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「販売職は入り口じゃない」 シップス人事が語る、現場を起点に描くキャリアの可能性

プロフィール:乙部明徳(おとべ・あきのり)株式会社 シップス 人事部 部長。2008年にアルバイトとして入社し、メンズカジュアルやメンズドレスを担当。その後、レディースブランドでの販売を経験し、2022年より現職。人材採用や社員育成、人事労務の業務全般など多岐にわたる仕事に携わっている。

プロフィール:乙部明徳(おとべ・あきのり)株式会社 シップス 人事部 部長。2008年にアルバイトとして入社し、メンズカジュアルやメンズドレスを担当。その後、レディースブランドでの販売を経験し、2022年より現職。人材採用や社員育成、人事労務の業務全般など多岐にわたる仕事に携わっている。

「販売職は入り口じゃない」 シップス人事が語る、現場を起点に描くキャリアの可能性

プロフィール:乙部明徳(おとべ・あきのり)株式会社 シップス 人事部 部長。2008年にアルバイトとして入社し、メンズカジュアルやメンズドレスを担当。その後、レディースブランドでの販売を経験し、2022年より現職。人材採用や社員育成、人事労務の業務全般など多岐にわたる仕事に携わっている。

ファッションを若者で加速させる
READY TO FASHION

「販売職から本社職に異動することは、キャリアアップではなくジョブチェンジ」。そう語るのは、副店長や店長を経て、現在は人事として活躍するシップス・乙部さん。メンズドレスからレディースの販売、人事と、現場で積み重ねたリアルな経験をもとに「販売員の価値向上」を自らのテーマとして掲げてきました。

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接客の手応えに魅了され、異動や挑戦を楽しみながら歩んできたキャリアの先に見えてきた、「販売職でキャリアを築く価値」とは?

小さな成功体験を積み重ねた7年間、レディースブランドで得た自信

ー現在、人事として採用や労務業務などに携わっていますが、キャリアのスタートは?

もともとアルバイトとしてシップスに⼊社し、⼆⼦⽟川店でメンズカジュアルの販売員として働いた後、同ショップ内でメンズドレスの担当に移りました。カジュアルを担当していた時とはガラッと変わり、毎日スーツに革靴、ジェルで髪をセットして勤務する日々が始まりました。

ドレスショップで働くようになってからは、より服にも詳しくなり、ドレスアイテムが売れることが自分の中では一つのステータスのように感じられました。ご来店されるのは、社長や役員レベルのお客様が多く、まさにお客様に育てていただいたという実感がありますね。そんな中、ある時レディースブランドへの異動が決まったんです。

ー突然の異動だったんですか?

突然でしたね(笑)。ただそれまでに、ヘルプとしてレディースブランドに行った際に、少し接客をさせてもらったことがあったんですよ。レジの隣に並べてあった10万円のダウンを着たそうな方がいらっしゃったので試着していただいたら、ご購入いただけたんです。それを店長と営業本部長がたまたま見ていて、「あの子いいじゃん」となって。2週間後にはレディースショップに立っていました。

最初に異動を聞いた時は驚きましたが、販売のスキルを向上させるには自分が予測していなかったキャリアを経験してみるのもいいのかなと思いました。レディースブランドでは管理職として副店⻑を3年間、店⻑を4年間務めました。

ーレディースブランドの販売員として働く中で苦戦したことは?

自分では着ない洋服なので、最初は着心地や「これがかわいい」という感覚がよく分からなくて…。着こなしに詳しいスタッフに教えてもらったり、女性誌を読み漁ったり、他店のリサーチを欠かさずに行ったりしていました。それを2、3年と続けていると、新商品が入荷した時に「これかわいいじゃん」って思えるようになってきたんです。

ー当時、モチベーションとなっていたことは?

自己肯定感を⾼く保って⽣きていたいという思いがあったので、店舗で売上を作る小さな成功体験を積み重ねられる日々が、ただただ楽しかったですね。

レディースブランドでの接客が難しいと感じていても、それを乗り越えたら次は副店長、店長、そして人事と、常に「難しい」壁が連続します。ですが、できないことに直面している時こそ「今、成長しているな」と実感できるんです。

だからこそ、あえてそういった課題を探しにいく感覚でいます。いつも口にしているのが「半年後の自分なら、きっとできるはず」という言葉。たとえ失敗しても「来年同じ状況に直面したら絶対に乗り越えられる」と思えると、今の挑戦を前向きに楽しめましたね。

販売スキルは履歴書に書けない?

ー10年以上、販売の最前線に立ち続けられてきました。どんな思いや気づきが人事へのキャリアパスにつながったんですか?

自分の得意なことについて考えた時に、接客とスタッフのケア、教育が思い浮かびました。そういった強みを活かしていくためのキャリアビジョンとして、「10年後のSHIPSをつくる人を育てたい」という思いがあったんです。

そのビジョンを大切な軸として持っていた中で、人事の仕事がその延長線上にあると感じるようになりました。そんなタイミングで異動の声をかけてもらったのがきっかけです。

ー以前、シップスで働く上でのテーマが「販売員の価値向上」とおっしゃっていました。人事として働く中でそういった思いが醸成されたんですか?

