ISSEY MIYAKE 宮前義之デビューコレクションの舞台裏
Image by: FASHIONSNAP.COM

Fashion ストーリー

「イッセイミヤケ」デザイナー宮前義之によるデビューコレクションの舞台裏5日間に密着

ISSEY MIYAKE 宮前義之デビューコレクションの舞台裏
ISSEY MIYAKE 宮前義之デビューコレクションの舞台裏
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 「ISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ)」4代目デザイナーとして、宮前義之が就任。2011年10月開催のパリ・ファッションウィークで2012年春夏コレクションを発表し、デビューを飾りました。FASHIONSNAP.COMでは、発表の4日前からショーの当日まで5日間にわたり舞台裏に密着。宮前デザイナーをはじめ、デザインチーム、演出家、モデル、ヘアメイクなど、関わるスタッフそれぞれの仕事と想いを取材し、リアルタイムでレポートしたファーストコレクションの一部始終をお届けします。

 
目次
ページ1:コレクション4日前
ページ2:コレクション3日前
ページ3:コレクション2日前
ページ4:コレクション前日
ページ5:コレクション当日

■コレクション4日前

今日から密着レポートがはじまります!

isseymiyake-live_001-thumb-640x427-62793.jpg 現在、パリ時間で午前5時。まだまだ薄暗いパリの空ですが、新生「ISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ)」パリコレ密着レポートが始まりました! 今日から5日間にわたって、現地からリアルタイムで情報をお届けします。

 まずは、真っ先にマレ地区へ。歴史的な建造物と最先端のトレンドが溶け合う、パリ市内でも個性的な注目エリアです。ここに、「イッセイ ミヤケ」のパリオフィスがあるそう。

isseymiyake-live2_001.jpg パリで最も古い(なんと完成は1612年!)という「ヴォージュ広場」を囲むように建つ石造りの建造物。この一角に表札を発見しました。

isseymiyake-live_002.jpg その昔、ここには王宮があったのだそうです。重厚な門構えですね。

イッセイ ミヤケってどんなブランド?

 ここで簡単に「イッセイ ミヤケ」についておさらいをしておきましょう。

 デザイナー三宅一生によって1971年ニューヨークで初のコレクションを発表。2年後の1973年にはパリコレクションに初参加。衣服を「一枚の布」と捉えた独自のコンセプトを展開し、世界で多くの共感を得ました。1993年より発表されている「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE(プリーツプリーズ イッセイ ミヤケ)」は、三宅一生を象徴するブランドのひとつです。

 身体と衣服のあり方を見つめながら、研究・実験・開発を重ね、新しいものづくりに挑戦する。そんな三宅一生の衣服の本質と機能を問う画期的な概念と服作りの精神は、2000年春夏コレクションから滝沢直己へ、さらに2007年秋冬コレクションからは藤原大とそのチームに受け継がれていきます。ここで、テクノロジーとデザインが共存するA-POC INSIDEという考え方(デザイン・ソリューション)を用いた新たな服作りが始まりました。

 2010年には藤原大が退任。その右腕として活躍してきた宮前義之にバトンが渡されました。メイド・イン・ジャパンならではの技術と思いを込めた服作りを発信するべく、パリコレデビューとなる2011年10月2日発表の2012年春夏コレクションに挑みます。

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宮前義之

 ちなみに、創業デザイナーの三宅一生さんがニューヨークで初のコレクションを発表したのは34歳の時。新デザイナー宮前義之さんの現年齢35歳より1つ若かったんですね。

イッセイ ミヤケ新デザイナーの素顔

isseymiyake-live11_q1-thumb-630xauto-62980 (1).jpg 新デザイナー宮前義之さんてどんな人? 10個の質問をしてみました。

1.出身地は? 1976年 東京都生まれ
2.出身校は? 文化服装学院アパレルデザイン科※
3.趣味は? 料理、旅、舞台観賞
4.自身の性格分析 マイペース
5.好きな食べものは? なんでも。嫌いなものはありません
6.コーヒー派? 紅茶派
7.尊敬する人は? 三宅一生
8.休日の過ごし方は? 愛娘と遊ぶこと
9.好きな街は? ニューヨーク
10.よく聞く音楽は? クラシック、テクノ、ジャズなど、なんでも聞きます

