スターバックス コーヒー ジャパンが、群馬県みなかみ町で新たな環境プロジェクト「森のスターバックス プロジェクト」を始動した。2025年4月に締結した「利根川源流から始める豊かな森林と人を育む連携協定」の取り組みを発展させたもので、未利用間伐材の建材活用や従業員への環境教育、店舗と森をつなぐ資源循環の仕組みづくりなどを進める。
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スターバックスはこれまで、みなかみ町森林活用協議会と連携し、群馬県内の店舗スタッフや本社社員ら延べ約300人が森林整備活動に参加。地域住民や群馬県立利根実業高校グリーンライフ科の生徒とも協働しながら森づくりを進めてきた。群馬県内では店舗ごとに活動内容をコミュニティボードで発信しているほか、有志17人のパートナー(従業員)はチェーンソー講習を受講し、地元の自伐型林業にもボランティアとして参加するなど、活動は店舗の枠を超えて広がっている。今回発表したプロジェクトでは、こうした取り組みを発展させ、森林資源の活用と人材育成を両輪で推進する。
プロジェクトの背景には、コーヒー事業を支える「水」への意識がある。メディア向け発表会に登壇したスターバックス コーヒー ジャパン営業本部の渡邊敏明は、「コーヒーの約97%は水でできています。利根川源流のみなかみ町で森林を守ることは、おいしいコーヒーを支える水と向き合うことでもあります」と説明。国内約2000店舗のうち約4分の1が利根川水系の水を使用していることから、水源となる森林を守ることは、同社にとってコーヒーの品質や未来を支える取り組みでもあると語った。

森林整備活動風景
Image by: スターバックス コーヒー ジャパン
プロジェクトの柱となるのが、未利用間伐材の活用だ。サイズが小さいなどの理由で廃棄されることの多い木材を店舗建築や内装材として利用することを目指し、みなかみ町の森で耐久試験を実施。スギ、コナラ、クリの3樹種と2種類の木材防護剤を組み合わせた5種類のウッドデッキを設置し、自然環境下で耐久性を検証する。また、デッキには木材を規格ごとに切りそろえず、不ぞろいな材をそのまま生かす「捨てないデザイン」を採用。製材会社や建設会社と協力することで、通常60〜70%程度発生するとされる製材時の廃棄率を30〜40%まで削減したという。今後は耐久性だけでなく、経年変化も含めて店舗づくりへの活用を検討していく。


ウッドデッキ
Image by: スターバックス コーヒー ジャパン
また、みなかみ町の森の一部を借り受け、従業員向けの環境教育の場として活用。森林整備や森でコーヒーを味わう体験を通じて、気候変動によって2050年までにアラビカ種の栽培適地が半減する恐れがあるとされる「コーヒー2050年問題」への理解を深めるほか、自然を体感することで、店舗でも環境について顧客に伝えられる人材の育成を目指す。加えて、店舗と森をつなぐ資源循環の取り組みとして、群馬県内の店舗から出るコーヒーかすを活用した堆肥づくりにも着手。森の土や落ち葉、竹チップを組み合わせた3種類のバイオネストを制作し、堆肥としての有効性を検証する。効果が確認された堆肥は、県内のドライブスルー店舗の植栽で利用する予定だ。

未利用の間伐材
Image by: スターバックス コーヒー ジャパン
森で自生する稚樹を店舗で育て、森へ戻す「山どり苗の保育園制度」も始める。日本自然保護協会の協力のもと、群馬県内17店舗のドライブスルー店舗が約3年間、コナラやヤマザクラなど約20種の稚樹を育成。その後、成長した苗木を森へ植樹する計画だ。来店客が木々に触れられる環境をつくることで、森林を身近に感じる機会の創出を目指すという。






山どり苗の保育園制度実施風景
Image by: スターバックス コーヒー ジャパン
藤井陽介広報部チームマネージャーは同プロジェクトを「まだ未完成のプロジェクト」と位置付け、「将来的には自然とコーヒーを楽しむ『地球と話すサードプレイス』として、お客さまにも森を訪れてもらえるような体験づくりも進めたい」と説明。森林保全にとどまらず、地域との協働や資源循環、人材育成を組み合わせながら、コーヒーを入り口に環境との接点を広げる新たな取り組みとして発展させていく考えだ。また今後はプロジェクトの進捗を発信しながら、森林保全にとどまらず、地域との協働や資源循環、人材育成を組み合わせた新たなサステナビリティプロジェクトとしての展開を目指す。
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