


18年にスタートしたスイスの機械式時計ブランド「ノルケイン」がグローバルに成長している。スイスの時計輸出額が減少傾向にある中、24年の全世界売上高は23年比で約40%増だった。日本も主要市場の一つで、販売に力を入れている。スイスの時計業界では数少ない家族経営の独立ブランドとして、機械式時計の伝統を引き継ぎ、革新することに挑戦している。
(吉野光太朗)
業界の重鎮やメーカーと協力
創業者のベン・カッファー氏がCEO(最高経営責任者)、弟のトビアス・カッファー氏が副CEOを務める。独立経営を貫く理由について、トビアス氏は「株主がいると短期間で売り上げを作り、利益還元することを求められる。そうしたプレッシャーから解放され、長期的な展望を持って、成長戦略を構築するため」と話す。20年には、ビジョンに共感した時計業界の重鎮であるジャン-クロード・ビバー氏や、高品質なムーブメントを製造するケニッシと協力関係を築いた。

トビアス・カッファー副CEOは機械式時計について「アートに近い、感性的な価値を含んだプロダクト」だと話す
究極の機械式スポーツ時計
スポーツ・アクティビティーの要素を盛り込んだ時計を中心に、ライフスタイルを提案することに力を入れている。商品はブランド独自の表現を追求する「インディペンデンス」(中心価格は約80万円)、スポーツモデル「アドベンチャー」(30万円台から)、クラシックを表現する「フリーダム」(30万円台から)の3シリーズに分かれる。22年に発売した代表モデル「ワイルドワン」は、「究極の機械式スポーツウォッチを作る」ことを目的に、ビバー氏とパートナー工場とともにコンセプト作りから取り組み、2年かけて完成したものだ。
現在、ワイルドワンのスケルトンタイプのターコイズブルーカラー(税込み93万5000円)が最も売れている。6月初旬に発売した新作「フリーダム 60 クロノ 40ミリ〝エンジョイライフ〟スペシャルエディション」はグリーン、ピンク、ブルーとジェラートのような明るく楽しい色を取り入れた、遊び心が感じられるモデルだ。ラバーストラップタイプ(78万1000円)とステンレススチール製ブレスレットのタイプ(79万7500円)がある。

最も売れている「ワイルドワン」スケルトンタイプのターコイズブルーカラー(インディペンデンスシリーズ)

6月に発売した「フリーダム 60 クロノ 40ミリ〝エンジョイライフ〟スペシャルエディション」のブレスレットタイプ
現在、45カ国340店で販売しており、売上高はアメリカが一番大きく、スイス、日本と続く。日本では現在、42店の時計専門店に卸している。店舗、ECで販売し、店舗が売り上げの大半を占める。今後も独立経営を貫き、機械式時計における革新的な挑戦を続け、販売を拡大する考えだ。
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