


厳しい残暑が続いていたが、ようやく朝晩は涼しくなってきた。もう少ししたら横編みのセーターが恋しい季節がやってくる。暖冬と言われて久しいが、秋口から晩春まで、長く着まわせるセーターは手放せない。実際に温かいだけなくその雰囲気も魅力で、決して不要となることはないだろう。
広がるニットの可能性
ファッション業界ではシーズンMDの見直しが大きな話題となった。普段、記者が取材しているメンズブランドでもアイテム構成を変更する動きが目立つ。特に秋冬物で防寒アウターを絞り込む分、セーターを拡充するブランドがあった。来春夏の展示会では、秋冬のイメージが強いセーターで素材を変え、サマーセーターとして打ち出し新たな需要喚起に挑むメーカーも出ている。
そんなセーターの生産に欠かせない工程がリンキングだ。身頃と袖、襟などの伸び縮みする編み地同士をつなぎ合わせる技術。この工程が職人の高齢化と人手不足が重なり、継続が難しくなっているという。
そうした中で、丸編みを中心としたカットソー縫製のマルチョウは、特殊カバーリング縫製を改良し縫い目、縫い代の存在感を極限まで少なくした技術を開発した。この技術はリンキングの代替としても使えるという。丸編みと横編み。ジャンルの垣根を超えた挑戦によって、日本の物作りの可能性がさらに広がりそうだ。
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