

アパレル業界の選考において、自己PRは自分の強みや経験を企業へ伝える上で重要な役割を果たします。
ADVERTISING
ですが、「何から手をつけたらいいのかわからない」「アピールできる強みがない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アパレル業界の転職支援を行うキャリアアドバイザーに取材し、自己PRの書き方のコツや、アパレル業界ならではの価値観を分かりやすく解説を解説します。就職・転職活動で一歩差をつけたい方は、ぜひ参考にしてください。
【キャリアアドバイザープロフィール】

久保田極光(くぼた・むねみつ)READY TO FASHION営業・カスタマーサクセス担当。アメリカでMBAを取得後、株式会社リクルートマネジメントソリューションズで人材育成と組織開発に10年間携わる。その後、READY TO FASHIONに入社。アパレル企業の採用コンサルティングを行っている。これまで200以上の企業の採用担当者と関わってきた。

佐々木一憲(ささき・かずのり)READY TO FASHION営業・カスタマーサクセス担当。前職から人にかかわる部門に従事しており、社内では新卒採用担当としても活躍。現在は上記に併せてキャリアアドバイザーとして、アパレル業界を志望する求職者にもアドバイスを行っている。

キャリアアドバイザーY:READY TO FASHION営業・人材紹介担当。 これまで、人事・総務担当の取締役として2社の会社経営に携わってきた経験を活かし、現在はREADY TO FASHIONにて人材紹介部門の立ち上げを担っている。企業・求職者双方のアドバイザーとして奔走中。
〈目次〉
アパレル業界で伝わる自己PRの考え方
アパレル業界の人事担当が採用したいと思うポイントは、大別すると「会社の利益につながる人材か」「長く働いてくれる人材か」の2点です。売上や顧客満足に貢献できるサービス力や提案力、ブランドの魅力を伝える力などをアピールすることが大切です。
また、ファッションや接客が好きであること、チームと協力しながら働ける姿勢など、継続的に現場で活躍できる要素も評価されます。自分の強みがどのように店舗やブランドに貢献できるかを具体的に伝えるようにしましょう。

CA・佐々木
READY TO FASHIONの採用担当としても活動していますが、個人的には自己PRはそこまで重視していません。むしろ、選考でのコミュニケーションを通じて見えてくるものの方が多く、文章の内容自体は副次的です。

CA・Y
具体性がなく、内容をイメージできない自己PRはNGです。「仕事での出来事」→「その出来事があった時にどう思ったか」→「それに対してどう行動したか」→「行動の結果、どうなったか」を示しているといいですね。

CA・久保田
自己PRのポイントは恋愛と一緒。自分の魅力が分かったとしても、相手がそれを求めていないとNG。
自己PRを書くときの5つのステップ

実際に書こうとしても、「何を書けばいいのか分からない」「自分の強みが見つからない」と手が止まってしまう方も少なくないはず。
そんなときは、ステップを踏みながら順を追って考えていくことが大切です。ここからは、アパレル業界を目指す方に向けて、自己PRを作成するための基本ステップを、4つに分けてご紹介します。
履歴書やエントリーシートはもちろん、面接でも役立つ内容なので、ぜひ参考にしてみてください。
【STEP1】自分のスキルを洗い出す
自己PRを書くうえで、まず最初に取り組みたいのが、これまでの経歴の棚卸しです。すでに、履歴書や職務経歴書を作成するにあたってスキルや職務の棚卸しをしている方は、そのアウトプットを活用してみましょう。
まだ整理できていない方は、これまでの職務経歴を時系列で書き出し、思い出せる限りの業務内容をリストアップしてみてください。「接客コンテストで表彰された」「新人教育を担当した」など、成果や具体的なエピソードがあると、自分の強みを見つけやすくなります。
>>強みやスキルを棚卸しする際のフレームワークについては、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
【STEP2】誰かに褒められたことや、自分なりに工夫したことを振り返る
自己PRに迷った時は、まずは周囲からどんな評価を受けていたかを思い出してみましょう。
他人からの言葉は、自分では気づいていない強みを映し出す鏡のようなものです。「いつも笑顔で接客していて感じがいい」「丁寧に畳んでくれて助かる」など、何気ない一言にも自己PRにつながる要素が隠れています。
また、アパレル業界では「一緒に働きたいと思えるかどうか」も重要なポイント。応募者の人柄や仕事への向き合い方も、評価されます。そのため、「在庫整理の効率化」など、日々の業務で自分なりに考えて行動した経験があれば、小さなことでもアピール材料になります。

