
アスクルは6月にも、首都圏を含む東日本エリアをカバーする基幹物流センター「ASKUL関東ディストリビューションセンター(DC)」を稼働させる。主力事業の事業者向け通販および一般消費者向け通販の両事業の東日本エリアの物流を担い、売れ筋商品からロングテール商品まで最大21万アイテムを在庫可能。様々なAGV(無人搬送ロボット)など最新設備を導入し、年商2000億円規模の出荷に対応できる大型物流拠点となる。アスクルが誇る最新鋭の物流拠点の全容とは――。
「ASKUL関東DC」(所在地・埼玉県上尾市愛宕3-1-22)はアスクルでは11拠点目となる物流センター。物流施設開発事業者の日本GLPの物流施設「GLP上尾」を賃貸した。地上5階建て、敷地面積は大阪・吹田市内に構える同社最大の物流センターで西日本エリアの基幹拠点となる「ASKUL関西DC」に次ぐ広さとなる4万5922.36㎡(延べ床面積は10万4951.51㎡)。稼働時間は1日10時間程度となるという。

1階は受注に応じて各階の在庫エリアからの商品が集まり、89ステーション設置したゲートアソートシステム(=GAS)で最終的に顧客ごと1個口に仕分けし、商品の容量から段ボールの大きさを自動調整して梱包する封かん機「I-Pack」など備えつつ、紙袋での梱包なども行う梱包エリアおよび44方面への仕分けができる出荷ソーサーから商品を出荷する出荷エリアで2~5階が在庫エリア(※1階でも低温庫で低温保管が必要なメディカル商材、米、酒類など一部商品を在庫)。1~4階に車両が乗りつけられるようになっており、各階で直接、商品の入荷が可能となっている。2階には注文が多く頻繁に出荷をする売れ筋など高頻度品を、大型自動倉庫がある3階は高頻度品および中頻度品を、4・5階は低頻度品を在庫する。最大21万アイテムの在庫が可能という。なお、5階の一角には従業員用の食堂を設け、健康や栄養を考えた昼食を無料で提供する。 同拠点には最新鋭の設備を導入した。2階には同社の物流拠点では初めての導入となるトーヨーカネツの自動仕分けAGV「Table-sorting-system」を160台導入。受注に応じて在庫エリアから運ばれてきた商品を同AGVが同階にある高頻度品のデジタルピッキングエリアに運ぶ仕組み。アスクルの他の物流拠点では搬送コンベアがその役割を担っていたが、それに代わり固定設備ではないAGVを導入することで物量の拡大に応じて台数の増減ができ、搬送能力の調整ができる利点があるという。
同じく2階にこれもアスクルでは初導入となる入荷自動搬送AGVを12台導入。従来はフォークリフトなどで行っていた入荷商品を保管場所まで搬送する工程を自動化するもので愛知機械テクノシステムの6輪台車搬送AGV「Carry Bee Dragon3」を採用した。6輪台車の下面に滑り込んで台車前端を持ち上げて、保管場所までのルートに沿って事前に床に貼り付けた磁気テープに従って搬送する仕組み。入荷場から保管場所まで何往復みの移動が不要となり、作業負担の低減につながるという。なお、1台あたりの耐荷重は500㌔㌘という。
3階には日本では初導入というフォーク付ロボット「LUC-L1500V」を1台導入。高精度の3Dビジョンセンサーによりエレベーターに乗り込んで、他階への搬送が可能。入荷や保管などの工程間搬送においてパレットを無人搬送でき、従来はハンドリフトで行っていた作業を効率化できるという。
4・5階にはギーグプラスの棚搬送型AGV「poppick」の最新機「Ver.1.3」を444台導入。商品を在庫しているコンテナを同機が持ち上げて入出荷に応じて、必要なコンテナを積んだAGVが担当者のいる26カ所ある「ステーション」まで移動し、コンテナをおろして担当者の手元まで持っていくことでその場で入出荷の作業ができる仕組み。ここには主にロングテール商品を在庫しており、天井いっぱいまでコンテナを積めるため、高い保管効率を備えているという。
6月からの「関東DC」の稼働で高頻度品とロングテール商品のまとめての配送がさらに可能となり、一箱あたりの売上単価を向上するほか、事業者向け通販「ASUKUL」と一般消費者向け通販「LOHACO(ロハコ)」を同拠点で在庫しているため、物流品質の向上や関連コストの削減も図れるという。また、基幹拠点が従来の「関西DC」に加え、2つとなったため、輸配送距離が短縮され、配送効率も向上する見通し。なお、出荷能力が余剰となっている埼玉・日高のBtoC専用物流拠点は閉鎖して、同拠点に集約。地代家賃総額の総額を抑制できるとし、物流のさらなる効率化を進める。
吉岡社長が語る 「関東DC」開設の狙いと背景
関東の大型拠点は「積年の願い」
「誇り持てるセンターに」

アスクルは5月23日、「ASKUL関東DC」の開所式を行った。開所式であいさつした吉岡晃社長は「このセンターは当社にとっては(設置したいと)積年の願いであった東日本の大型拠点だ」としたうえで、「当社は全国に当日翌日お届けを行っているが、当社のお客様の注文の特徴として一度で複数の商品を注文頂くこと。そこで大事になってくるのが、いかにそれら商品をまとめて個口を減らして生産性を上げ、配送距離を減らしていけるかという工夫だ」として、それらが可能となるように、すでに西日本エリアでは大阪・吹田市に同社最大の物流拠点「ASKUL関西DC」を構えているが、同じく関東エリアにも大規模拠点を構えようと計画してきたが、東日本エリアには計画に合致するような施設がなく、それによって配送する商品の一部が関西の拠点からの出荷となって、別々の拠点からバラバラに出荷、配送することになるなど効率悪化の一因となるなど長年の懸案となっていたという。
そうした中、物流拠点の開発・運営を行う日本GLPから上尾で建設する予定の物件の紹介を受けた。「当初、当社の中期経営計画の中には大きな投資の計画は入れていなかったが、不動産は縁というが本当に貴重な機会を頂き、我々経営陣は〝即断〟をした」とし、すぐに「ASKUL関東DC」の開設を決めたと同拠点の開設までを振り返った。
続けて「私がアスクルに入社した2001年ころから物流は様変わりしたと本日、この拠点を見て感じた。当時は最先端を誇っていたコンベアがたくさんのAGVに代わったことはもちろんだが、機械の進化はまだ想像できた。(驚いたのは物流拠点内での)労働環境が大きく変わったこと」とし、また、地域コミュニティに対して物流拠点が果たしている貢献などについても言及。「物流センター、物流自体というもの自体が暮らしと経済を支えていく世の中に貢献する役割が大きくなった」とかつてとの変化について述べつつ、「変わっていないのが、物流業界に対する社会からのイメージ。物流は世の中になくてはならない、最新鋭のテクノロジーが入っている産業となっている一方で非常にエッセンシャルなイメージが強い。これは我々にとっても課題だ。この『関東DC』を誇りを持てるセンターとして物流業界のステイタスを上げ、若い方々が憧れるような産業になるように様々な情報発や価値の発信をしていきたい」とした。

また、開所式後にはアスクルと上尾市、日本GLPの3者間で災害時に上尾市の要請があった場合に同物流拠点に在庫する飲料・食品、生活用品、生成用品などを市民に供給したり、集まってくる支援物資を同拠点で保管する「災害時の物資の供給及び一時保管等に関する協定」を締結する締結式を開催。吉岡社長ほか、畠山稔上尾市長、同拠点を建設した日本GLPの帖佐義之社長らが出席して協定に調印した。
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