
Image by: SHOTSURUOKA

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「ここのがっこう(coconogacco)」や「アミット(AMIt)」出身のデザイナー 鶴岡翔が、ニットブランド「ショウツルオカ(SHOTSURUOKA)」を始動した。2026年カプセルコレクションでデビューを飾る。
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鶴岡は、2001年埼玉県生まれ。「ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)」の坂部三樹郎が学長を務めるファッションスクール「me」や、「モトヒロ タンジ(Motohiro Tanji)」の丹治基浩によるニット教室「Motohiro Tanji Texture Creation」、ここのがっこう、「ピリングス(pillings)」の村上亮太が主宰するニットスクール アミットなどで学んだ後に、自身のブランド「ショウツルオカ」を設立。2026年に初のカプセルコレクションを発表した。
ブランドコンセプトは、「Knit Experience」。家庭用編み機による機械編みを中心に、手編みや独自の研究による染色技法などを組み合わせ、「ニット」という素材や「編む」という“作法”を見つめ続けながら、ニット表現の拡張を目指した製作を行っている。

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ファーストコレクションのテーマは「記憶を編む」。着想源は、かつて「東洋一のマンモス団地」と呼ばれた埼玉県草加市の「松原団地」だ。鶴岡が幼少期を過ごしたその住宅地は小学生のころに取り壊され、公園や学校を含む街全体が消滅。同コレクションでは、自身の中で年々薄れていく街の風景や記憶を「徐々に消えていく」というコンセプトに置き換え、ニット表現へと落とし込んだ。
コレクションのラインナップは、「徐々に消えていく」さまを異なる形で視覚化した2つのシリーズで構成される。一つ目は「輪郭を消す」アプローチとして、フェアアイル柄やボーダー柄のニットベストをベースに、裾から上に向かって段階的に糸の本数を減らす技法を採用。上部にいくほど編み目が粗くなり、透けていくようなグラデーションによって、記憶が曖昧になっていくさまを表現した。

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もう一つの軸は、消えゆくものに形を与える「輪郭を付ける」シリーズ。デザイナーが元々着用していたライダースジャケットや、着用困難なほど経年変化した古着のミリタリーコートやデニムなどをニットで精密に再現した。家庭用編み機と手編みを駆使し、金属製のジッパーやボタン、裏地のキルティング、生地のダメージに至るまで、すべてを編み組織のみで表現しているのが特徴だ。鶴岡は、「ニットは1目単位でデザインできるため、布帛にはない歪みや動きを生み出すことができる。表現の幅が無限にあることがニットの魅力であり、そこに一番のやりがいを感じている」と話す。


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さらに、ヴィンテージ特有の複雑な色合いや質感を生み出すため、独自の染色技法を導入。ミリタリーコートのグリーンは、極限まで薄めた柿渋染料による染色と乾燥を何度も繰り返すことで、重層的な色の深みを実現している。

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次回のコレクション発表は、2027年春夏シーズンを予定。今夏に展示会を開催し、受注生産による販売を想定している。アイテムの価格設定は現在検討中で、手作業による制作工程の複雑さや期間を考慮しながら決定していくという。今後は、デビューコレクションで確立した技法をさらに発展させながら新たな表現方法を模索するほか、4月からは母校であるアミットの教員として、後進の指導にも携わる予定だ。
今後の展望について、鶴岡は自身のブランドのみならず、日本のニットシーン全体を見据えている。「国内ではニットを専門的に学べる場所が限られており、文献も海外と比べて『手芸』の域に留まっているものが多い。将来的には、海外の文献の高度な技法を解釈し、日本語の教材に翻訳するような活動にも取り組んでみたい。ブランドとその活動を通して、もっと多くの人にニットを作ることの魅力を知ってもらえたら」と意気込みを語った。




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最終更新日:
■SHOTSURUOKA:公式インスタグラム
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