CA・佐々木
自分の正解がどこにあるかを見直すといいと思います。他人軸ではなく、自分は何がしたいのかという声を軸に、「そのために今まで何をしてきたか」「これからはどうしていきたいのか」「今後に向けて自分はどんな要素があるのか」と自問自答を繰り返すことで、自分の強みも見えてくるはず!
【STEP3】経験や得意なことから自分の強みを言語化する
ステップ1、2で書き出した経験をもとに、次は自分の強みを見つけていきます。ここで言う強みとは、単に得意なことだけでなく、自分ならではの価値を発揮できたことや、他の人より工夫して取り組んだことなど、周囲に良い影響を与えた行動や姿勢も含まれます。
「接客でお客様との会話が自然と盛り上がる」「売り場のディスプレイ提案が得意」といったような、自分らしさがにじむポイントを見つけましょう。
強みが徐々に見えてきたら、それをアパレル業界や応募先の企業でどう活かせるかを考えるのが次のステップです。
採用担当者は、自社に合う人材かどうかを重視しているため、求める人物像にマッチした強みを伝えることが大切です。企業やブランドのコンセプト、他社との違い、ターゲット層と照らし合わせながら、自分がどう貢献できるかを言語化してみましょう。
企業研究には、ホームページの確認や扱っている商品のチェックがおすすめです。実店舗が近くにあれば、店の雰囲気や接客スタイルを体感してみるのもよいでしょう。

CA・Y
これまでの自分を振り返ってみても、なかなか思いつかない時は、キャリアを振り返ってライフラインチャート(※)を書いてみるのをオススメします。「低い位置から上がったところで何があったっけ?」「ここ、ずっと高い位置にいるけど、なんでだったんだろう?」など、そこから見えてくるものがあるはず。
※自分の人生を振り返り、満足度を時系列で曲線で表現したグラフ

CA・久保田
自分の魅力に気づくことができても、相手に伝わらなかったら意味がありません。「優しい」と言っても、人によって優しさのイメージが違うので、採用担当者が同じイメージを持てるように言語化しましょう。
【STEP4】簡潔な文章にまとめる
応募先の企業とマッチする強みやエピソードが整理できたら、次はそれを自己PR文としてまとめていきます。自己PRでは、採用担当者に伝わりやすく、かつ印象に残る構成を意識することが重要です。
一般的に、自己PR文は「結論 → 経験やエピソード → そこで得た学びや成果 → 入社後どう活かしたいか」という順番で構成すると、簡潔に分かりやすくまとまります。
アパレル業界では個性を大切にする傾向があるため、当たり障りのない優等生な自己PRでは印象が弱くなってしまうことも。
エピソードから得た学びを盛り込むことで、応募者の本質が伝わりやすくなります。具体的なエピソードを積極的に取り入れて、自己PRを肉付けしていきましょう。
【STEP5】できれば第三者に読んでもらい、客観的な視点を得る
自己PRは自分をアピールする大切な部分ですが、つい主観的になりすぎて、伝えたいポイントが分かりにくくなることがあります。
文章が完成したら、できれば友人や転職エージェントなど、第三者に読んでもらいましょう。自分では気づかない分かりづらい表現がないかチェックしてもらうことで、客観的な視点から改善点が見えてきます。
《自己PR文のチェックリスト》
□自分の強みを簡潔に伝えられているか
□自分の強みを根拠で示せているか
□経歴や志望動機に対して一貫性があるか
□会社に貢献できるポイントを明確に伝えられているか
□ファッションが好きというだけの表現になっていないか
□想定質問に対して、PREP法で回答できるだけの準備ができているか
【未経験・経験者別】アパレル自己PRの書き方&例文
未経験者
アパレル未経験者の場合は、これまでの職種で身につけたスキルの中から、接客やチームワークに活かせる要素を見つけてアピールすることが大切です。例えば、「丁寧な対応」「人に寄り添う姿勢」「協調性」「明るく前向きな接し方」などは販売職でも高く評価されます。また、なぜアパレル業界を目指すのか、どんな接客をしたいかといった熱意や将来像を伝えると、前向きな姿勢が伝わりやすくなります。
例文
私は人と接する仕事に強い興味があり、アパレル業界でお客様に価値を提供したいと考えています。事務職では、チーム内での調整やお客様対応を通じて、問題解決能力やコミュニケーションスキルを磨きました。特に、社内の業務フロー改善を提案し、チームの効率化に貢献した経験があります。アパレル業界では、未経験ではありますが、これらのスキルを活かし、柔軟な対応力とお客様に寄り添う姿勢で貢献できると自負しています。また、ファッションに対する好奇心と学ぶ姿勢を大切にし、接客スキルを一日でも早く身につける所存です。

