
Image by: FASHIONSNAP
ファッションとメイクの切っても切れない密接な関係。そんな結びつきの強さがわかるファッションショーのバックステージをレポート。今回は、東京で開催された「アキコアオキ(AKIKOAOKI)」2026年春夏コレクションの、メイクを手掛けた「M·A·C(メイクアップ アート コスメティックス)」シニアアーティストの池田ハリス留美子氏と、ヘアを担当した「トニーアンドガイ(TONI&GUY)」の雑賀英敏氏にインタビュー。今回のヘアメイクの特徴や、私たちが“真似”できるポイント、そして秋冬のトレンドについて聞きました。
ADVERTISING


メイク:M·A·C 池田ハリス留美子氏

■池田ハリス留美子
1998年にキャリアをスタートし、化粧品メーカーでの経験を経て2002年にM·A·Cに入社。表参道ヒルズ店で店長を務めた後、2007年に渡米しメイクアップアーティストKABUKIに師事。2009年からはNYのM·A·C PRO SHOW ROOMで活動。2014年に日本のM·A·Cシニアアーティストに就任。NY、パリ、ミラノなど世界のファッションシーンで活動し、個々の魅力を引き出すメイクを追求している。
⎯⎯ まず、今回のメイクのテーマを教えてください。
テーマは「スーパーナチュラルなマネキンスキン」です。ファッション、メイク、ヘアのいずれにおいても、今はとにかく“リアル”なものがトレンド。デザイナーの青木(明子)さんからも、“リアルさ”というリクエストがありました。ただリアルであるだけでなく、そこからどのように表現していくかが大切です。今回は、スーパーナチュラルとマネキンという言葉を組み合わせています。
⎯⎯ スーパーナチュラルなマネキンスキンとは、どういうものでしょうか?
マネキンのように、ただ血の気がない状態を指すものではありません。きちんと血色感を感じさせ、自然なツヤのある肌でありながら、隙のない整った肌であることがポイントです。


「スーパーナチュラルなマネキンスキン」の作り方
⎯⎯ベースメイクはどのように作られているのでしょうか?
赤みやくすみを抑えること、そして肌への密着度が重要です。いかに薄膜で、いかにリアルで、元々そうであったかのように見せるか。ノイズをきちんと抑えることで、その人本来の美しさを引き立たせることができます。
⎯⎯ 使用したアイテムを教えてください。
ノイズを消すだけでなく、肌本来のツヤ感とみずみずしさをプラスするために、「スキンフィニッシュ ライトストラック リキッド ハイライター」の「ライトスカペード」を使用しました。肌色や肌質を問わず自然となじみ、内側から湧き出るのような濡れたツヤをもたらしてくれます。うるおい感がありながらも、ヨレにくい点がポイントです。

右から:「スキンフィニッシュ ライトストラック リキッド ハイライター ライトスカペード」、「リップガラス ブロウ」、「パウダー キス リキッド リップカラー 953 バフィスト」、「リップガラス エアー フローズン」
⎯⎯ 塗り方のポイントはありますか?
ノールールなので、自由に取り入れてほしいですね。スキンケアとして仕込んでもいいですし、日やけ止めの前後でもいい。メイクの途中に差し込んでも、終わってからでも、化粧直しにも使えます。乾燥やくすみが気になるところはもちろん、ボディにも使用可能です。ヨレにくい肌への密着感を活かし、自由に使ってほしいです。

⎯⎯ とはいえ、自由にと言われると難しいところがあります。日常のメイクに取り入れる上で、コツがあれば教えてください。
ファンデーションの前に、目元の周りに広めに塗る「ゴーグルづけ」がおすすめです。骨格を強調したい部分であり、くすみも気になる部分なので、そこをしっかり整えておくと、頑張っている感のない、自然な立体感を出すことができます。
リアルな質感を生むリップメイク
⎯⎯ 目元や口元など、ポイントメイクも教えてください。
今回は唇にもこだわりました。唇を自然にプランプさせるため、まずリップベースとして「リップガラス ブロウ」と「リップガラス エアー」の「フローズン」を使いました。これらを使うと唇がふっくらと見え、縦ジワが目立ちにくくなるので、つるんとした立体感のある口元に仕上がります。

