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繊研plus欧州は26年春夏ファッションウィーク真っただ中。物作りの都市ミラノでは、クラフトマンシップを強調するコレクションが引き続き目立った。手工芸の技や丁寧な仕事で、付加価値をつける。ミラノが得意とする表現だ。
一方で、物作りの根幹をなすイタリアの縫製工場は減少し続けている。事業を継続する工場に注文が集中するため、ロット数の多いオーダーが優先され、デザイナーブランドこだわりの商品はドロップが増えた。日本と同じ状況だ。自社工場を持つブランドは「まだなんとかなる」というが、現状に対する危機感は強い。物作りを継続する難しさを実感する。
そんな状況下で、軸足を置くべき方針とは何なのか。イタリア国内に自社工場を持つレディスブランドは、「無理をしてまで、売れるものを作らない」と決めた。
以前は売りやすい色やトレンドのデザインも作っていたが、売れることを重視するあまり、必ず売れる黒ばかり発注する店が増えてしまった。それはファストファッションやセレクトショップのオリジナルに任せればいい。本当にブランドを好いてくれる店や顧客に向けて、自分たちらしい服を作っていくことが大切だと実感したという。
規模が縮小したとしても、自分たちのクリエイションを形にすることに意味がある。物作りについて再考するブランドが増えている。
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