CA・Y
応募したい職種と、これまで自分がしてきたことや得意なことの共通点を考えてアピールできるといいですね。

CA・久保田
応募先企業の事業やサービス、職種で働きたい理由を背景も含めて盛り込むと思いが伝わりやすいです。また、SNS活用やアパレル知識の習得にどれだけ前向きかなど、学ぶ姿勢も示せると好印象です。
経験者
経験者の場合、どんな経験があり、どんな成果を出したのかを具体的に示すことが重要です。接客スキルや売上実績、リピーターの獲得、店舗運営など、数字やエピソードを交えて伝えると説得力が増します。さらに、これからどう成長したいか、どう貢献したいかといった未来志向の姿勢を示すと、意欲のある印象を与えられます。
例文
お客様一人ひとりに寄り添った提案で信頼を得る接客を強みとしています。3年間レディースアパレルで販売を担当し、丁寧なヒアリングを通じて「あなたに選んでもらいたい」と指名されるようになりました。体型や雰囲気、ライフスタイルをふまえたスタイリング提案を心がけ、結果として個人売上目標を毎月達成。リピーターの獲得にもつながりました。また、後輩指導やVMD補佐も経験し、店舗全体のサービス向上にも貢献してきました。今後もお客様の満足を第一に、ブランドの魅力を体現できる販売員として成長したいと考えています。

CA・佐々木
未経験者/経験者に関わらず、結果が大切です。定性的な結果と、定量的な結果の2軸で考えて記載できれば、どの職種でもおおよそのポテンシャルは測れます。定性的な結果とは、「会社やチームがどう変わったか」や「課題をどのように分解・分析して解決につなげたか」など、数字では表しにくいけれど価値のある変化のことです。こうした成果を、数字(定量)とエピソード(定性)の両面から伝えることを意識すると、説得力のある自己 PRになります。

CA・Y
経験者の場合、まずは成果を示すことが大切です(数字があるとよりよいです)。続けて、その結果に行き着いたのはどうしてなのか、何をしたのかを書けると最高ですね。

