今年のお買い物を振り返る「2025年ベストバイ」。15人目は、講談社が発行・運営するビューティマガジン「ヴォーチェ(VOCE)」のウェブサイト編集長を8年間務め、今年12月からはエンパワーメントラボ部長・新規事業開発チーム チーム長、さらには引き続きVOCEイノベーションプロデューサーとして活動する三好さやかさんです。VOCEで発信される読者の心に響く言葉はもちろん、「メイクも毎日着替えられる」をモットーに約3万人のフォロワーを抱える自身のインスタグラムは7年間、毎日更新を欠かさず、常に注目を集めています。そんな三好さんが選ぶ、今年買ってよかったアイテムを紹介します。
ADVERTISING
目次
rhode ペプチドリップ

FASHIONSNAP(以下、F):最初にご紹介いただくのは、日本未発売のコスメ「ロード(rhode)」です。ヘイリー・ビーバーさんが立ち上げ、今年5月にe.l.f. Beautyが10億ドル(約1485億円)で買収したブランドですね。
三好さやか(以下、三好):そうです。海外出張の際に「セフォラ(Sephora)」で購入しました。流行りのペプチドリップだったので、ぜひ試してみたかったんです。ロードはとても人気があるから、なかなか買えなくて......時間もあまりなかったので、とりあえず手に入った、今つけている「リボン」という色を選びました。かなりシアーですが、きちんと発色もします。保湿力が高く、唇がふっくらするような感覚もあるんですよ。これだけでも可愛いのですが、今日は撮影されるには少し物足りなさを感じて、「タワー28(Tower 28)」のリップ&チークを重ねています。

F:抜け感もあって可愛い色ですね。海外出張では、コスメを購入することが多いですか?
三好:はい、現地のコスメショップや、セフォラのような大型店は必ず訪れるようにしています。今回はアメリカ出張の際に、「これは日本で買えない」と思い、駆け込みで手に入れました。
F:出張先でのルーティンはありますか?
三好:必ずやることがいくつかあります。化粧品を見に行くのはもちろんですが、現地の美味しいお酒をたしなむこと、そして早起きして30分ほどの散歩は、気分転換になりますね。お酒は、今年ボストンに出張した時に飲んだクラフトビールがとても美味しかったです。ボストンはクラフトビールの街としても有名だそうで、その美味しさに本当に驚きました。
タワー28 リップ&チーク




三好:「タワー28(Tower 28)」は日本未発売の敏感肌向けクリーンビューティ系のブランドです。これもセフォラで購入したもので、私は青みピンクが好きなのでこの色を選びました。
F:タワー28も日本では未発売ですが、人気があります。これはリップだけでなくチークにも使えるんですよね?
三好:はい、今日はリップ&チークとしても使っています。
F:一般的にクリーンビューティコスメって色が薄付きのイメージがありますが......。
三好:そうなんですよね。でもこのブランドは発色も良いですし、奇抜な色展開もあって、そこに惹かれました。
F:今日つけているアイシャドウも素敵ですが、どこのブランドなんですか?
三好:これもタワー28なんです。先ほど言ったように、クリーンビューティなのに尖った色があって、このメタリックの輝きがすっごく可愛い。これは塗った瞬間にピタッと密着してぼかす間もないほどなんです。塗るとひんやりするから、夏の暑い時期にも涼しげで良いかもしれませんね。
F:今年は酷暑が続きましたし、「冷んやり」はパワーワードですね。最近のお気に入りのブランドは何ですか?
三好:タワー28は、特に気に入っていますね。
F:一年中、数多くのコスメを試されている三好さんがおっしゃると、信ぴょう性がありますし、購入したくなりますね。今回のベストバイでこれらの海外コスメを選んだ理由は?
三好:職業柄、日本で発売される主要なスキンケアやメイクアップ製品は全て試していますし、その中でのおすすめは、VOCEのメディア各種で日頃からご紹介させていただいています。今回の取材では、あえてこれまで紹介していないものを選んでみました!

