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【連載】デザビレ紹介!洋服を再構築するLOWRUNDER (ローランダー)206号室

 ファッション関連で活躍する企業や若手クリエイターたちが入居する施設"台東デザイナーズビレッジ(=デザビレ)"。実はFashionsnap.comも入居しています。台東区の産業活性化、ひいては日本のファッション産業の成長など崇高な目的のために設けられたデザビレには、厳しい審査(なんと3回も審査がある!)をクリアし高い倍率をくぐり抜けた19組が入居しています。ここでは、施設内の新進クリエイターたちが一体どんな活動を行っているのかを連載でちらっとご紹介。第2回目はデザビレ206号室に入居する「LOWRUNDER (ローランダー)」です。

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 ヴィンテージリメイクを軸にレディスウェアやかばんをはじめとした小物等を展開している「LOWRUNDER」は、2008年にブランドをスタート。デザイナーは、京都市出身の櫟純也(いちいじゅんや)さんと茅ヶ崎市出身の斎藤菜奈(さいとうなな)さんです。生まれた場所や育った環境が異なる2人が出会ったのは、就職先のアパレル企業。「COMME CA DU MODE(コムサ・デ・モード)」などを手がけるFIVE FOXes(ファイブフォックス)で櫟さんは布帛のデザイナー、斎藤さんはニットデザイナーを務めていたそう。

 ブランドスタートのきっかけについて2人が語ってくれました。「企業でのデザイナー職をやっていて、時間が経つにつれてだんだん自分たちが作りたいものを作れていないと感じ、本当に作りたい服を作るために独立してブランドを立ち上げました」。

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 「LOWRUNDER」のコンセプトは"時代を再構築する服"。「最初は古着をリメイクすることからスタートしました」と話す櫟さんは、「自分たちが作っている服よりも縫製がしっかりしているものがあったり、自分たちが作らないものを見つけられたりするので、よく休日にはデザインソースを探す感覚で古着屋に行っていました。半分以上趣味です(笑)」と、もともと会社で勤めていた頃から古着屋を回るのが好きだったそう。

 一方「いつも古着屋に行くと、自分たちの仕事には何か足りないものがあるんじゃないかと古着から教えてもらっていた」と斉藤さんも古着には何かしらの"縁"を感じていたようです。

 「LOWRUNDER」というブランド名にも"古着"が隠されているとか。「もともと自分が鶏が好きで。鶏って低く走るので、おなかのあたりが少し汚れるじゃないですか。それが僕には古着のクタリ感と重なるものがあって」。こうして新しく創り出すのではなく、古いもののなかにある価値をどう見せるかということを追求していくブランドとして「LOWRUNDER」が誕生しました。

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 「LOWRUNDER」の要とも言える"古着"は主に骨董市や蚤の市、古着屋など、仕入れる先は国内外さまざま。自ら足を運んで生地感やプリントなどを確かめた上で、最も気に入ったものを手に入れるというスタイルを取っているそうです。「作りたいもが決まっていて買いに出かける事もあるのですが、帰ってその素材で作っているうちにだんだん違うものになったりします。それぞれの得意分野があるので、各々が自分たちの目で判断して『これだ!』と感じたアイテムを仕入れるようにしています」とお互いの感性で古着を選んでいるとか。

 「LOWRUNDER」の洋服はフォルムやデザインが同様のアイテムはあっても、使っている生地が全て異なる事から1点ものとなっています。デニムなど工場へと発注するアイテムもなかにはあるそうですが、1日2〜3着を自分たちの手で製作。手が込むものになると1着1日かけて製作することも。現在、小物の取り扱い店舗を含めると全国15箇所ほどで展開しており、お客の年齢層は20代から30代。

 「"古いものから誕生するもの"というコンセプトから、年齢が上の方からも好まれることもあります。最初はマニアックにも生地の素材感をとことん追求する事でブランドを打ち出していこうと思ったけど、いざ販売してみると今の時代にない生地感やプリントを見ている方が多い感じがします」と店頭での反応は、創り手の2人思いとは異なるようで、驚きを感じている様子。2011年の春夏コレクションは、ワンピースやショートパンツなどの他、春にはマストなロマンティックな白のシャツなども多数取り扱う予定だそうです。

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 もともと神奈川でものづくりをしていた2人がデザビレに入居したのは、材料の調達を目的に浅草橋をはじめとした台東区近辺にまで来ていたことに加え、「先輩達にもまだ新しいクリエイターの方々が沢山いて、交流できるのはとてもいい環境じゃないか」という思いから。

 「ここに入る前は服一本だったのが、先輩達と話しているうちに、かばんや靴下などの小物が生まれたんです。かばんを作ってみようと思った時、すぐ近くに金具屋があるなど、思いついたことをすぐに形にできる環境でもあるので、入居してみてとても良かったなと思っています」と、ものづくりの幅が広がったきっかけをデザビレから得たといいます。

 206号室の「LOWRUNDER」のオフィスには所狭しと並ぶ洋服のほか、小物がたくさん。手乗りサイズのぬいぐるみもまた、古着を再構築した人気アイテムのひとつです。ボタンで作られた目と温かみのある生地感はぬいぐるみからもしっかり伝わってきますね。来年はデザビレを卒業する予定の「LOWRUNDER」。「やっぱりこの周辺がいいかなと思っています。次のアトリエには、少しだけでもいいので販売スペースを置くことができたらな」と話す斉藤さんが印象的でした。

 なお「LOWRUNDER」は4月6日から23日までの期間限定で、新宿伊勢丹4階の国内外のアップカミングブランドをいち早く取り揃えるショップ「TAGLINE (タグライン)」で新作コレクションを展開します。

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