CA・久保田
過去の経験やスキルが再現性高く、応募先の企業でも活かせることを伝えられるとGOODです。数値面以外でのポイントは、ブランドの世界観に自分の接客スタイルや考え方がマッチしていることを言語化するなど、応募先の企業との親和性をアピールするのもいいでしょう。
【切り口別】アパレル自己PR例文集
ここからは、自己PRの主題別に未経験者と経験者に分けて、それぞれ書く際のポイントや例文を紹介します。
顧客志向・サービス精神
未経験者向け
未経験の場合は、これまでの経験を通じて培った顧客対応能力や、他業界での問題解決能力をアピールすると効果的です。接客業の経験がある場合は、お客様のニーズに寄り添った対応をした具体的なエピソードを交えながら、アパレル業界でもそのスキルや姿勢を活かして貢献したいという意欲を伝えるといいでしょう。
例文
お客様の気持ちに寄り添った接客ができることが私の強みです。飲食店でのアルバイトでは、相手の表情や様子からニーズを先読みし、気持ちのよい接客を心がけてきました。例えば、忙しい時間帯でもお冷や追加のタイミングや声かけを工夫し、常連のお客様から「あなたがいると安心する」と言っていただけました。この経験を活かして、アパレル業界でも一人ひとりのお客様に寄り添った提案ができる接客を目指します。
経験者向け
業界経験者は、具体的な接客エピソードを交え、顧客志向をどのように実践してきたかを強調します。その結果、実際にどのような結果を生んだのかを示すと効果的です。また、後輩指導など数字に直結しないことも信頼性が高まるという点でアピール材料になります。
例文
顧客一人ひとりに合わせた提案力を強みとしています。アパレル販売の現場では、好みやTPO、悩みに寄り添った提案が信頼につながると考えています。実際に、悩み相談に乗ったお客様から「あなたから買いたい」と指名をいただき、担当顧客の月間購入率を前年比120%に伸ばすことができました。これからも顧客目線を大切にしながら、貴社のブランドのファンを増やせる接客をしていきたいと考えています。
ファッション感度・トレンドへの意識
未経験者向け
普段からファッションに対する興味を絶やさず、トレンドを追っているかも未経験者のアピール材料になります。例えば、SNSや雑誌での情報収集、友人とのスタイル共有など、積極的にトレンドを学ぶ姿勢を強調します。自身のファッション感度の高さを感じさせるエピソードを交えましょう。
例文
ファッションへの関心とトレンド感度の高さが私の強みです。学生時代から毎日のコーディネートをSNSに投稿しており、フォロワーから「スタイリングの参考にしている」と言ってもらえることもあります。トレンドを意識しつつ、自分らしさも取り入れたコーディネートを日々工夫しています。その発信力と感度を活かして、お客様に「似合う」と「今っぽさ」を両立した提案ができる販売員を目指しています。
経験者向け
業界経験者がファッション感度の観点で自己PRを作成する場合、実際にどのようにトレンドを取り入れて販売に活かしたかを具体的に説明することが重要です。過去の接客や商品提案を通して、顧客に合った最新のスタイルを提案し、売上にどのように貢献したかを示すと効果的です。業界知識やブランド理解を深め、どのようにトレンドを活かしているのかを伝えましょう。
例文
トレンドを押さえた提案力に自信があります。お客様の「今欲しい」気分をつかむには、日々のトレンド分析が不可欠だと考えています。実際に、VMD会議で季節感のあるディスプレイを提案し、購買率の向上や集客力アップに貢献しました。今後もトレンドとブランドらしさを掛け合わせた接客で、お客様に新しい発見を届けたいと考えています。
ブランド理解・世界観の共感
未経験者向け
未経験の場合は、特定のブランドやファッションスタイルに対する理解や、なぜそのブランドの世界観に共感するのかを簡潔に書きましょう。日常的にそのブランドを研究し、どのように学び、その理念を自分のスタイルに取り入れているかをアピールすることで、ブランド理解を示すことができます。
例文
ブランドの世界観に共感し、愛着を持って働けることが私の強みです。貴社の「日常に寄り添う上質なカジュアル」というコンセプトに惹かれ、ショップやSNSを通じて世界観を日々感じています。例えば、スタイリング提案を参考に自分のファッションにも取り入れるなど、ブランド理解を深めています。この共感を土台に、お客様にもブランドの魅力を伝えられる存在になりたいと考えています。
経験者向け
業界経験者は、自身が担当したブランドの特徴や世界観を深く理解し、その理解をどのように接客や販売に活かしてきたかを伝えることがポイントです。ブランドの理念やターゲット層に共感し、どんな顧客に対して最適な提案を行ったのかを具体的なエピソードで示すことが重要です。
例文
ブランドの世界観を体現する提案力が強みです。接客においては単なる商品説明に留まらず、シーズンテーマやデザイナーの思いを伝えることで、お客様の共感を得ることができると考えています。実際に、世界観に触れた接客がきっかけでリピーターになったお客様も多くいらっしゃいました。ブランドの価値を言語化し、伝える力を今後もさらに磨いていきたいと考えています。
チームワーク・協調性
未経験者向け
他業界でのチーム経験を活かして、協力的な姿勢や円滑なコミュニケーション能力をアピールしましょう。過去の仕事で、チーム内での協調性を発揮し、共通の目標を達成したエピソードを述べると良いでしょう。また、アパレル業界でもチームワークを大切にし、周囲との調和を保ちながら貢献したいという意欲を示すとより効果的です。
例文
チームで協力しながら目標に向かう姿勢を大切にしています。短期バイトで経験したアパレル店舗では、売上目標に向けてスタッフ同士が常に声を掛け合い、連携して働いていました。私自身も店全体の動きを意識し、忙しい時間帯のレジ補助や商品補充に素早く対応するよう努めました。チームの中で自分にできることを考えて動く姿勢は、アパレルの現場でも活かせると考えています。
経験者向け
実際のチーム内での役割や具体的なエピソードを紹介し、どのようにチームの一員として協力して成果を出したのかを強調すると伝わりやすい内容になります。例えば、店舗での共同作業や他部署との連携、後輩指導の経験をエピソードとして挙げて、自分がチーム全体の目標達成にどのように貢献したかを示すと良いでしょう。結果として売上向上や業務効率化を実現した事例を含めると説得力が増します。
例文
チームで成果を出す店舗運営に力を入れてきました。副店長としてスタッフ教育や日々の運営に携わり、コミュニケーションの質が売上に直結すると実感しています。具体的には、朝礼での成功事例共有や適材適所のシフト調整を行い、チームの士気を高めた結果、売上目標120%達成や離職率の改善に繋がりました。今後も周囲との連携を大切にしながら、強いチーム作りに貢献したいと考えています。
店舗運営・マネジメント経験(経験者向け)
経験者向け
店舗運営やマネジメントに関する具体的な実績を強調します。売上目標の達成、スタッフの育成、業務の効率化など、マネジメントスキルを活かした成果を挙げると効果的です。例えば、売上向上のために行ったプロモーション施策や在庫管理の改善、スタッフの教育を通じて店舗全体のパフォーマンスを上げた、といったような具体的な例を示すと説得力が増します。また、リーダーシップやスタッフとの信頼関係作りにも触れると、マネジメント能力がより強調されます。
例文
数字に強く、再現性のある店舗運営が得意です。店長として売上管理・在庫調整・VMDだけでなく、スタッフマネジメントに特に力を入れてきました。研修内容やフィードバック体制を整備し、新人スタッフの育成を仕組み化した結果、3ヶ月後の売上が平均140%に向上しました。今後も、現場に即した改善提案を通じて、店舗全体のパフォーマンスを引き上げていきたいと考えています。
よくある質問とその解決方法
Q:実績が数字で出ません……。どうすればいいですか?
A:数値での実績がなくても大丈夫です。アパレル業界では、接客対応や売り場作り、チームなどで、「どんな工夫をしたか」「どう頑張ったか」「どう乗り越えたか」など目に見えにくい努力も評価されます。具体的なエピソードや周囲からの評価を交えて、自分ならではの工夫や行動の背景を伝えることで、十分に説得力のある自己PRになります。

