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秋冬気候の早期予報が発表 10月は高温、11月から気温低下で冬は北暖西冷に

秋冬気候の早期予報が発表 10月は高温、11月から気温低下で冬は北暖西冷に

繊維業界記者・ライター兼広報アドバイザー
南 充浩

すっかりと猛暑も終わって過ごしやすくなった。特に朝晩は涼しくてすごしやすい。

関西では日中の最高気温が28~30度くらいの日が続いているが、猛暑日の頃と比べて湿度が低めになっているとはいえ、連日35~40度の猛暑の中で過ごしていたため、最高気温30度でもかなり涼しく感じられてしまうようになった。慣れとは恐ろしいものである。

一昔前、最高気温30度といえば真夏の暑さだったが、今では涼しいと感じられてしまう。それほどに高温化が進んでいる。

それはさておき。

衣料品業界にとって、死活問題となりがちな秋冬の気候に関する早期予報が9月22日、気象庁から発表された。

これによると、10月は高温、11月は平年並みからやや高温寄り、12月は寒いという気温になるようだ。

基本的には昨年秋冬同様に「北暖西冷」傾向の気温推移となる見込みで、北海道や東北は温暖傾向、関西を含む西日本は寒冷傾向になる。

以下の気象庁の図を見てもらえば一目瞭然だが、10月は全国的に高温傾向。高温傾向とは言っても真夏のような猛暑日ではないが、現在のような最高気温30度前後の日が関東・関西では続くと考えられる。

11月になると、西日本は平年並みかやや高温、関東はやや高温、北日本は高温傾向になる。

12月は関東・西日本は平年並みかやや低温傾向、東北・北海道は平年並みという傾向になる。

ここから考えられるのは、10月末か11月のどこかで急激に気温が下がり、昔ながらの秋らしい気温になるだろうということである。その後、12月になるとさらに気温が下がり冬らしい気温になるだろうから、秋らしい秋は実質的に11月の1か月間しかないということになる。

ただ、12月は気温が低下するため、全国的に防寒着類の売れ行きは昨年に続いて好調になるだろう。

9月22日の気象庁の発表は10~12月の3カ月予報だけではなく、来年1月、2月の冬の気候予報も発表されている。

12月~2月(この3ヶ月を季節区分では『冬』とされている)の3ヶ月間トータルの気温は東北・北海道でやや高温、関東を含む西日本では平年並みとなっている。

これだけを見ると、12月から2月末まで満遍なく寒いと考えがちだが、今冬の気温推移はそうではないらしい。それは気象庁の発表をもととした2つのYouTube動画の共通した見解である。

まず、松浦氏のYouTube動画である。

続いて「走る人参」氏のYouTube動画である。

お時間のある方は2つとも視聴していただければ幸いだが、めんどくさいという人のためにザックリとまとめておく。

2つの動画ともに、12月~2月の冬の気温は「寒暖差が大きくなるのではないか」と考察している。暖かい日もあれば寒波が襲来する日もあるという具合である。

特に上の松浦氏は動画内の10分くらいの時点で「暖かい日と寒波の日があり、この両方の気温を平均すると平年並みから低いという数値になる」とまとめている。

平均という数字の罠である。花巻東高校OBの平均年収額が何億円というすごく高い数値が弾き出されて話題となったことがあるが、理由は簡単で大谷翔平選手が存在するからである。大谷選手の年俸何十億円を足して割るからOBの平均年収は恐ろしく高くなってしまう。それと同じである。

下の「走る人参」氏も動画内の8分45秒くらいのところで、12月は寒く、1月は平年並み、2月は高温傾向になるのではないかと予想している。そして、12月の部分には「たまにがっつり寒波」と書かれてある。ということは、12月も寒い日ばかりではなく暖かい日もあるが、強烈な寒波が襲来することもあるので、月間気温を平均すると平年並みかやや低いという数値になると考えられる。

このように見てくると、冬と言っても12月は寒冷な日が多く、1月に入るとその傾向は和らぎ(とは言っても寒波襲来もあるだろう)、2月は全体的に高温傾向となりそうである。

冬物衣料品販売でいうと12月はガッツリ売れるだろう。1月も正月バーゲンまたは、1月下旬までは冬物処分が相当捗るだろう。ただ、1月末か2月上旬くらいから春の陽気になりそうだから、2月は春物が好調に動くのではないかと思われる。

今のご時世だからどのアパレルメーカーもショップも防寒着類を多めに仕込んで2月末まで売り減らすという施策は採っていないと思われるが、今冬物販売は12月と1月バーゲンで売り切ってそのまま逃げ切るのが賢明なやり方になるだろう。

従来通り2月に春物を立ち上げると、2月10日以降からは、そこそこ順調な滑り出しが期待できるのではないだろうか。

12月末までにいかに防寒着類の値引き率を抑えて売り切るか、が今冬物衣料販売の勝敗を分けることになりそうだと思われる。

生活者にとっては寒波は光熱費の負担が重くなり憂鬱な気分にさせられるが、衣料品販売にとっては12月に襲来すると考えられている寒波に期待がかかる。

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