
Image by: VERSACE
「ヴェルサーチェ(VERSACE)」が、今年3月にチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任したダリオ・ヴィターレ(Dario Vitale)のデビューコレクションとなる2026年春夏コレクションを発表した。
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発表の舞台に選ばれたのは、ミラノ中心部のアンブロジアーナ美術館。メゾンの象徴であるメデューサをはじめ神話的モチーフが随所に散りばめられた空間には、ダ・ヴィンチやカラヴァッジョの名作が並び、荘厳さと親密さが同居する。会場にはジャケットやスリッパ、犬用のクッションが無造作に置かれ、かつて私邸として使われた時代の生活感を漂わせた。当初は着席形式のプレゼンテーションと告知されていたが、実際には回廊を使ったランウェイショーでの発表となった。
コレクションでは創業デザイナー ジャンニ・ヴェルサーチェ(Gianni Versace)が築いた「肉体と精神」「俗と神聖」の二面性を再び現代に呼び起こす試みが読み取れ、80年代を思わせるシルエットやカラーパレット、モデルのヘアスタイルをはじめ、テーラリングやネグリジェ、デニム、レザー、プリントシャツといったアーカイブ要素を自由で官能的に再解釈。ジャンニとゆかりのあるマイアミビーチや地中海を想起させる色鮮やかなデニム、大胆にカッティングされたタンクトップ、そしてヘリテージに根ざしたプリントがヴェルサーチェらしいデカダンスを放った。ただターゲットはヴィンテージやレイヤードを好む現代の若者世代に向けられており、直近まで在籍していた「ミュウミュウ(MIU MIU)」で手腕を磨いたヴィターレらしいフレッシュなタッチで昇華されている。
フォーマルなイヴニングドレスは登場せず、まるでパーティに繰り出すような自信とエネルギーに満ちたコレクションとなり、ショー後に近隣で開かれたアフターパーティへと向かうモデルたちがストリートを闊歩する光景は、コレクションを象徴する瞬間のようだった。
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