
Image by: DIOR、Jean-Baptiste Mondino for Christian Dior Parfums.

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2025年末、多くのファンが待ち望んだスーパースター ジョニー・デップ(Johnny Depp)の来日が8年ぶりに実現した。「シザーハンズ」「ギルバート・グレイプ」「パイレーツ・オブ・カリビアン」「チャーリーとチョコレート工場」など、多くの代表作を持つジョニーは、10年以上、「ディオール(DIOR)」のメンズフレグランス「ソヴァージュ」のアイコンとして、その力強さと気高さを体現し続けている。来日を機に、これまで語られてこなかった「ソヴァージュ」の魅力や、30年ぶりにメガホンを取った監督作品「モディリアーニ!」の制作秘話、そして彼の目に映る「変わらない日本と変わった日本」について、エクスクルーシブインタビュー。
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◾️ジョニー・デップ:俳優・ミュージシャン。1963年米国生まれ。ニコラス・ケイジの勧めで俳優デビュー後、「シザーハンズ」で注目され、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズで世界的なスターとなる。ティム・バートン監督とのタッグで多くのヒット作を生み出し、またロックバンド「ハリウッド・ヴァンパイアーズ」でも活躍。1997年のウエスタン映画「ブレイブ」以来の監督作品であるイタリアの芸術家モディリアーニを描いた伝記映画「モディリアーニ!」(配給:ロングライド、ノッカ)が日本で公開中。
Image by: Jean-Baptiste Mondino for Christian Dior Parfums.
目次
常に寄り添ってくれるソヴァージュ
⎯⎯ 2015年から10年、ソヴァージュの“フェイス”を務めています。この香りはジョニー・デップさんにとってどのような意味を持ちますか?
10年というのは、改めて考えると本当にすごいことですね。ソヴァージュは私にとって、単なる「香水」という以上の存在になりました。私の人生において、常に寄り添ってくれる存在です。それは、自由、本物であること、そしてたとえ世間が別の姿を求めても、自分自身に忠実でい続けることの象徴です。
⎯⎯ ソヴァージュにはどんな魅力がありますか?
初めてディオールと仕事をしたとき、私がソヴァージュに惹かれたのは、その世界観が持つ自然の雄大さでした。洗練されようとか、型にはまろうとしない。まさに、ありのままの自然な精神を感じました。この数年間、私自身の人生を歩む中で、その本質はますます意味深いものとなっています。それは、本能に従い、自分らしくあることをためらわず、人生の荒削りで未完成な部分にこそ美しさを見出すことです。

「ソヴァージュ オードゥ トワレ」(30mL 1万890円〜)
Image by: DIOR
「ソヴァージュ」は、大自然から着想を得た、フレッシュでいて、エレガントなフレグランス。溌剌としたシトラスに、アンブロクサン、エレミ、ウッドなどのアンバリーな香りが力強く融合する。フレッシュでありながら記憶に残る香りは、自信に満ち、誠実さを象徴する唯一無二のシグネチャー。自分自身に正直な男性のための大胆なコンポジションを提案する。
ソヴァージュが似合うのはジャック・スパロウ
⎯⎯ これまで演じてきた数多くの印象的なキャラクターの中で、どの役がソヴァージュの香りに最もふさわしいと思いますか?
面白い質問ですね…。映画「パイレーツ・オブ・カリビアン(Pirates of the Caribbean)」のキャプテン ジャック・スパロウは、彼独特のやり方で、まさにソヴァージュの精神を体現しています。ジャックは完全に奔放で、誰の期待にも従わず、文字通り自分の羅針盤に従って行動します。彼は野性的で自由奔放、予測不能でありながら、その自信満々な態度の奥には、深みと複雑さが潜んでいるのです。
⎯⎯ ソヴァージュをまとう時、どんな情景が頭に浮かびますか?
夜明け前の静寂に包まれた早朝、世界がまだ静かで、手つかずの自然が残る、その瞬間に連れて行かれるような気持ちになります。土や森の香り、一日が始まる前の澄み切った空気。夜明けの砂漠、あるいはまだ誰も足を踏み入れていないビーチかもしれません。
それから、アメリカ南西部を夜中にドライブする時の、果てしなく続く道、広大な空、無限の可能性を感じさせる、そういう感覚も思い浮かびます。あるいは、ギターを抱えてステージに立ち、音楽と瞬間が電気的につながるその時も。これらは特定の情景というよりも、感覚に近いですね。自由、孤独、自然、そして物事が手なずけられたり、人の手が加えられる前の、ありのままの美しさです。

