若い世代を中心に支持を集めるオンワードホールディングス傘下のウィゴー(WEGO)が、次なる成長の舞台として海外市場の攻略に乗り出す。今年から本格化する台湾、中国本土での販売を皮切りに、グローバルでの存在感をどう高めていくのか。国内事業の好調を支えるMD改革や、ティーンの心を掴む独自のマーケティング手法についても含め、店頭スタッフからの生え抜きで、2018年から同社の舵を取る園田恭輔 社長に話を聞いた。
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ウィゴー社長
園田恭輔
Kyosuke Sonoda

1999年、ウィゴーへ入社。店舗スタッフや店長を経験後、エリアマネージャー、バイヤー、倉庫管理、PR部署の立ち上げ、事業部長など、幅広い分野で会社の成長を支える。2018年から現職。ウィゴーは2024年にオンワードホールディングス傘下となった。

中国・台湾でも沸騰する推し活・アニメカルチャー
──2026年2月期の売り上げ実績が325億円、2030年度には500億円という目標を掲げています。5年間で175億円の積み増しとなりますが、その内訳は?
海外で100億円、国内で75億円の上乗せを考えています。国内ECはまだ伸びる余地がありますし、出店のポテンシャルも残っています。2026年4月現在の国内店舗数は181ですが、スクラップ&ビルドを含めて200店舗までは十分増やせるでしょう。

──海外は、まず台湾と中国本土に注力するとのこと。この2つの市場を選んだ理由は。
これまで、上海でポップアップを2回開催したほか、常設ではありませんが杭州で約半年ほどショップを営業していました。上海のポップアップでは、6日間で1万8000人超が来場、1億円以上を売り上げるなど、大きな反響をいただきました。その後オンラインのTモールだけでもしっかりと売り上げを作ることができており、中国でのオンライン販売は昨年1年で売り上げが倍になりました。この勢いが続けば、中国単体だけで年間50億円の売り上げが達成できると考えています。


2024年に開催した上海でのポップアップの様子
Image by: ウィゴー
今年は、中国でのオンライン販売をさらに伸ばすために実店舗を作り、マーケティングを強化していくフェーズです。アジア圏では、オンラインでの買い物が当たり前の世代にとっても、実店舗があることは企業の実態を示すことになり、信頼性の向上に繋がります。中国のパートナー企業からも、リアル店舗があった方がオンラインは伸びると言われていますね。今年の年末に約181平方メートルでオープンする上海の旗艦店は、単に商品を売る場所ではなく、体験や世界観、情報発信の拠点と位置づけています。まずは推し活を切り口にしていますが、これから徐々にMDの幅を広げて、ゆくゆくは日本と同じようなMDが組めればと考えています。
──中国ではどのような層に受け入れられているのでしょうか。
いわゆる推し活やアニメといったカルチャーに近い領域で支持されています。中国はマーケットが大きいので、「薄く広く」でやっても目立つことが難しい。中国の都市部には、池袋のサンシャインシティのような、「2次元ビル」と呼ばれるアニメやゲーム関連のテナントが集積する商業施設があり、ウィゴーはそういった場所との相性が良いですね。中国では、日本のアニメだけでなく現地のアニメやVTuberの人気も高く、日本と同じように推し活には出費を惜しまない傾向があります。
──台湾での戦略は。
台湾では特にポップアップなどは開催してきませんでしたが、実はコロナ禍前から進出を検討しており、現地デベロッパーからも好反応を得ていました。訪日時にウィゴーのお店に来ておられた方も多く、既に多くのお客さまにブランドを認知していただいている状態でした。実際に、ウィゴーの日本公式インスタグラムのフォロワーは、日本の次に台湾の方が多いくらいです。ご存知の通り、台湾の若者のファッション感度は、東京とほぼ変わりません。日本で売れている商品が、そのまま台湾でも売れるため、実店舗のMD構成も日本とほぼ同じにします。そこは、推し活カルチャーに寄せる中国本土とは異なる点です。
台湾でも日本と同じように実店舗とオンラインストアを並行して出していきながら、会員獲得を進めていきます。今年5月末に1号店を誠品書店(台湾の大型書店チェーン)武昌店に出店し、年内には297〜396平方メートル規模の路面旗艦店のオープンも計画しています。今後は台北を中心に年間4店舗前後のペースで出店し、2030年までに20店舗規模まで拡大する予定で、30億円の売り上げを目指しています。
──その他の国での出店予定は。
マレーシアのららぽーとで2024年から店舗を運営していますが、テストマーケティング的に行っていることもあり、計画していた予算には達していない状況です。将来的にはバンコクやベトナムなども視野に入れていますが、まずは越境ECなどを活用しながらテストを重ねていく必要があると考えているので、今は台湾と中国にリソースを集中させます。

自社運営コミュニティからティーンのニーズをキャッチ
──国内事業は2025年2月期に黒字化を実現、2026年2月期も増収増益と好調が続いています。その要因は。
特に女性客数が大きく伸びています。数年前までは、女性がメンズのユニセックスなアイテムを購入するケースが多かったのですが、最近はスカートなどのフェミニンな要素の強いアイテムにトレンドが移行しています。我々もそれに合わせてMDの比重を変え、テイストの幅を広げました。また、とにかく鮮度を重視し、商品の投入頻度を上げています。以前は特定のアイテムを大量に作って数を売るスタイルでしたが、現在は少量多品種にシフトしています。原価率は上がってしまいますが、かなり引きつけて生産し、プロパーで売り切ることで値引き率を大幅に改善して収益性を高めています。直近ですと、女子高生向けの制服を着崩す「スクールライン」が非常に伸びていますね。

「スクールライン」の売れ筋商品であるニットカーディガン
Image by: ウィゴー
──ティーンのトレンドをいち早くキャッチし、商品化するスピード感はどこから生まれるのでしょうか。
次に来そうなトレンドをとにかく早く投入して、お客さまの反応を見ること自体が一番のマーケティングだと考えています。それに加えて、「WE LABO」という社内組織を通じてコミュニティから細かいニーズを把握する仕組みを構築しました。例えば、高校生の制服の着こなしを提案するメディアを2つ運営しており、合計で15万人ほどのフォロワーがいます。そのコミュニティ内でのコミュニケーションからトレンドの兆しを掴んでいますし、フォロワーに直接意見を聞くこともあります。推し活に関しても同様のメディアを運営しており、この領域のアカウントではおそらくナンバーワンのフォロワー数に成長しています。この日本で培ったコミュニティマーケティングの手法は、今後の海外展開でも応用していきたいですね。
──中長期の計画では、国内事業もさらに成長させる必要があります。今後の強化ポイントは。
店舗はまだ出店余地があり、大型化も進めていきます。ECに関しては、会員売り上げが非常に伸びており、リピーターが増えているのが良い傾向です。実店舗とECの双方を使っていただけるような施策を強化するとともに、EC限定のコンテンツやブランドなど、店舗の広さの制約を受けないオンラインならではの仕掛けを増やしていく必要があります。
──少子化が進む国内のティーン市場ですが、今後のポテンシャルをどう見ていますか。
国内も我々がまだ取り込めていない範囲は広く、まだまだ伸びると考えています。昨年、47都道府県すべてへの出店を達成しました。郊外のショッピングモールに入っている店舗は都内の路面店に比べてリピーターが多いなど、場所によってお客さまの特徴の違いは若干はありますが、今は都心と郊外で売れるものが大きく変わる時代ではありません。お客さまのいる場所に、我々の商品を届ける余地は十分にあります。海外での100億円という目標もあくまで通過点。国内外で成長を続け、お客さまに価値を提供していきたいですね。
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