アシックスといえば、ランニングシューズをはじめ、アスリートのパフォーマンスを最大限に引き出すためのプロダクトを思い浮かべる人が多いはず。長年「運動中」のシーンを追求してきた同社ですが、2026年春夏はアパレルで新たな領域に踏み出しました。運動中ではなく、「運動後」の時間をサポートする新カテゴリー「パフォーマンスライフ(PERFORMANCE LIFE)」がそれです。アシックスが考える運動後のウェアとはどういうものなのか、同カテゴリーを率いるマリ・ティベッツ(Mari Tibbetts)アシックス アパレル統括部プロダクトマネジメント部ゼネラルマネジャー(GM)に話を聞きました。
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アシックス アパレル統括部プロダクトマネジメント部ゼネラルマネジャー
マリ・ティベッツ

高校時代に米国にテニス留学。チャップマン大学でもテニスを続け、その後、カリフォルニアの美大アカデミー・オブ・アートに進み、ファッションデザインで修士号取得。アローヨガのヘッドデザイナーなどを経て、2015年にアシックスアメリカ入社。2022年にアシックス本体に転籍し、2024年1月から現職。ボストンに住み、日本の企画チームと働いている。
単なる“ライフスタイルウェア”ではない、機能性へのこだわり
「これまでのアシックスのアパレルは、トレーニング中や運動中のためのものづくりが中心でした。しかし、多くの人にとって、1日のうち運動している時間は1〜2時間ほど。残りの22時間という長い時間をサポートすることも、ブランドとして必要だと考えました」と、ティベッツGM。
運動後のためのウェアと聞くと、いわゆるライフスタイルウェアを想像しがち。でも、パフォーマンスライフの考え方はそれとは異なっています。「ライフスタイルウェアと言ってしまうと、動いていないシーンで着るもののような響きがありますが、運動後も活発に過ごす人は多いんです。電車で移動中に汗をかいたり、汗が冷えて寒くなったり、あるいはストレッチをしたりと、さまざまなシーンが考えられます。パフォーマンスライフは、そうした運動直後から始まる1日を、いかに心地よく過ごせるかに挑戦するカテゴリーです」。
軽い運動にも対応できる機能性は担保しつつ、重視しているのが「コンフォート(快適性)」という言葉。しかし、そのコンフォートもアシックスが手掛ける以上、「なんとなく着心地がいい」といった曖昧なレベルには止まりません。ランニング直後の汗に対応する機能、移動中の衣服内温度調整、リラックスタイムでの生地の肌触りなど、さまざまな場面でその時々に求められる快適性を追求しています。
あくまで軸足はパフォーマンスにあり、その延長線上にある1人1人の日常を支える。だからこそライフスタイルではなく、パフォーマンスライフというカテゴリー名を採用しました。

パフォーマンスライフの2026年春夏ヴィジュアル
Image by: ASICS
強みは日本独自の「汗冷え」という概念
パフォーマンスライフカテゴリーがコンフォートを定義する上で、非常に興味深い切り口の1つになっているのが、「汗冷え」という概念です。「実は汗冷えという言葉は日本独特で、海外では対応する言葉をあまり聞きません。これは、温泉やお風呂を愛する日本人の国民性とも、根っこの部分で繋がっているのかもしれません。ただ、その言葉がないといっても、汗によって体が冷えて調子が悪くなるという現象は世界共通で起こり得ます。日本発のブランドであるアシックスとして、日本人が昔から向き合ってきた汗冷えの軽減や衣服内温度調整を大切にして、世界に発信していきたいと考えています」。
海外では「寒ければ着る、暑ければ脱ぐ」というシンプルな考え方が主流。また、睡眠中の衣服内温度調整といった繊細な考え方も日本ほどは議論されていないといいます。「日本人が持つ、自身の体を細やかに気遣う習慣や知見は、グローバル市場で戦う上で大きな強みになります」とティベッツGMは話します。
このようなコンフォートに対する緻密なアプローチをプロダクトに落とし込むため、アシックスでは神戸にある自社の研究開発施設、スポーツ工学研究所(ISS)でデータ計測を何度も実施し、世界各国で市場調査も頻繁に行っています。科学的な知見に基づき、世界中の人々が感じる多様なコンフォートを追求し、形にしていくことが、他ブランドのアパレルにはないパフォーマンスライフの独自性です。







パフォーマンスライフの2026年春夏ヴィジュアル(※一部商品は日本国内での販売はありません)
Image by: ASICS
「リカバリー」という言葉に世界中が反応
日本では今、疲労回復のための機能性ウェアといった位置付けで、「リカバリーウェア」が注目を集めています。「パフォーマンスライフでは、運動を終えた後に次の運動に向けて体の準備を整えていくようなあり方を目指しています。衣服内温度調整、汗の処理など包括的な切り口で、将来的にはリカバリーウェアにも領域を広げていきたい」。
リカバリーウェアは、海外ではまだ日本のように広がっていないそうですが、「リカバリー用の食品やリカバリーのためのマッサージなど、リカバリーという概念や言葉自体への注目は高まっています。人の意識が健康やウェルビーイングに向かっているのは世界共通です。そうしたニーズをサポートする製品でありたいと思っています」。
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