F:三好さんは個人アカウントのインスタグラムのフォロワーが2.9万人に上り、個人としても人気です。おすすめの商品はもちろんですが、メイクティップスも知りたいはず。ホリデーシーズンに向けて、メイクのワンポイントアドバイスがあれば教えてください。
三好:やはり「キラキラ」を取り入れたいですね。最近は目頭にラベンダーやブルーなどの寒色系のキラキラを重ねるのがいいなと思っています。華やかさが出て、冬らしい雰囲気も演出できます。ホリデーコレクションでも寒色系のキラキラが多く出ていましたし、私自身もとてもしっくりきます。洋服が重たくなる季節なので肌のツヤ感も大切ですし、顔の中で光を放つ部分が増えることで、肌全体の印象が明るくなるのでぜひ試してほしいですね。
シンプリス「パーフェクトダイエット プレミアム_S1」「パーフェクト リポカット プレミアム_S1」

F:次のアイテムはサプリメントですが、インナーケアには注力していますか?
三好:もともと健康界隈のものが大好きで、エステやインナーケアは好きなんです。私はよく食べて、よく飲むタイプで、便秘体質でもあるというのもあり(笑)、カット系や排出系のサプリメントは常に興味がありますね。
そんな中で今年すごく良かったのが、これ「シンプリス(SIMPLISSE)」の糖質カット「シンプリス パーフェクトダイエット プレミアム_S1」と、脂肪カット「シンプリス パーフェクト リポカット プレミアム_S1」です。糖質カットと脂肪カットが別になっていることに面白さを感じました。あと、周りのカプセルなども添加物が少なく作られているという、こだわりがあるんですよね。
F:確かに、通常は不要なものをカットするサプリメントは一種類であることが多くて、糖質と脂質で分かれているのは珍しいですね。
三好:最初は正直、まとめてくれていた方が楽だと思ったんです。でも脂質は良いものは摂取すべきという考えもあって、食事の内容に合わせて使い分けられるのがとても良いですね。例えば「今日はイタリアンだから糖質カットを」「今日は唐揚げだから脂質カットを」といったように、食前に自分が摂る栄養素を考え、必要なものを選べるのが素晴らしいと感じました。
F:その使い分けを通して、ご自身の食生活について何か新しい発見はありましたか?
三好:食事と向き合って「これから、何を食べるのか」「どの栄養素が必要か」を考えるきっかけになるのは面白いなと思いました。特に40歳を過ぎると乾燥で肌のカサつきが気になるので、良い油は残すべきという意識も高まりますね。

F:そもそもなんですが、美容に興味を持たれたのはいつ頃からですか?
三好:振り返ってみると、大学生の頃から美容に関心がありましたね。割と体型的にボリュームがあるのが気になっていたため、当時からエステにも通っていました。会社に入る時はファッションの編集者を目指していたのですが、元々はビューティの方が好きだったのかもしれません。
F:ビューティ業界に携わり、ファッションとの違いは何だと思いますか?
三好:ファッションの場合は「今年の冬はボアコートが流行っている」と言われると、さまざまなブランドから選べますよね。でもコスメの場合は「ディオール アディクト リップ マキシマイザーの001番」のように、ピンポイントで指名買いされることが多いんです。この「指名買い」の文化は、ビューティ業界ならではの面白い現象だと思っています。「ベストコスメ」というのも、ビューティ業界だけかもしれませんね。それが製品の在庫状況にも影響を与えるほどなんですよね。そういうところも美容に興味関心がある理由です。

シンプリス パーフェクト リポカット プレミアム 30袋(30日分)
ブランド: SIMPLISSE (シンプリス)
メーカー: MNC New York株式会社
価格: ¥9,500(2025/12/22現在)
Sezane ブラウス

F:ここからはファッションでのベストバイです。まずは「セザンヌ(Sezane)」のブラウスですが、今着られているものですよね。どういったきっかけで購入されたのですか?
三好:実は、今年3月にパリへ出張した際に、一緒だったFASHIONSNAPの人に教えてもらったんです。私自身、あまりファッションのトレンドに詳しいわけではないのですが、色々と教えていただき、購入しました。
F:普段は、どのようなファッションスタイルが好きなんですか?
三好:ガーリー寄りで、コンサバティブな服装が好きなんです。小花柄が大好き。出張先でも同僚から「小花柄を見つけたら教えてあげるね」と言ってくれるほどです(笑)。
F:三好さんはワンピースのイメージがありますが、このセザンヌもとてもお似合いで、好みにぴったりですね。
三好:セザンヌの世界観にどハマりしてしまって、夢中になりました。ついつい買いすぎてしまって、大きなカゴバッグも買ったんです。
F:そういえば同僚が、「三好さんが大きなカゴバッグを入れる、スーツケースを買っていた」と教えてくれましたよ。
三好:はい、それは間違いありません(笑)。それぐらいお気に入りになりました。

F:このブラウスはガーリーな中に、きちっとした仕立ての感じとインディゴでカジュアルさもあるように感じます。
三好:私の雰囲気に合いつつも、きちんと感があり、遊び心も感じられるところが気に入っています。袖のデザインも凝っていて素敵ですよね。仕事柄、コスメを手の甲に出したり、手首まで塗ったりすることもあり、こういう絞った袖口で可愛いアイテムはすぐ購入してしまいます。
F:お顔立ちからくる好みもあるのでしょうか?
三好:それもありますね。私の顔は比較的コンサバティブな印象なので、カジュアルな服装が全く似合わないんです。ボーダーTシャツやデニム、ロゴTシャツなどは、私には似合わないアイテムだと思っています(笑)。
sacai スリット入りスカート