その上に「パウダー キス リキッド リップカラー」の「953 バフィスト」を重ねました。スフレのようにふわっとした質感で、指でくるくるとなじませると、表面がなめらかになり自然と肌に溶け込んでいきます。リアルさの中にも、少しアップデートされた今っぽい質感が表現できます。また今回はモデル一人ひとりが異なる個性を持っていたので、マットに仕上げたモデルと、さらにツヤを足したモデルを揃え、それぞれの魅力を引き立てることを意識しました。


⎯⎯ 最後に、今年の秋冬のメイクのトレンドを教えてください。
先ほどお話ししたマネキンスキンもそうですが、もう一つは「グレイシャル」なツヤ感。グレイシャルとは「氷河」を意味し、クールトーンの輝きを表現するものです。また、血色感についてもこれまでは春夏からインスパイアされたヘルシーなトーンが多かったですが、今は少し寒いところにいて頬が色づいたような“低温度な血色感”が新しいなと思います。
ヘア:TONI&GUY 雑賀英敏氏

■雑賀英敏
1996年に渡英し、TONI&GUYへ入社。その後インターナショナルアーティスティックチームの一員としてさまざまなブランドのコレクションショーに携わる。2010年に帰国し、現在はTONI&GUY JAPAN代表を務めながらショーやルック撮影に参加し、ヘアデザインを手掛ける。アジア諸国を中心にセミナーも行い、ロンドンとの懸け橋として活動中。
⎯⎯今回のヘアのテーマを教えてください。
今回のコレクションから、僕が受け取ったヘアのテーマは「上質なナチュラル」です。その人が持つナチュラルさをどこまで引き出せるか、ということでした。



⎯⎯ 「上質なナチュラル」とは、具体的にどのようなスタイルでしょうか?
作り込みすぎず、“寝起きでかきあげたぐらい”のイメージです。やりすぎてもダメだし、やらなすぎてもダメ。カールやクセ毛など本人の髪を活かしつつ、少し上品に見せる。それでいて、自然に髪が動くぐらいのテクスチャーを目指しました。

頑張りすぎない“上質なナチュラル”
⎯⎯ どのようにスタイリングを組み立てましたか?
ヘアスタイルを4つのグループに分けました。1つはクリーンでツヤのあるストレート。もう1つは少し動きがあるスタイル。次に、元々カールが強いクセのある髪質のグループ。最後はヘッドアクセサリーをつけるグループです。




⎯⎯ モデルによって、かなり異なる仕上がりに感じました。
はい。一人ひとりインディビジュアル(個性的)でありながら、グルーピングもするというのが、デビュー当時からの青木さんの傾向かなと感じています。

⎯⎯ 青木さんからリクエストはありましたか?
スタイルの提案は僕から行いますが、どのモデルにどのスタイルを、というのは青木さんが指定しています。 基本的なスタイルは事前に決定していて、当日の朝に「この子どうしようか迷っている」といった相談や、前髪の細かい角度の調整など、青木さんと一緒にディテールを詰めています。

⎯⎯ スタイリングに使用したアイテムを教えてください。
スタイルに関係なく、全員に使ったのは「レーベルエム(LABEL.M)」のワックススプレーです。スプレーを振ってコームをかけると、パヤパヤした浮き毛を抑えられ、少し上品なイメージにすることができます。他にもそれぞれの髪質に合わせて、オイルやクリーム、ワックスを使い分けています。

⎯⎯ 日常でナチュラルなスタイリングを再現するコツはありますか?
髪が乾ききってパサっとしているところに、少し水分やオイルを持たせてから自然乾燥させると、より良いナチュラル感が出ます。熱を使うと髪が広がってしまうので。また、全体を巻くのではなく、必要なところだけ部分的に巻くのもポイントです。
⎯⎯最後に、今年の秋冬のヘアのトレンドを教えてください。
どんなスタイルでも「頑張りすぎない」ということですね。決めすぎていないスタイリング。毎年「ナチュラル」という言葉は出てきますが、その中身は常に変化しています。僕もショーの現場で、洋服やモデルと触れ合いながら、最新のナチュラルを感じ取るようにしています。

(編集:上玉利茉佑)
最終更新日:
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【フォーカス】の過去記事
RELATED ARTICLE
関連記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング

Dior 2026 Spring Summer Haute Couture Collection

COMME des GARÇONS HOMME PLUS 2026 Autumn Winter

COMME des GARÇONS SHIRT 2026 Autumn Winter















