BEDWIN ディレクター 渡辺真史とエンポリオ アルマーニ Vol.1

時代が求める美しさとは

FASHIONPROMOTION

 ファッションにおける知見と美意識を備えたクリエイターが、自ら選んだ「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」のスタイルをまとい、新たな視座とムードを描き出す。(第1回/全3回)

 ストリートから、東京のカルチャーシーンの変化を見つめてきた、「ベドウィン アンド ザ ハートブレイカーズ(BEDWIN & THE HEARTBREAKERS)」のディレクター 渡辺真史。30年以上にわたって服づくりに携わってきた彼が考える、“ファッションのいま”とは。時代とともに変わるもの、そして変わらないものについて語る。

BEDWIN ディレクター 渡辺真史とエンポリオ アルマーニ

渡辺真史(Masafumi Watanabe)|BEDWIN & THE HEARTBREAKERS ディレクター。モデル活動やロンドン滞在を経て服作りの道へ進み、2004年にBEDWIN & THE HEARTBREAKERSを設立。2020年にはMIYASHITA PARKにセレクトショップ「DAYZ」をオープン。

── Vol.1のスタイリングテーマは「現代を捉える、洗練されたスタイル」。どんなところを意識しましたか?

 まず手に取ったのが、コーデュロイのジャケット。僕が考えるアルマーニらしさのあるアーシーカラーのベージュで、今の気分に合っていると感じました。すごく優しい色ですし、素材感もより際立つんですよね。そこに色味の近い太めのパンツを合わせて、少し濃いめのチョコレートっぽい靴でまとめるのは、わりと誰でも取り入れやすいんじゃないかな。

 この色は、僕が憧れていたアルマーニの80年代、90年代の広告の記憶とも重なっているんです。あの頃のスタイルを今の時代とクロスオーバーさせてみても、全然古くないなと感じる。それは、アルマーニがいかにタイムレスかという証拠。

 もうひとつ心がけたのが、やりすぎないこと。自分の中でファッションは、「いかに心地よい服を着られるか」というところが毎日のテーマになっていて。もちろん最低限のスタイルというのはあるけれど、自分がやっている仕事はデザインだから、カジュアルでも全く問題ない。清潔感があって自分に合う、シンプルなコーディネートが現実的かなと思っています。

BEDWIN ディレクター 渡辺真史とエンポリオ アルマーニ

── 30年以上にわたって東京のストリートを見つめてきたなかで、ファッションのいまをどう捉えていますか?

 今のファッションはすごく選択肢が多くて、トレンドの移り変わりも本当に早いですよね。

 いつの時代も、ストリートのユースカルチャーから新しいものが生み出されていて、僕はそうやって生まれたファッションが好きでした。でも、そこからどんどん離れていくうちに、気づくといつも似たような格好をするようになっていて。ただそれは、自分らしさの軸が見つかってきたともいえる。だから今は、選択肢が“たくさんありすぎる”とも思うんだけど、その中から何を自分の中に取り入れられるのか、ということを楽しんでいます。

 逆に今、若い子たちは大変でしょうね。いろんなものから選べる反面、何を選んでいいかわからない。いろんな情報が簡単に手に入るけれど、正解がすぐに変わってしまう。とりあえず買って、リセールで売って、また新しいものを買う。それをひたすら繰り返しているとしたら、そんな中で個性を出すのは難しいんじゃないかな。そもそも、個性を求めているのかどうかもわからないですけど。

 ただ、本当に多様化しているから、考え方によっては昔よりも自由な時代だといえるのかもしれませんね。世相を映し出すのがファッションだと思うんですけど、今は混沌としていて、それが面白いなと思っています。

BEDWIN ディレクター 渡辺真史とエンポリオ アルマーニ

── ブランドディレクターとして服づくりに向き合い続けるうえで、渡辺さんが大切にしている「美意識の軸」とは何でしょうか?

 トレンドは嫌いじゃないんですよ。トレンドを横目で見ながら、いかに自分らしい服、長く着られる服をチョイスできるか。それは着る服も、作る服も同じです。

 僕が服を好きになった頃は、今のように「ストリート」という言葉があったわけではありません。単純にサッカーをやっていたからスポーツブランドをいろいろ混ぜて着ていたし、スケーターのファッションを知ることで、自分が好きなものができあがっていきました。服が最初にあるわけじゃなく、このバンドが好き、この音楽が好き、そういったムードが服として入ってきた。

 つまり、カルチャーありきのファッションがすごく好きなんです。だから、コレクションというよりカルチャーを追いかけていて、そこにファッションが付随していく。その意識は一貫していますね。

BEDWIN ディレクター 渡辺真史とエンポリオ アルマーニ

── 現在のエンポリオ アルマーニには、クリエイターとしてどんな魅力を感じますか?

 僕は、メンズウェアの頂点はアルマーニだと思っていて。その中で、エンポリオ アルマーニに感じるのはアクティブであること。着ている人たちが動いているイメージがあります。僕自身のライフスタイルには、エンポリオ アルマーニが合うように感じています。

 ただ僕の中で、アルマーニはひとつしかないんです。ジョルジオ アルマーニであっても、エンポリオ アルマーニであっても、すべてにアルマーニというデザイナーの世界観が息づいている。イタリアの街で暮らし、アクティブに動き、夏はバカンスに出かける。地中海の風になびいて綺麗にシワが出る麻のシャツがあって、それに合わせるジャケットがある。そういう“憧れの世界観”を、アルマーニは描いてきました。

 表現は時代とともに変わっていく。でも、変わらない世界観がある。そこが、自分の中でもひとつ目指したいところだと思っています。服そのものだけでなく、その服の先にある世界まで想像させること。その力こそが、時代を超えて残っていくスタイルを生むのかもしれません。

ジャケット 10万2300円、Tシャツ 2万8600円、パンツ 10万100円、シューズ 14万800円、ベルト 参考商品/すべてエンポリオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン)、アイウェア、時計、リング(本人私物)

問い合わせ先
ジョルジオ アルマーニ ジャパン:03-6274-7070

photography: Yoshitake Hamanaka, styling: Masafumi Watanabe, Raimu Yamazaki, hair & make-up: Yukari Clarke, edit & text: Yusuke Takayama (QUI), production: Yusuke Soejima (QUI), Yuko Okano (QUI)|casting: Takashi Sasai, producer: Kazuhiro Oyokawa (FASHIONSNAP)

最終更新日:

連載|BEDWIN ディレクター 渡辺真史とエンポリオ アルマーニ

Vol.1 時代が求める美しさとは
Vol.2 自分らしくあることの心地よさとは
Vol.3 世界を拡張するファッションの可能性とは