F:いま着用されているスカートもベストバイに挙げていただきました。これは「サカイ(sacai)」ですか?
三好:そうです。今季のアイテムではないようですが、今年のベストバイです。美容の撮影ではトップスしか見えないので、トップスばかりにお金をかけていた私ですが、ボトムスもアップデートしたいという気持ちが時々湧き上がってきて、その時に購入しました。丈感が色々なトップスに合わせやすいですし、ここがスリットで大きく開いているのが特徴です。
F:スリットが大きく開いていても、気にならないですか?
三好:意外と見えすぎないんです。このくらい控えめなデザインがちょうど良いと感じています。言われればサカイだとわかりますが、主張が強すぎないところが気に入っています。
F:普段のお買い物は、インスピレーションでされることが多いのでしょうか?
三好:「今日買うぞ!」と意気込んで買い物することはあまりないですね。基本的にふらっと立ち寄ったお店で、購入することが多いです。
F:仕事で着用する洋服は、どのような基準で選んでいますか?
三好:特に編集長時代はカジュアルすぎる服装は避けていました。自分自身が表に出る機会も多いので、少しきちんとした印象も欲しいと思っています。撮影や取材で私服で出ることも多くて、コスメを紹介するので上半身しか写らないから、上半身が映えるトップスを常に買い集めるようにしています。
3.1 Phillip Lim 厚底ブーツ


F:お次は「3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)」の厚底ブーツ。
三好:今、ギャルブームが戻ってきているので、この厚底ブーツも懐かしくて。今のトレンド感もあって買いましたね。厚底ではあるものの、とても履きやすいし歩きやすいですよ。
F:三好さんも当時はギャルだったんですか?
三好:私はギャルではなかったですが、当時人気だった安室奈美恵さんのチェックのミニスカートに厚底ブーツの格好は真似してましたね。余談ですが、このブーツに合わせてミニスカートも買って会社に履いて行ったのですが、何度か二度見されてしまって…(笑)。「会社ではさすがにミニスカートはまずいかな」と思ってそれからは会社でミニスカートは穿いていません。
F:世の中のギャルブームに乗って、メイクも少しトレンドの影響を受けているのでしょうか?
三好:若干、取り入れられていると思います。例えば、アイラインを囲むように引いたり、パープルや水色のような色を使ったりと、昔のギャルメイクの要素が再燃しているように感じます。
F:三好さんご自身はトレンドは意識的に取り入れていますか?
三好:職業柄もちろん、情報収集していますが、40歳前後になってからは、「これが流行っているから買おう」というよりは、その要素を自分なりに取り入れるというスタンスになりました。昔よりも自分らしく、好きなものを着るようになってはいます。

F:以前は、首から上のビューティと首から下のファッションで、全然求める層も違ったように思いますが、最近ではファッションとビューティの境界線が曖昧になってきているように感じます。
三好:確かに昔は「ここだけ頑張ればいい」という感覚があったかもしれませんが、しかし現在では、美意識は「全身のトータルコーディネート」として捉えられています。肌、メイク、ヘアに加え、洋服を含めた全体への意識がより高まっていますよね。以前は美容誌は顔周りを中心とした情報発信を使命とし、ファッションは専門誌の領域と考えていましたが、今や私たちも、そうしたトータルな視点での発信を強化していくべきだと感じています。
芦屋ロサブラン 帽子

F:次は帽子です。今年の夏も本当に暑くて、紫外線対策は欠かせないですよね。
三好:とにかく紫外線対策は美容ヲタクとしては必須です。今年買った芦屋ロサブランの帽子は、“100%遮光”を謳っているブランドなので、絶大な信頼を寄せています。そして何より、つばの大きさがちょうどいい。小さいと紫外線を避けれないし、大きくなりすぎると、前が見えなくて危ない…。このつばの大きさが絶妙で、デザイン的にも素敵だと思って購入しました。

F:アームカバーも夏の必須アイテムですね。
三好:今年は特に暑かったので、顔周りだけでなく、腕もきちんと守ろうと思い、アームカバーを買い足しました。これもロサブランのものです。メッシュ素材ですが、やはり付けていると暑いですね(笑)。でも意識して着用しているおかげで、例年よりは日やけがマシだったと感じています。

