スタートアップ企業デイドリーム（Daydream）社が、ファッションにフォーカスした世界初のチャット型ショッピングエージェント「Daydream」のベータ版を公開した。オープンAI（OpenAI）のChatGPTやグーグル（Google）のGeminiをはじめとする複数の大規模言語モデルを活用した独自のAIモデルを構築しており、ユーザーとのチャットでの対話を通じて提携先である200社以上、8000ブランド以上の小売・ブランドパートナーの商品約200万点の中からパーソナライズされた商品を提案。フィルターやドロップダウンを使わずに対話を繰り返し行うことで理想の商品に辿りつけるという“究極のAIショッピング体験”を提供する。

　デイドリーム社は、ファッション通販プラットフォーム「THE YES」共同設立者で、「スティッチ・フィックス（Stitch Fix）」でCOOを経験するなど、Eコマースに深い知見を持つジュリー・ボーンスタイン（Julie Bornstein）らが共同で設立。「現在のオンラインショッピングは情報量が多すぎて時間がかかり、個人の好みの細かなニュアンスを理解できない。従来の検索では満足できません」とボーンスタイン氏が語るように、新しいeコマース検索エンジンの開発に市場から注目を集め、昨年には5000万ドルを調達した。

　今回ベータ版が一般公開されたDaydreamでは、ユーザーとの対話を通じて学習し、パーソナライゼーションを可能にするという。テキストでの説明が難しい場合は、写真やスクリーンショットをチャット欄にアップロードすると、その画像情報からAIが“見た目のニュアンス”を理解した上で提案や検索を行う。商品は各ブランド・小売サイトで購入でき、デイドリームは売上が確定した際の手数料で収益を得るという。

　提携先には「ネッタポルテ（NET-A-PORTER）」や「アロー・ヨガ（Alo Yoga）」「ケイト（KHAITE）」「カサブランカ（CASABLANCA）」「マイテレサ（Mytheresa）」「ナイキ（NIKE）」「ドーエン（DÔEN）」などのほか、「ユニクロ（UNIQLO）」もローンチパートナーに名を連ねている。

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