そうですね。当時は純粋に販売の仕事を楽しみながら働いていたのですが、「販売スキルって、果たして履歴書に書けるスキルなのかな」と感じていたんです。

ただ異動した時に気づいたのは、コミュニケーション力やあらゆることに対して感度高くアンテナを張る力など、販売員として培ってきたスキルはどんな職種でも求められるビジネススキルであるということ。「販売って実はすごいことをしているぞ」と、販売員としての価値の高さを改めて実感する機会になりました。

ー販売員から転職を考える際に、アピールできるスキルについて悩まれる方も多いですよね。

そうですね。でも、実は振り返ってみると、販売員としてこれまで通ってきた道には、自分が思っている以上にキャリアやスキルが積み重なっているんです。「販売職しかできない」と感じている人にこそ、これまでの経験を資産として振り返ってみてほしいです。

過去の自分を認めてあげずに、販売しかできないと否定して違うキャリアを選択するのはもったいないです。転職するにしても、販売職で培ったキャリアを活かして転職する方がいいのではないでしょうか。

ーアパレル業界を目指す際に、販売職をキャリアの入り口として経験し、その後に本社職を目指すキャリアビジョンを描く方も多い印象です。シップスでは新卒採用も行っていますが、新卒の学生が、販売員という仕事に対してどんな印象を持っていると感じますか?

10年前は、下積みがあっても気にせず、好きだから挑戦するといった勢いがありましたが、現在は販売職の仕事が他の業種と比較して選ばれている印象です。

販売から本社職を目指すこと自体が悪いとは思いませんが、小売業における仕事の本質は接客であり、その根っこを履き違えてはいけないと思います。販売職から本社職に異動することは、キャリアアップではなく、ジョブチェンジだと。

本社は店舗を支えるサポート部門。もし販売職を本部職よりも価値が劣ると捉えるような風潮があるとすれば、小売企業で働く意義や、販売員の仕事そのものの魅力を学生にきちんと伝えてくことが大切だと思います。

ー会社として、販売員の価値向上を目指す姿勢はどんなところに現れていますか?

会社が販売員のことを第一に考えていないと、そもそもお客様にいいサービスを提供できません。そこはブレずに会社として大切にしています。

ーシップスにしかない販売職の評価制度や育成制度の仕組みはあるのでしょうか?

現在、評価制度の見直しを進めており、その中でもプロセス評価を重視しています。成果はもちろん大切ですが、高い成果を上げたとしても企業理念で求めているコンピテンシーに沿っていなければ評価の対象になりません。お客様や周囲のスタッフを大切にする姿勢も、評価の中で反映させています。

制度としては、社内のロールプレイング大会としてS-1グランプリを開催しています。外部のロールプレイング大会のように勝ち負けを競う大会ではなく、会社として⼤切にしたい価値観や接客のあり方を共有し、体現することを目的とした大会として位置づけています。

目の前の従業員に対して常に100%以上の仕事ができているか

ー⼈事になって改めて感じる販売の魅力は?

自分が接客を頑張った先に、商品が売れ、お客様にまた来るねと言っていただける時が、自分の仕事が認められて誰かを幸せにできたと思える瞬間です。それが、販売員の一番の価値だと思っています。

数字を取るためのロジックももちろん大切ですが、いざ接客する時は一旦横に置いておいて、目の前のお客様を幸せにすることを第一に考えます。

ー乙部さんが考える、理想の販売員の姿とは?

私の感覚では、販売員とお客様の関係性は、販売員・服・お客様が縦一列に並んでいるのではなく、販売員とお客様が横に並んで、一緒に相談しながら商品を選んでいるようなイメージ。中には「何かあれば声をかけてください」と、少し離れた距離感で接客をするスタイルのショップもありますが、シップスはそうではありません。企業理念の中に「半歩先の提案」という言葉があり、そうすることによって、お客様の印象に残る販売員になれるんです。

ー⼈事業務でも半歩先の提案をすることはありますか?

ありますね。人事労務としてさまざまな業務に対応する中で、私が幸せにしたいのは販売スタッフをはじめとする、スタッフたち。目の前の従業員に対して常に100%以上の仕事ができているかを自問自答しています。単に「魅力のある会社にしたい」というだけでなく、「ここで働きたい」と高いエンゲージメントを持ってもらえるような企業にしたい。そう考えると、人事としてのアプローチも半歩先を意識すべきだと思っています。

一方で、人事としての秩序やコンプライアンス、公平性などとのバランスも常に気を配っています。「乙部さんだから言うんですけど…」といった相談を受けることもあります。そういった一つひとつの声に真摯に向き合うことを日々大切にしています。

ー人事として、販売員の価値向上のためにどういったことを還元していきたいですか?

みんなが⽣き⽣きと働ける会社を作っていきたいですね。そのためにも、自分が「本社の人」のようになって、現場の販売員たちが本音を言い出しづらい雰囲気にならないように配慮しています。

ー今の現場で働いているスタッフや、販売職を目指している学生にメッセージをお願いします。

現場にいる販売員には、「あなた結構すごいことやってるよ」と言いたいです。ファッションデザイナーでも、お客様に商品を渡したり伝えたりすることはできません。販売員として、ファッションの最前線でエンドユーザーとつながれているのは価値のあること。また、時間や体験を付加価値として販売するのは、誰にでも簡単にできることではありません。いま楽しさを感じられていなくても、スキルアップしたら絶対に楽しくなるので、接客を楽しんでほしいです。

また、目標を一つに決めることも大切ですが、予想もしなかった強みややりたいことが出てくるかもしれません。販売職に挑戦したいと考えている方は、選択肢を広く持っていろんなことにチャレンジしていってほしいです。一生懸命取り組んでいれば、将来やりたいことにつながっているはずです。

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プロフィール:乙部明徳(おとべ・あきのり)株式会社 シップス 人事部 部長。2008年にアルバイトとして入社し、メンズカジュアルやメンズドレスを担当。その後、レディースブランドでの販売を経験し、2022年より現職。人材採用や社員育成、人事労務の業務全般など多岐にわたる仕事に携わっている。

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