
資生堂が2025年12月期の連結決算を発表した。売上高が前期比2.1%減の9699億9200万円、コア営業利益が同22.4%増の445億2000万円、親会社の所有者に帰属する当期損益は406億8000万円の赤字(前期は108億1300万円の赤字)だった。中国・トラベルリテール事業の上期を中心とした消費低下の影響や、米州事業の「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」の苦戦継続により減収したが、下期の注力ブランドの成長や、構造改革にとコストマネジメントの貢献により、コア営業利益は4期ぶりの期初計画達成となった。
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事業別の売上高は、日本事業が同0.4%増(実質0.7%増)の2953億4300万円。12月から中国人旅行者数が減少し、インバウンド市場は鈍化したものの、ローカル市場では緩やかな成長が継続。「SHISEIDO」の「SHISEIDO アルティミューン™︎ パワライジング セラム」や「エリクシール(ELIXIR)」の「エリクシール レチノパワー リンクルクリーム ba」など最新技術を搭載した新商品の貢献により、3年連続でのシェア拡大を達成した。
中国・トラベルリテール事業は、同4.3%減(実質3.5%減)の3422億4400万円で着地。中国では、「クレ・ド・ポー ボーテ(Clé de Peau Beauté)」や「ナーズ(NARS)」がけん引し、中国最大のEコマースイベントである「ダブルイレブン」によりEコマースが大きく伸長したが、トラベルリテールで中国・韓国において、中国人旅行者の消費低調による厳しい状況が継続し、減収だった。
米州事業は、ドランク エレファントのリブランディングに向けた在庫調整や「ドクター デニス グロス スキンケア(Dr. Dennis Gross Skincare)」の市場価格競争により減収し、同10.1%減(実質9.5%減)の1065億8400万円だった。欧州事業は、ドランク エレファントの苦戦が続いたものの、新商品を発売した「ザディグ エ ヴォルテール(Zadig&Voltaire)」や「ナルシソ ロドリゲス(narciso rodriguez)」などフレグランスが力強い成長を見せ、同6.4%増(実質3.2%増)の1411億2900万円。アジアパシフィック事業では、台湾などでの市場縮小の影響を受けたが、タイを中心とする東南アジアや韓国が成長をけん引し、同2.3%増(実質1.8%増)の732億9000万円を売り上げた。
藤原憲太郎社長は、2025年を単なる構造改革の年ではなく、「将来の飛躍に向けた最も重要な基盤構築を完了させた年」と位置付けた。事業構造の転換として、中国市場への過度な依存構造が着実に是正され、グローバルでよりバランスの取れた構造へと変わりつつあると説明。「地域分散がリスク低減ではなく、収益の安定成長装置として機能し始めた証左」だと捉えた。
2026年は「改革の年ではなく、成長を確実に実現させる年」と断言。市場に投入する新商品の数と期待売上規模は、前年対比で20%増を予定しているという。SHISEIDO、クレ・ド・ポー ボーテ、ナーズのコアブランドでは、ヒーロー商品・ラインの継続強化に加え、アンバサダー起用による消費者とのエンゲージメント拡大をねらう。
さらに、成長戦略の核として、イノベーションと技術の重要性を強調。2026年から2028年までの間に10以上の最新技術をコアブランドへ搭載、もしくはブランド横断で活用する。その成功事例として、SHISEIDOや「マキアージュ(MAQuillAGE)」の“ファンデ美容液”に搭載した技術プラットフォーム「セラムファーストテクノロジー」を挙げ、2026年は「第2、第3のセラムファーストテクノロジーと呼ぶべき5件の骨太な最新技術のブランド横断展開に向けた準備が完了している」と意気込んだ。
2026年通期業績予想では、売上高が前期比2.1%増(実質3%増)の9900億円、コア営業利益が同55.0%増の690億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は420億円の黒字(前期は407億円の赤字)を見込む。当期利益は3期ぶりの黒字を計画する。
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