F:紫外線対策グッズを選ぶポイントはありますか?
三好:「信頼と安心」ですね。ロサブランや「サンバリア100」は“100%遮光”と謳うブランドなので、夏の暑い日の発表会巡りでも大変重宝しています。
Wawalag 足ツボマット



F:最後は足裏のケアアイテムです。見た目だけで痛そうです(笑)。
三好:「ワワラグ(Wawalag)」の足ツボマットなんですが、私、 痛いのが好きなんです(笑)。最初は痛くて、靴下を履いてただ立つだけだったのですが、今ではお風呂上がりに裸足で乗って、フェイスパックをして、テレビを見ながら足踏みをして使っています。
F:なぜ足裏のケアを?
三好:やはりアラフォーになった頃から、健康診断で引っかかったり、体力の衰えを感じるようになったのが大きいですね。ずっと美容の仕事をしてきましたが、スキンケアやカラーメイクだけでなく、ヘルスケアやインナービューティの要素も非常に重要だと感じるようになりました。また、大人になってからバレエを習い始め、バレエでは足裏が非常に重要なんです。足裏をケアすることは、バレエでも重要ですし、健康にも良いと実感しています。
F:どのような頻度で使用されていますか?
三好:毎日というわけではありませんが、家に帰ってきて足が疲れたと感じた時に、スキンケアをしながら10分から15分程度乗っています。洗面所などに置いておけば、歯磨きをしながらでも使えるので、生活に取り入れやすいですよ。

F:その他、足裏ケアでオススメのアイテムがあれば教えてください。
三好:「アカイシ(AKAISHI)」のツボフットケアアイテムや、「キュレル(Curél)」の「ガサガサかかとをしっとり包む お手入れ底上げ かかとケアマスク」がお気に入りです。
F:今後、仕事でもヘルスケアの分野に力を入れていきたいと考えていますか?
三好:現在、メインの仕事は新規事業開発部門に籍を置いていますが、そこでビューティのさらなる可能性を模索できたらと考えています。特にヘルスケアやインナービューティに関しては、ニーズも高く、私自身の必要性も強く感じている分野ですので、力を入れていきたいですね。
F:新規事業開発部門の部長になり、何か心境の変化などありますか?
三好:これまでは編集長という立場上、インスタグラムでもフラットな投稿を心がけ、プライベートは一切出していませんでした。しかし編集長を卒業しこともあり、今後はもう少し自分らしさも出していきたいと思っています。
F:そもそもですが、インスタグラムでの発信を始められたきっかけや、どのような狙いがあったのでしょうか?
三好:約7年前にスタートし、実はそれから毎日更新を続けています。たくさんの化粧品を試す機会があったので、「毎日違うメイクをしてみよう」と実践していたところ、周りから「今日のメイク、どこの?」と聞かれることが増えました。これをきっかけに「メイクを紹介したら喜ぶ人がいるはず」とインスタグラムを立ち上げました。30代半ばで読者層と年齢が近かったこともあり、リアルな美容情報を身近な視点で届け、働く女性に共感してもらえる発信を意識していました。毎日同じメイクをしがちな方に「こんなに毎日変えてもいいんだ」と気づいてもらえるきっかけになっていると嬉しいです。
今年を振り返って

F:今年を振り返り、8年務めたVOCE ウェブサイト編集長を卒業し、新たなステージに立ちました。現在、どんな心境でしょうか?
三好:一から築き上げてきた「家(ウェブサイト編集長の役割)」を次の人たちに引き継ぐことは、新鮮な経験です。これから皆んながそれをさらに発展させ、新たな「家」へと昇華していく様を見届けられるのは、何よりの喜びですね。
新規事業開発の部署は、まだ何も決まっていない立ち上げ段階で、VOCE ウェブサイト編集長の就任時と同様に、引き継ぎのマニュアルが存在していません。全てを自ら作り上げていくことに、大きなやりがいを感じています。このように全幅の信頼を寄せてくださることに感謝すると共に、身が引き締まる思いです。
F:お買い物を振り返って。
三好:今年の買い物は、やはり「健康重視」に移行したと実感しています(笑)。コスメとは異なり、インナービューティ製品は一度に多数を試せない点がもどかしいですね。コスメであれば、使用しては落とし、また別のものを試すというサイクルが可能ですが、サプリメントは1日の服用量が決まっているので。
来年も引き続き、サプリメントをはじめとする健康志向の製品への関心が深まると思っています。また、年齢を重ねるにつれて、より質の高い、いわゆる“名品”と呼ばれるものを厳選し、ミニマルなライフスタイルを追求していきたいですね。
最終更新日:
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【買ったモノ】の過去記事
RELATED ARTICLE
関連記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング

