※1998年に文化服装学院を卒業した宮前さん。同じ学年に「SOMARTA(ソマルタ)」の廣川玉枝、「Commuun(コミューン)」の古館都、「matohu(まとふ)」の堀畑裕之、「GUT'S DYNAMITE CABARETS(ガッツダイナマイトキャバレーズ)」のキャバレーアキなどの名が連ねているそうです。

【パリ=9月28日7:45】快晴のパリ

isseymiyake-live3_001-thumb-640x427-62825.jpg パリの日の出は7時45分と日本よりもちょっと遅め。今日も快晴です。27日にパリで開幕したファッションウィークは、ミラノコレクションの公式スケジュールが終了した2日後からが本格スタート。日中の気温は25度以上あるので、次の春夏ファッションを今すぐ試したくなるような陽気です。

 それではいよいよ、「イッセイ ミヤケ」のパリオフィスに潜入します。

【パリ=9月28日9:00】ヴォージュ広場を望むパリオフィスへ

isseymiyake-live4_001-thumb-630xauto-62828.jpg パリ4区にある「イッセイ ミヤケ」のパリオフィス「ISSEY MIYAKE EUROPE S.A.」へ。

isseymiyake-live4_002.jpg ヴォージュ広場を正方形に囲む石造りのアーケードの南西角。

isseymiyake-live4_003_1.jpg この建物の奥がオフィスとなっています。

isseymiyake-live4_005.jpg おや、バイオリン弾きがやってきて、繊細な音色を奏ではじめました。

isseymiyake-live4_004.jpg 鉄製の重厚な門を解放。

isseymiyake-live4_006.jpg エントランスを抜けると中庭のような空間があり、アイボリーとレンガの壁の中がオフィス空間になっています。この絶好のロケーションと歴史的情緒は、古い建造物が残るパリならではですね。

isseymiyake-live4_007_1.jpg 「イッセイ ミヤケ」は、ヨーロッパにロンドンとパリの2つの拠点を構えていて、パリコレクションの時には、この「ISSEY MIYAKE EUROPE S.A.」で準備が行われます。

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【パリ=28日9:30】オフィス内へ潜入

isseymiyake-live5_001-thumb-640x960-62843.jpg 「イッセイ ミヤケ」パリオフィスに潜入。

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 アイボリーカラーが基調のシンプルな空間。ガラスから日の光が差し込みます。

isseymiyake-live5_006.jpgisseymiyake-live5_007.jpg 1Fフロアには、コレクションピースがずらり。アクセサリーや備品もテーブルいっぱいに並べられ、まるで花畑のようです。

isseymiyake-live5_008.jpgisseymiyake-live5_009.jpg 壁にはキャスティング中のモデルの写真。

isseymiyake-live5_010.jpg フィッティングスペース。

isseymiyake-live5_011.jpg デスクは2Fにあります。

isseymiyake-live5_012.jpgisseymiyake-live5_013.jpg 続々とコレクションスタッフが集まってきました。左は新デザイナーの宮前義之さん。

isseymiyake-live5_014.jpg まずは全体ミーティング。コレクション5日前の28日のスケジュールは、モデルのスタイリングなど。

【番外編】ISSEY MIYAKE パリオフィスツアー:1Fフロア編

isseymiyake-live14_014-thumb-630xauto-63044.jpg パリの拠点「ISSEY MIYAKE EUROPE S.A.」オフィス内を探索してみます。

isseymiyake-live14_003.jpg まずは1Fから。

isseymiyake-live14_004.jpg アイボリーで統一されたクリーンな空間。

isseymiyake-live14_005.jpgisseymiyake-live14_006.jpgisseymiyake-live14_007.jpgisseymiyake-live14_009.jpg 2Fからの眺め。

isseymiyake-live14_010.jpg iPad2が接続されたステレオにからアンビエントミュージックが流れています。

isseymiyake-live14_011.jpgisseymiyake-live14_012.jpg 普段はショールームとして使用されている1Fホール。コレクション前の今の時期は、サンプルがずらりと並べられています。

isseymiyake-live14_013.jpg 次は、デスクやミーティングルームがある2Fをのぞいてみます。

【番外編】ISSEY MIYAKE パリオフィスツアー:2~3F

isseymiyake-live29_001-thumb-630xauto-63337.jpg パリの拠点「ISSEY MIYAKE EUROPE S.A.」オフィス内を探索してみます。玄関を入ってすぐの螺旋階段を上がって2Fへ。2階はプレス、ビジネス部門と3階はアカウンティングのフロアになっています。

