黒のスウェットパーカをおしゃれに着こなしている若い男性を電車内で見かけた。パーカは英国のロックバンド「オアシス」が10月に東京ドームで開いた16年ぶりの来日公演に向けて販売された公式グッズだった。91年に結成された人気バンドが当時を知らない若い世代に支持されていることに音楽の力を感じた。同時に、音楽アーティストなどのファングッズがかつてと比べて、ファッショナブルになっていることも改めて実感した。そのパーカはシンプルだが、ストリートモード風に着こなすのにぴったりなデザインだった。

　東京・渋谷のミヤシタパークではオアシスの来日公演に合わせ、公式グッズの期間限定店の開設など大型協業イベントを行い、好調だったという。公式グッズを販売した音楽会社の担当者によると、「グッズは、今ここでしか体験できない限定品が人気。ウェアは普段着としても着られるおしゃれな商品がよく売れる」という。消費者の熱い思いに応え、今しかない体験の思い出やおしゃれに着られるなどの様々な価値を提供していることが、「推し活」ビジネスの成功につながっている。

（有）