CA・Y
数値で示せる強みがあった方がより良いです。ただ、人事はそれが本当なのかは実際のところ分からないので、どうやってその数字を達成したのか、具体的なエピソードや内容を話せないとNGです。
Q:アルバイト経験だけでも自己PRは書けますか?
A:アルバイト経験しかない場合でも、接客の経験があればアピールすることができます。また、居酒屋やコンビニなどアパレル業界以外の業種であっても問題ありません。接客の時に自分なりに工夫したことや、その結果どのような反応や成果が得られたのかを伝えることで、説得力のある自己PRになります。接客経験が未経験の場合は、「コミュニケーション力の高さ」や「臨機応変な対応力」といった強みを具体的なエピソードと一緒に紹介することで、アパレル業界でも活躍できる人物だという印象を与えられます。

CA・佐々木
もちろん書けます!アルバイトで自己意識を持って行動できる方はそう多くないので、そういった点に触れる内容だといいですね。

CA・Y
もちろん書けます。アルバイトも仕事です。例えば居酒屋のアルバイトなら、①接客で意識していたこと、②お客様からはどんなお声をいただいていたか、③売り上げはどのくらいあったか、④店長や社員からはどんな評価をもらっていたかを記載したら良いと思います。
Q:自己PRで資格や検定をアピールするのはアリですか?
A:検定や資格を自己PRに含めるのは効果的です。ただし、単に「資格を持っている」と伝えるだけでは十分ではありません。その資格がどのように仕事に活かせるのかまで具体的に書くことで、より説得力のあるアピールになります。TOEICや英検などの語学資格を持っている場合は、「インバウンド対応や外資系ブランドでの接客に活かせる」といった活用のイメージを伝えるといいでしょう。一方で、志望職種と関係性がない資格をアピールしすぎると、志望動機がぼやけてしまうことがあります。資格はあくまで補足として扱い、実務経験や具体的なエピソードと組み合わせて伝えるのがベターです。