 2F (プレスチーム)。

isseymiyake-live29_002.jpgisseymiyake-live29_003.jpg その奥へ進むとミーティングスペースへ。

isseymiyake-live29_004.jpg 「ISSEY MIYAKE」とエビアンのコラボボトルが飾られています。

isseymiyake-live29_005.jpgisseymiyake-live29_006.jpg 2Fからテラスへ出ることができます。横に灰皿を発見。喫煙エリアですね。

isseymiyake-live29_007.jpgisseymiyake-live29_008.jpgisseymiyake-live29_009.jpg テラスに出る入り口付近にキッチンもあります。

isseymiyake-live29_010.jpgisseymiyake-live29_011.jpg エスプレッソマシン。

isseymiyake-live29_013.jpg 2Fではビジネスチームも仕事をしていますよ。

isseymiyake-live29_014.jpg そして奥の螺旋階段で3階へいきましょう。

isseymiyake-live29_019.jpgisseymiyake-live29_015.jpg 3F(アカウンティングフロア)

isseymiyake-live29_016.jpg おやつ?

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【パリ=9月28日12:00】デザイナーの仕事:モデルスタイリング①

isseymiyake-live6_001-thumb-640x427-62866.jpg モデルがオフィスに集まってきました。いよいよ本格的なモデルスタイリングが始まります。

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isseymiyake-live6_002.jpg 主な作業は、ファッションショーに出演するモデルと着用する服やアクセサリーをマッチングさせること。

isseymiyake-live6_012.jpg 「今のところ順調です」と宮前デザイナー。

isseymiyake-live6_010.jpg キャスティングについて「もう頭の中で構成は出来ているので、それをもっと絞って、より濃くしていく作業です」と宮前デザイナーは言います。

isseymiyake-live6_005.jpgisseymiyake-live6_006.jpg モデル一人ひとりのスタイリングに対して、フィッターらに指示を出して決めていきます。

isseymiyake-live6_013.jpgisseymiyake-live6_020.jpg 的確に、そして丁寧に。

isseymiyake-live6_004.jpgisseymiyake-live6_015.jpg

【パリ=9月28日15:00】ヘッドピース担当はクリストフ・コパン

isseymiyake-live8_001-thumb-640x960-62902.jpg 荷物が到着。箱を開けると、カラフルなヘッドピースが顔を出しました。

isseymiyake-live8_002.jpg これは、ベルギー出身の王室御用達帽子デザイナー「CHRISTOPHE COPPENS(クリストフ・コパン)」による作品。「イッセイ ミヤケ」との初の取り組みになります。

isseymiyake-live8_003.jpg 10月2日のショーでは、これらの作品が登場する前半のパートに注目。

【パリ=9月28日17:00】デザイナーの仕事:モデルスタイリング②

isseymiyake-live9_002-thumb-640x427-62942.jpg モデルスタイリングは続きます。

isseymiyake-live9_001.jpg Nokia(ノキア)製のケータイを発見。

isseymiyake-live6_014.jpg ブランドマネジメントを担当し、15年以上に渡って「イッセイ ミヤケ」のコレクション現場を見続けている村山さんは、宮前デザイナーについて「人柄、コミュニケーション、服作りのアプローチ、多くの意味で新しいタイプのデザイナー」と話します。

isseymiyake-live13_002.jpgisseymiyake-live9_008.jpg 滝沢直己、藤原大、そして4代目デザイナーの宮前義之と受け継がれた三宅一生の基本姿勢と革新性。大きな使命を持ったデザイナーのプレッシャーはどれほどのものでしょうか。

isseymiyake-live9_005.jpgisseymiyake-live9_009.jpg 深いお話は、後日のインタビューで伺います。

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【パリ=9月28日18:00】モデルキャスティング 3日間で300人

isseymiyake-live10_002-thumb-640x427-62950.jpg モデルが続々と集まって来ました。

isseymiyake-live10_003.jpg キャスティングは25日から行われており、今日で3回目。ランウェイショーに登場するモデルをオーディション形式で決めていきます。モデル達をジャッジするのは宮前さんのほかに、アートディレクターのRoy GentyとLaetitia Goffiなども参加します。

