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花王が2025年第2四半期連結決算(2025年1〜6月)を発表した。売上高は前年同期比2.7%増の8090億2200万円、営業利益は同19.9%増の695億6900万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は同14.3%増の496億3100万円と増収増益で着地。為替影響を除いた実質ベースでは売上高が3.7%増、営業利益率は8.6%と前年同期から1.2ポイント改善。計画値を上回る手応えを得たことから、通期予想を上方修正した。修正後の売上高は1兆6900億円(前期は1兆6284億円、当初計画比1.2%増)、営業利益は1650億円(同1466億円、同3.1%増)、当期純利益は1210億円(同1078億円、同4.3%増)。
グローバルコンシューマーケア事業では、DXによるマーケティング手法の高度化、高付加価値製品の提案や価値に見合う価格改定等に取り組み、売上高は同0.6%増(実質1.3%増)の6058億円を計上。営業利益は、原材料価格の上昇の影響を受けるも、販売数量の増加と“稼ぐ力”の向上が寄与し、543億円(前年同期から125億円増加)で着地した。
同事業に含まれる化粧品事業では、ASEANを中心に売上を拡大するとともに、日本で事業のスリム化を進展させたことで収益性が改善され、売上高が同2.1%増の1185億円、営業利益が4億円(同65億円増)と、3期ぶりに上期の黒字化を達成。日本で好調を維持する「キュレル(Curél)」や「ケイト(KATE)」「カネボウ(KANEBO)」、インバウンド需要に支えられた「センサイ(SENSAI)」、新商品で高い反響を得た「ソフィーナ iP(SOFINA iP)」といった注力6ブランドが順調に推移。アジアでの売上は前年同期を割ったものの、タイでケイトやカネボウが計画を上回る進捗を示した。また、欧州で「モルトン ブラウン(MOLTON BROWN)」が好調を維持。同エリアで注力しているキュレルは特に英国での売り上げが伸長したという。
同じくグローバルコンシューマーケア事業のヘルスビューティケア事業は、売上高が同0.4%増(実質1.6%増)の2115億円、営業利益が181億円(同31億円増)となった。スキンケア製品の売上が前年同期をわずかに下回ったものの、日本でUVケア製品やハンドソープが好調に推移。米州は「ジャーゲンズ(Jergens)」が苦戦を強いられた。一方でヘアケアカテゴリーの構造改革を着実に進め、高価格帯市場の新ブランドとして展開する「メルト(melt)」、「ジアンサー(THE ANSWER)」、リブランディングを実施した「エッセンシャル(Essential)」がけん引。パーソナルヘルス製品は日本市場で「ピュオーラ 炭酸ハミガキ」、中国で「めぐリズム」が貢献した。
通期業績予想の上方修正は、同上半期が計画を上回る進捗を示したことから、関税の政策転換による混乱や経済の減速、欧州および中東の地政学リスクといった不透明な事業環境は想定されるとしつつ、DXによるマーケティング手法の高度化や高付加価値製品の提案と適切な価格改定の実行の計画によるもの。
なお、同社は資本効率の向上と株主への利益還元のため、2026年1月30日までの間に、取得株式数1500万株または取得価額800億円を上限とする自己株式取得を実施すると発表した。
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