Image by: Jean-Baptiste Mondino for Christian Dior Parfums.
⎯⎯ ソヴァージュをまといたいと思うのは、どんな時でしょうか?
正直なところ、特別な日のためにとっておくようなことはしません。それでは、ソヴァージュの持つ精神に反してしまいますから。あの自由な感覚とつながりたいと感じる時にいつでもつけます。それはどんな日でも構いません。
⎯⎯ 「絶対にまとう」瞬間は?
ステージに上がる前は、間違いなくつけます。この香りは私を落ち着かせ、直感を信じるよう思い出させてくれるのです。絵を描いている時やスタジオで何かを創作している時も必ずです。
大切なのは、その場が豪華かどうかではありません。今ここに存在すること、ありのままの自分であること、その瞬間に生き生きとしていることが大事なのです。
アル・パチーノの提案を断れるわけがない
©︎Modi Productions Limited 2024
映画「モディリアーニ!」:1916年、パリを舞台に芸術家モディリアーニの人生を変えた激動の3日間。警察から逃げながら、キャリアを終わらせてパリを去りたいと思うモディリアーニ。画家仲間のモーリス・ユトリロ、シャイム・スーティン、モディのミューズであるベアトリス・ヘイスティングスが彼を引き止める。モディは、友人であり画商のレオポルド・ズボロフスキに助言を求めるが、彼の心は混乱するばかり。やがて彼の人生を変えるアメリカのコレクター モーリス・ガニャと出会う。 TOHOシネマズ シャンテなどで公開中(配給:ロングライド、ノッカ)
⎯⎯ では約30年ぶりに監督として制作した最新作「モディリアーニ!」についてお聞きしたいと思います。今回、なぜモディリアーニの生涯を描くことを選ばれたのですか?
実を言うと、このプロジェクトは私が選んだというよりも、私を選んだ、という方が正しいかもしれません。アル・パチーノ(Al Pacino)が初めて私に「モディリアーニ」という舞台を紹介してくれたのは、1997年に「フェイク」を撮影していた頃でした。当時は私が演じる予定だったのですが、プロジェクトは立ち消えになってしまい…。それから20年後、アルが再び現れて「ジョニー、君がこれを監督すべきだ」と言ったのです。アルの提案を断るわけがありませんよね。
しかしそれ以上に、モディリアーニは私の心に深く響く何かがありました。彼が生き抜いた時代には、新たな可能性がまだ存在し、芸術家が慣習に挑戦でき、ルールが書き換えられつつあった。彼は自らの鼓動に導かれ、生まれつきの同調嫌悪に駆られて歩んだ。その精神、世界から拒絶されても自らのヴィジョンに妥協しなかったその姿勢…彼が象徴するすべてが私に語りかけてきたのです。
監督業に復帰するにはふさわしい物語が必要で、これがまさにそれだと、必然だと感じたのです。

アル・パチーノ ©︎Modi Productions Limited 2024
⎯⎯ この激動の72時間の物語の、どの点が特にあなたを惹きつけ、再び監督業に復帰するきっかけとなったのでしょうか?
私たちは意図的に伝統的な伝記映画を作らないことを選び、モディリアーニの生涯からわずか72時間という、混沌と可能性が凝縮された瞬間を描いています。このアプローチが、私を強く惹きつけました。
このわずか3日間で、美と醜、芸術と絶望、愛と拒絶、そして闇の中のユーモアといった、人間のあらゆる側面が劇的に露呈します。その強烈なドラマは、まるで一つの演劇のようです。モディリアーニは警察から逃れ、恋人ベアトリスと激しく口論し、友人スーティンやユトリロと共に創作に没頭し、自身の内なる悪と対峙し、そして運命を左右するかもしれない収集家と向き合います。
私は、才能と気まぐれな性分に翻弄され、創造か破壊かの瀬戸際に立つ人間の感情を捉えたかったのです。その親密さ、即時性、そして汚れと美しさがすべて混ざり合ったもの。それが私を監督へと駆り立てたのです。

