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日本女子大学にファッションデザイン学部が誕生 「家政学部」改組の一環で

Image by: FASHIONSNAP

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日本女子大学にファッションデザイン学部が誕生 「家政学部」改組の一環で

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 日本女子大学が、現在進行中の大学改革の一環として、創立以来120年以上の歴史を持つ同校の「家政学部」を改組することを発表した。これによって、同学部としての学生募集を2027年度をもって終了する。

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 2028年4月までに「家政学部」などの既存学部の再編を通じて生まれる新学部を順次整備し、専門性を高めた全9学部16学科体制に移行。これに伴い既存の家政学部に含まれていた被服学科の立ち位置に新たに「ファッションデザイン学部」を、人間社会学部心理学科と児童学科を合併し「人間科学部」を開設し、2028年4月に開講する。

 記者向けに開催された発表会には、同校の篠原聡子学長、大学改革担当である永田典子副学長、新センター所長予定者である坂本清恵副学長が登壇し、構想を語った。

 家政学部は日本女子大学の前身である日本女子大学校の創立とともに1901年に開設された。同校の創立者である成瀬仁蔵は、創立当初から自然科学を重視し、家政学部では家政学の構成要素である「衣」「食」「住」を中心に、文系・理系の双方から人間と生活を科学的に研究する学びを提供。これまでに約3万8000人以上の卒業生を輩出してきた。

 家政学部の再編は、各領域が時代のニーズに応じて専門性を高めてきた一方で、従来の家政学という枠組みではその学びを十分に包摂できなくなってきたこと、さらに同校の家政学部が化学・生物・物理・数学・情報・工学など多様な理系分野を内包していることから、それぞれが独立した学問領域として更なる発展が期待できることに基づくものだという。これまでは家政学部に含まれていることで各学科の専門性が外部から見えにくいといった課題があったが、各学科を学部として“株分け”することで、より各学部の専門性を強めたカリキュラムを提供していく。永田副学長は改組の背景を「創業当時から理系的な自然科学の要素を女子教育に採用していた姿勢は非常に先駆的であり、同校の看板でありました。だからこそ、今の時代に合わせた発展が必要だと考えました」とコメント。篠原学長は、「18歳人口が減少する一方で、女性の大学進学率は5割を超え、多様な生き方が広がっています。しかし、日本のジェンダーギャップ指数は2025年時点でも118位と非常に低く、女性が主体的にキャリアを築ける環境はいまだに十分とは言えません」とし、「キャリア形成に直結する実学や理系分野を含む多様で専門性の高い学びを求める受験層が増加しています。こうした女子学生のニーズの多様化に対応するため、本学は時代の要請に応えられる女子総合大学としてあり続けるため学部再編を進めています」と説明した。

 家政学部の再編は1992年に家政理学科を私立女子大として唯一となる理学部へと学部化したことに始まり、近年では2024年に住居学科を建築デザイン学部に、2025年に食物学科を食科学部に変更。2027年には女子大学として初の経済学部(旧 家政経済学科)の開設を予定している。

 2028年4月に開講を予定しているファッションデザイン学部は「ファッション」を社会文化的な現象として捉え、「デザイン」を社会課題を解決する活動・プロセスとして定義。「デザイン」「テキスタイル」「アート」「ビジネス」の文理融合4分野から多角的にアプローチし、「着る」「身に着ける」「装う」といった行為を切り口に人間の生活、社会システムやデザインを人文社会科学および自然科学の視点から学際的に学ぶことができるカリキュラムを用意するという。ファッション学科のみの1学部1学科制で、定員は85名。教授陣は一部入れ替えを行い、特にビジネスとデザインの部門の教員を強化していく。デザイナーなどを招へいした特別講義など、学生から注目を集めそうなコンテンツも検討しているという。

 同校の家政学部被服学科は、これまで大学の被服分野で全国トップのポジションを確立してきた。一方で、人文学的な視点からファッションを学びたいという潜在的なニーズを持つ学生はこれまで家政学部ではなく、経済学部や繊維学部を選択してきた例も多かったのではないかという考えのもと、今後はそうした学生たちの受け皿になれる環境を提供することを目指す。

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