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「想像していたよりもいいものが送られてきた」光本代表が語るCASH再開の裏側

取材に応じたバンク 光本勇介代表
取材に応じたバンク 光本勇介代表
Image by: FASHIONSNAP

 "目の前のアイテムが一瞬でキャッシュに変わる"という革新的なサービス内容で話題を呼んだ「キャッシュ(CASH)」が、56日ぶりに再開した。利用過多のためリリースからわずか16時間34分でキャッシュ機能を停止してから企業としての正式なコメントを一切出さなかったためか、ネット上では「途方に暮れているのでは」「逮捕された?」などさまざまな憶測が飛び交っていた。サービス再開にあたり、光本勇介代表にこの2カ月間を振り返ってもらいながら、サービスの手応え、噂の真相、そして今後の展望について聞いた。

 

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 6月28日に提供が開始された「キャッシュ」は、取り引きしたいアイテムの情報を入力し撮影するだけで瞬時にキャッシュ化できるサービス。キャッシュ化したアイテムは2カ月以内に発送する必要があるが、キャッシュ化した現金と15%の手数料を支払うことで取引をキャンセルすることもできる。少額融資のニーズに対応した新しいサービスは各方面から注目を集め、キャッシュ機能を停止する16時間34分の間でキャッシュ化された回数は7万2,000回以上、その総額は3億6,600万円を超えた。

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 キャッシュ機能を止めた理由は2つ。1つ目は運用資金面の課題だ。もともとリリース前に想定していたキャッシュ化の総額は1〜2カ月で1億円だったが、実際にはリリース初日だけで3億円を超える膨大な数字を計上。この日の分の金額は支払うことができたが、継続していくのは難しいと判断したという。2つ目は、大量に届くアイテムの整理。光本代表は「自分たちのオフィスに荷物が届くとわかっていたが、予想を遥かに超える量だった。物流倉庫を借りていなかったので、仮にお金がどうにかなっても、5〜6人の規模の会社なので到底捌けない」と、これ以上サービスに大きな影響が出ないように、早いタイミングでキャッシュ機能を止めたと説明。届いたアイテムは最終的に1万個を超えたという。この大きな反響から多くの学びを得たとともに、「事業として相当のポテンシャルがあり、収益化していける見込みがある」と確信。この2カ月間は人員を増加し、物流倉庫を構えるなど再開するための体制づくりに奮闘した。

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 再開にあたり特設ページを開設し、利用状況をすべて公開。「アイテムが発送されない」「キャッシュが返金されない」といったリスクが懸念され、光本代表も"性善説に基づくビジネス"と例えていたが、結果的には91%の人が正しく取り引きしている。また、「キャッシュを返す」を選んだ人はわずか2%で、ほとんどの利用者が「アイテムを送る」を選択。届いたアイテムの中には「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「グッチ(Gucci)」「プラダ(PRADA)」といったハイブランドもあり、模倣品の割合は極めて低かった。むしろ、総合的な感想としては「想像していたよりもいいものが送られてきた」という。

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 安定的に運用していくために、アップデート版では1日にキャッシュ化できる金額に上限を設定。まずは月間3億円(1日1,000万円)という枠を用意する。また、返金する際にかかる15%の手数料について一部で問題視されていたが、「キャッシュを返す」を選んだ人が2%のみだったことを踏まえ、アクティビティ画面でその導線を消すことで「アイテムを送る」人にとって使いやすい画面に変更。取引のキャンセルも無料にするという。この他、ユーザーに対する評価制度の導入や取引期間の変更などが行われた。今後はアパレルとガジェットに限らずカテゴリを広げ、「家電、家具、外貨、お酒、目に見えるものがすべてお金に変えていける機会を作りたい」という。

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 光本代表は再開のめどが立つまで発言を控えるようにしていたため、「途方に暮れているのではと思われていて、逮捕されてるなんて報道もあった」と振り返り、それらを笑いながら否定する。一部で噂された顧問弁護士事務所との関係についても「リリース前と変わらず、引き続き顧問契約している」といい、「今も法的には問題ないという理解でいる」と改めて主張。システム面や物流面、運用資金面の体制を整え再スタートを切るにあたり、光本代表は「ライフスタイルを変えたり、新しいカルチャーや経済を生んだり、世の中の変化を自分たちの手で作れるのは最高にエキサイティングなこと。キャッシュをフックに少額融資の市場を独占できるような企業になれたら」と邁進していく考えだ。なお、リリースを予定していた給料の前借りサービス「ペイデイ(pay day.)」は保留し、しばらくはキャッシュに注力していくという。

■公式サイト:バンクキャッシュ
>>CASH再開 特設ページ

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