CA・久保田
資格や検定のアピールはOKです!応募先の仕事で活かせる&その資格を取得した目的意識がある場合は、より効果的ですね。

CA・佐々木
アリですが、そのまま書くのはNGです。資格や検定よりも、取得しようと思った意図や勉強での課題をどう解決したかといった点からどんな強みがあるかを見つけて書いた方がいいです。結果として資格が取れた、という流れの方があなたらしさが出てすてきです!

CA・Y
書いていて損をすることはないですが、その資格が業務でどのように活きる(活きた)かが大切。資格を取っただけでアピールになるという考えはNGです。例えば、TOEICで高い点数を取っていても、ビジネスで使えなければ採用シーンにおいて意味はないので……。
Q:面接では自己PRと同じ内容をそのまま話しても問題ないですか?
A:そのまま話しても問題ありませんが、採用担当者が履歴書や職務経歴書をすでに読んでいる場合が多いので、そのまま読み上げるだけではNGです。話すときは、補足やエピソードを交えて、より具体的に伝えることがポイントです。

CA・Y
逆に自己PRの内容とズレがあるとよくないです。ただ、履歴書や職務経歴書は台本ではないので、自分の言葉で話すことが大切です。

CA・佐々木
問題ありません。あなたの魅力をあなたが伝えないと、採用担当者は理解してくれません。文章だけでなく、自分の言葉や思いで伝えてください。ただし、面接は双方のコミュニケーションなので、プレゼンテーションにはならないように注意してくださいね!

CA・久保田
同じ内容でもOKですが、丸暗記感を避けて自然に話すのがコツです。書面では、話の骨子を記載し、面接では背景やエピソードも交えたストーリーベースで伝えると好印象です。
Q:志望動機と自己PRはリンクさせた方がいいですか?
A:志望動機と自己 PRで、内容に一貫性を持たせた方が採用担当者に伝わりやすいです。例えば、志望動機で「貴社の自由で柔軟な社風に惹かれた」と伝えているにも関わらず、自己PRで「堅実性」をアピールすると、人物像にズレが生じてしまいます。もし志望動機で「コミュニケーションを活かしてきた経験を、接客に活かしたい」と伝えるのであれば、自己PRでも「高いコミュニケーション力を強みに、顧客のニーズを汲み取りながら接客してきた」といった表現にすると、一貫性のある内容になり、説得力が増します。
Q:中途の場合、自己PRで学生時代のエピソードを記載してもいいですか?
A:自己PRでは、基本的に仕事での経験や実績から得た強みを書くのがベターです。学生時代の経験をアピールする場合でも、それが今の接客スタイルや価値観にどう影響しているかを明確にすることが大切です。社会人としての経験と結びつけて書くことで、より実践的で信頼感のある内容になります。
Q:長所と自己PRは違いますか?
A:自己PRは、自分ならではの強みや活かせるスキルを企業にアピールする箇所。企業が自分を採用することでどんなメリットがあるのか、入社後にどのような貢献ができるのかを、自ら示すことで、採用の判断を後押しする役割があります。一方で、長所は「協調性がある」「ストレスに強い」といった、生まれ持った性格や資質を指すことが多く、必ずしも仕事のスキルに直結しない場合もあります。自己PRでは、そうした長所にとどまらず、企業の求める人物像や業務内容にどのように貢献できるかを具体的に伝えることが大切です。
ファッション・アパレル業界の求人一覧
ファッション・アパレル業界に特化した求人サイトを運営するREADY TO FASHIONでは、新卒や中途、業務委託、アルバイトなど4,500件以上の求人を掲載しています。
またREADY TO FASHIONでは、必要項目を入力するだけでサイトないから自動で履歴書や職務経歴書を作成・アップロードできます。
そのまま企業の選考にも進むことができ、効率的に就職・転職活動が可能になるので、ぜひご活用ください。
三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)
2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。
最終更新日:
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【READY TO FASHION】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング