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Z世代間で広がるアテンション・デトックス 企業に求められるのはオフラインでの体験

Z世代の「アテンション・デトックス」を調査した

Z世代の「アテンション・デトックス」を調査した

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 私たちは、『SHIBUYA109lab.トレンド予測2026』をもとに分析したZ世代の消費ムードのキーワードとして、「アテンション・デトックス」を提唱しています。

 SNSの喧騒(けんそう)から一時的に完全に離れ、他人からのアテンションを回避し、リフレッシュする行動です。直近では、「スマホをやめれば魚が育つ」というスマートフォン依存防止のためのアプリや、一定時間スマホを取り出せなくなる「スマホロッキングケース」というアイテムなどが活用されています。またSNSでは「デジタルデトックス」の切り口でお出かけスポットが紹介されていたり、スマホから離れることを目的とした消費行動が活発化していることがうかがえます。

 3月に公開した「アテンション・デトックスに関する調査」では、ウェブ調査(15~24歳の男女574人)とインタビューで、彼らがどんな注目から逃れたいと考えているのか、さらに深掘りしてみました。

うわべの関係?

 アテンションの種類は大きく三つに分類できます。まず、投稿や閲覧など、自分の行動が起点で生じる「自分に対するアテンション」です。次にSNSを起点に生まれる周囲とのコミュニケーションで生じる「人に対するアテンション」。最後に、ニュースや炎上投稿など自身が求めていなくても自動的に入ってくる「情報に対するアテンション」です。調査結果では、若者たちは「自分に対するアテンション」に対して最も疲れています。自分の投稿に対して注目してくれる人がいるのかが気になってしまうことが、疲れにつながっているようです。

 インタビューでは、いいねが全然来ないと「自信がなくなる」「自分って人望ないんじゃないかなと不安になる」「この子は私とうわべだけの関係と思っているのかも…と感じる」という声があり、投稿に対する反応の有無で相手との関係値を測っている様子も見られています。

 友達の投稿への注目も、自分の投稿に対する反応とセットになっています。「Aちゃんは、Bちゃんの投稿にはいいねしてるのに、私の投稿にはいいねしてくれていない…」「Cちゃんと同じ場所に行った写真を投稿しているのに、私の投稿はいいねが少ない…」という声も聞かれ、他者と比較する機会が疲れの原因になっているようです。

投稿するほど

 疲れの背景にある感情として、「不安」「虚無感」「劣等感」が特徴としてみられます。一般に「若者はSNSで承認欲求を満たしている」というイメージがあるかもしれませんが、今や投稿すればするほど劣等感を感じてしまう傾向にあるようです。SNSネイティブのZ世代にとって、情報収集とコミュニケーションの場になっているSNSを、完全にやめることは難しい選択かもしれません。しかし、SNSが、彼らの気持ちが「すり減る」場所になっていることは明らかです。

 こういった状況から一時的に逃れるために活発になっているのが、冒頭に挙げたような「アテンション・デトックス消費」なのです。スマホやSNSから完全に離れるのではなく、SNSでの情報収集やコミュニケーションに再び戻るための「エネルギーチャージの機会」として消費を始めています。

 企業マーケティングの観点では、これらの動向を踏まえたデジタルでの心地よい接点作りと、安心してスマホから離れることができるオフライン体験を設計・提供することがさらに重要になりそうです。

長田麻衣(おさだ・まい) SHIBUYA109lab.所長。毎月200人の若者と接する毎日を過ごしている。著書に『ほめられると気まずすぎてしぬZ世代、ほめて伸ばそうと必死になる上司世代』(徳間書店)。

最終更新日:

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