を集めた。滋賀県に伊達藩の飛び地があった関係もあってか、近江商人を積極的に誘致した。創業200年を超える藤崎の祖は、近江商人の出と伝わる。ワコール創業者の塚本幸一氏も近江商人だった父の関係から、仙台で生を受けた人だ。
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寒冷のため木綿が採れなかった奥州へは、関西から綿織物や古着などが送られ、逆に奥州からは高品質の絹や紅花などが京都に運ばれてくる。こうした「産物回し」と呼ばれる物の流れを定着させたのが近江商人たち。本家は近江にあるが、商売の規模は仙台の店が圧倒的という商家も多かったようだ。
近江商人のネットワークや日本海中心に発展した北前船の果たした役割は大きい。江戸時代の日本は、政治こそ300近い藩に分かれていたが、経済面では国内各地が密接につながり、経済を上手に循環させていた。
海外の紛争はいまだ収まる気配を見せず、政治上の対立が経済ブロックを生み出すような事態も否定できない。極東の小さな島国が生き残っていくには、やはり最低限の衣食住だけは、自分たちで完結できる体制が必要に思われる。
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