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若手デザイナーは国際コンペにどう取り組む?見せ方と伝え方を丸山敬太とマスイユウが指南

 若手のデザイナーがキャリアを築いていくために、ファッションコンテストは重要な登竜門となります。今年で6回目を迎えるH&M主催の「H&Mデザインアワード」は、世界約40の名門校に在籍する将来有望なデザイナーを対象に開催される、注目度が高いコンテスト。これを日本人学生にもっと知ってもらい挑戦してもらうため、H&Mジャパンがローカルイベントを企画しました。大先輩であるデザイナーの丸山敬太氏と、世界的なコンペの推薦人も務めているファッションライターのマスイユウ氏を招いた会に国内で応募資格を与えられた文化服装学院とバンタンデザイン研究所、文化ファッション大学院大学(BFGU)の3校から才能ある学生8名が参加。「グローバルの舞台への挑戦」をテーマにトークが繰り広げられました。

参加者
・丸山 敬太(「ケイタ・マルヤマ」デザイナー)
・マスイユウ(ファッションライター)

・新井 伸子(BFGU)
・内村 円悠(文化服装学院)
・ケイツボミ(BFGU)
・スウェンソン・パブロ・アンドレス(文化服装学院)
・相馬 慎平(バンタンデザイン研究所)
・仲宗根 光(文化服装学院)
・星 拓真(バンタンデザイン研究所)
・若生 隆人(文化服装学院)


■ファッションコンテストは意味がある?

丸山:今日はみなさんよろしくお願いします。早速ですが、テーマの「グローバルの舞台への挑戦」について話していきましょう。そもそも僕らの時代って、世界規模のファッションコンテストが少なかったんですよね。だから正直、こういったコンテストに参加出来るなんて羨ましい。まず聞きたいのだけど、この中で「グローバルで活躍したい」と思っている人はどのくらいいますか?



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(8人中4人が挙手)

丸山:ちょうど半分ですね。手を上げなかったケイツボミさん、新井さん、星さんは、どういった考えですか?

ケイツボミ:海外で活躍するデザイナーになりたいとは思っているんですが、まだ少し自分に自信がなくて。

新井:私はそもそもデザイナーというより、服を作る作業が面白くて好きなんです。なのでデザイナーという形に拘らず、服を作ることに携わっていたいと考えています。今はオーダーメイドや一点物、衣装を制作することに興味がありますね。

星:僕は日本が好きなので、まず日本で頑張ろうと思っています。

マスイ:星さんは「ゾクゾクビ」のデザイナーだね。コレクションを見たのを覚えてますよ。確かパルコとバンタンの「アジアファッションコレクション」のウィナーだったけど、そういうプロジェクトに参加するということは、日本だけを見ているわけではないですね。

星:そうですね。日本から世界に発信することに興味はあります。

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丸山:皆が海外から発信すればいいという訳じゃないからね。僕はこれまで、装苑賞とか様々なコンテストの審査員をしてきけど、コンペに挑戦する意義は2つあると思っているんです。作品を見せる機会が与えられることで、自分が作ったものを客観的に見ることと、他のデザイナーを目指している人たちがどういう風に作品を作っているか、を見て感じ取ることが出来るのが最大のメリットだと思う。ただ作るだけじゃなくて、誰に向けてどういう風に見てもらいたいか、ということが大事。最終的には自分の作ったものに対価を払ってもらうわけだから。

 なので新井さんが言った「一人のために作りたい」というのも一つのビジネスモデル。アプローチが違うだけで、デザイナーとしての根底にあるものは変わらないと思う。それを若い今のうちに、コンテストなどに参加してトライアンドエラーを繰り返して、荒波に揉まれて、探っていく。結果に対しては客観的に受け止めて、次に繋げることに意味があるから。チャンスをものに出来るか出来ないかは、運やタイミングも影響してくるけど、それも含めて才能のうちで、いずれにしろ挑戦しないことには何も始まらない。もし僕が君たちと同世代だったらガツガツやってると思いますね。


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マスイ:コンテストは優勝することが全てじゃない。だからと言って、ただ参加するだけじゃ意味が無いから、そのチャンスを活かしてほしい。最低限、セミファイナルでショートリストに残ることは目指してほしいですね。特にインターナショナルなコンテストのリストに残ることでの発信力露出量は断然違うから。最終的にはみんな、ビジネスとしてそれで食べていかなきゃいけないので「私はここにいます」ということを発信しないと始まらない。自分の存在をどんどんアピールするべきですね。

丸山:この「H&Mデザインアワード」の審査員の皆さんは、本来はコレクションに呼んでフロントローに座ってもらうのにとても苦労する一流の人たち。そんなメンバーにショーを見てもらえるというのは、なかなか無いでしょうね。僕らプロでも羨ましいと思うから。



マスイ:審査員は、結構作品を覚えているものですよね。視覚は記憶に残るから、その時に賞が取れなかったとしても、インパクトが残っていれば後に別の機会に恵まれることもあると思う。

丸山:「H&Mデザインアワード」は、今の君達のステージで1番影響力があるコンテストじゃないかな。学校を卒業するタイミングで挑戦できる、最も可能性のある機会になると思う。

■ どんなポートフォリオを作るべきか

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丸山:審査員などでポートフォリオに目を通すときに1番思うのは「これを作りたい」という気持ちがストレートに伝わって来るかどうか。コンセプトをヒネり過ぎて、何がやりたいのかわからないものも中にはある。やりたいことが明瞭簡潔に伝わってきて、完成イメージが浮かんでくるようなポートフォリオは自然と目が止まりますね。

マスイ:見やすさはもちろん、インパクトも重要ですよね。なにかしらキャッチーなもの。だけど作り込み過ぎず、バランスが大事だと思います。

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内村:国内のコンテストは、色や形など世界的なトレンドをそこまで意識しているわけではないような気がするのですが、海外のコンテストだとそういった細かいところまで見られるのでしょうか。

丸山:今の気分や、時代のムードは圧倒的に重要だと思うけど、シーズンや流行りの色とかはあまり関係ないと思う。

マスイ:同感です。クリエーションの高さは大事だけど「時代に合っているかどうか」というのもポイントですよね。

相馬:ポートフォリオについては、海外のコンテストには英訳して提出すると思うのですが、自分が伝えたいニュアンスがちゃんと伝えられるかが不安です。

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丸山:それはまず、何を伝えたいかだよね。その国の言葉に訳せないこともあるから、僕が海外に向けて発信する時には、日本語の響きを伝えたいと思うものは日本語のまま。漢字の面白さとかカタカナとかの面白さとか、自分たちの持っている言語の面白さをひっくるめて伝えたいのなら、そのままでいくやり方もあると思いますよ。

次のページは>>語学、SNS発信、ショーの組み立て方...デザイナーとしての存在感をどう示す?

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