©︎Modi Productions Limited 2024

©︎Modi Productions Limited 2024
⎯⎯ モディリアーニは才能に恵まれながらも不運な芸術家で、「破壊か再生か」の岐路に立ちながら、酒と混沌とした人生を送っていました。芸術家の苦悩、情熱、そして内面的な葛藤のどの側面に最も深く共感しましたか?
特に印象的だったのは、モディリアーニが自身の才能に翻弄されていたことです。彼にとって創造は、生き残るための唯一の手段であり、キャリア選択ではありませんでした。その強迫的なまでに切迫した必要性は、私自身も理解できます。演技、音楽、絵画、いかなる形であれ、創造なくしては私の脳は爆発してしまうでしょう。これはロマンティックな物語ではなく、まさに生存そのものの問題なのです。
破壊と再生⎯⎯ 。それは、芸術家にとって抗いがたい現実です。誰もが、世界から無価値と断じられ、既存の権威に拒絶され、己の全てを深く疑う瞬間に直面します。私は、未だ他者に理解されないヴィジョンを抱く孤立感、時代を先取る故の孤独に深く共感します。そして、生き残るために認知を渇望しながらも、それを得るために自身の芸術を変えることを拒む間の、その葛藤にも。
伝えたいのは、「生きた現実」であるアーティストの世界
⎯⎯ モディリアーニの生涯を通じて、観客に最も伝えたかったメッセージやテーマは何でしょうか?
観客にはアーティストの世界を、神話や悲劇でなく「生きた現実」として内側から体験してほしいですね。混沌の中にも、つながりや友情、廃墟に輝く超越的な美の瞬間があることを感じてほしい。本質的なメッセージは、世間に認められなくとも自らのヴィジョンに忠実であることです。モディリアーニは絵画を安値で売っても、全てである彫刻だけは高額を提示されても手放さなかった。それは商業より芸術を、生存より意味を選んだ勇気なのです。
同時に、当時のパリに息づく自由奔放な精神にも敬意を表したい。貧困や拒絶に耐えつつ互いを支え、今を生きながら未来を創造したモディリアーニ、スーティン、ユトリロら芸術家たち。困難の中も芸術に献身し続けたその共同体には、深い意義があったのです。
観客には、芸術家の価値が現代の評価で決まるものではないと気づいてほしいと願っています。モディリアーニは35歳で貧困のうちに生涯を閉じましたが、そのヴィジョンは今も生き続けています。これは悲劇ではなく、自身に忠実であり続けることの力の証なのです。

©︎Modi Productions Limited 2024
日本よりも私の方が変わった、物事を違った視点で見つめている
⎯⎯ 今回の日本滞在で最も印象に残ったことは?
ファンの皆さんからの圧倒的な愛に深く感動しました。私の個展「A Bunch of Stuff」から東京コミコンまで、8年ぶりの来日でしたが、あの絆が今もこんなに強いと感じられたことが、とても力になりました。しかし正直なところ、最も印象に残ったのは、この地における芸術家への敬意でした。日本は芸術が単なる娯楽ではなく、人間の存在にとって不可欠なものであることを理解しています。それは珍しいことです。職人技、創造、芸術的なプロセスへの畏敬の念が、文化に根付いているのです。
⎯⎯ 8年半ぶりに日本を訪れて、変化を感じた点と、変わらないと感じた点はありますか?
変わらなかったこと、そしてこれが最も重要なことですが、それは日本の人々の温かさと誠実さです。ファンの皆様からの愛は、これまでと変わらず揺るぎないものです。8年は長い年月であり、その間私の人生には多くのことが起こりましたが、ここに着いた時、まるで故郷に帰ってきたような感覚でした。東京はいつも私の心の中で特別な場所であり続けています。

Image by: Jean-Baptiste Mondino for Christian Dior Parfums.
変わったことと言えば、おそらく日本よりも私の方が変わったのでしょう。今は物事を違った視点で見つめています。こうした瞬間をより深く感謝しています。ここで自分の個展を開く機会を得たこと、モディリアーニを初披露できたこと、コミコンでファンと交流できたこと。どれも当然のこととは思っていません。そして正直なところ、またすぐに戻ってきたいです。ここに私の心の一部を残してきたのだから。
最終更新日:
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