isseymiyake-live10_004.jpgisseymiyake-live10_010.jpg オーディション形式とはいっても、至ってシンプル。ウォーキングして写真に記録。

isseymiyake-live10_008.jpgisseymiyake-live10_007.jpgisseymiyake-live10_012.jpgisseymiyake-live10_001.jpg 3日目にして、トータル300人のモデルがオーディションに来たそう。

isseymiyake-live10_005.jpgisseymiyake-live10_006.jpg 最終的に、25人前後に絞られていきます。

isseymiyake-live10_014.jpgisseymiyake-live10_016.jpg

【番外編】アートディレクターの仕事:ショーのムード作り

isseymiyake-live23_002-thumb-630xauto-63115.jpg 「イッセイ ミヤケ」2012年春夏コレクションショーのアートディレクターを担当するのは、Roy GentyとLaetitia Goffiのデュオ。どんな仕事なのか、Royさんに話を聞きました。約10年前から共に仕事をしているという2人それぞれの役割について、「Laetitia Goffiがアイディアや材料を集めるハンター、そして僕がそれをクッキングする役割なんだ」と答えてくれました。

isseymiyake-live24_005.jpg ファッションショーにおけるアートディレクターとは、クリエイターのビジョンやアイディアを吸い上げて形にするのが主な役目。Roy GentyとLaetitia Goffiと「イッセイ ミヤケ」の歴史は長く、はじまりはRoyさんが初めてデザイナーの三宅一生さんに会ったという1986年です。新デザイナーの宮前義之さんと初めて仕事を共にしたのは、イッセイ ミヤケのA-POCだそう。

 宮前デザイナーの印象を尋ねると、「彼は常に明確なビジョンを持っている。それがチームにも伝わっているから、仕事がしやすいよ」とRoyさんは話します。

isseymiyake-live23_001.jpg 3日後のショーでは、ビジュアルはインスタレーションとしてビジュアルデザインスタジオWOWが参加します。Roy GentyとLaetitia Goffiは、デザイナーの意思とWOWのビジュアル、モデルとコレクションをつなぐ架け橋となって、ショーの全体像を作り上げていきます。

【パリ=9月28日20:00】東京から最終便のアイテムが到着、ディナータイム

isseymiyake-live13_001-thumb-640x960-62981.jpg 最終便のアイテムがパリオフィスに到着。これでコレクションピースが揃いました。

isseymiyake-live11_001.jpgisseymiyake-live11_004.jpg 念入りにチェックする宮前デザイナー。

isseymiyake-live11_006.jpgisseymiyake-live11_019.jpg 今日からコレクションチームに合流したスタッフの一人、スタイリストの伏見京子さんとミーティング。

isseymiyake-live11_021.jpg 「4月から取り組んできたものが、ついにこのショーで形になる。とても楽しみ」と伏見さん。

isseymiyake-live11_024.jpgisseymiyake-live11_017.jpg ディナーは社内でビュッフェ形式。

isseymiyake-live11_007.jpgisseymiyake-live11_015.jpgisseymiyake-live11_016.jpg アートディレクションチームはディナー中もミーティングをしていました。

isseymiyake-live11_008.jpgisseymiyake-live11_012.jpgisseymiyake-live11_011.jpg デザートまで色彩豊かですね。

isseymiyake-live11_014.jpgisseymiyake-live11_013.jpg 東京から派遣したパタンナー2名も到着しました。

isseymiyake-live11_025.jpg パタンナーは、フィッティングのサポートやショー直前のお直しまでマルチに仕事をこなします。時には現地で急遽、新しいデザインを形に起こすこともあるそう。

 フィッティングモデルたちは、今日の任務を終えて帰ります。

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【番外編】スタイリストの仕事:伏見京子 1回限りのショーにベストを尽くす

isseymiyake-live57_002-thumb-630xauto-63697.jpg 「イッセイ ミヤケ」2012年春夏コレクションのショーのスタイリスト伏見京子さんの仕事にフォーカスします。

isseymiyake-live58_003.jpg 伏見さんは東京都生まれ。1988年からスタイリストとしてのキャリアをスタートし、ファッション雑誌や広告、ミュージシャンなど、様々なスタイリングを手がけてきました。渡仏経験もあり、日本を代表するスタイリストの一人です。

 「イッセイ ミヤケ」との仕事は今回のコレクションが初めて。パリコレクションの仕事も初めての経験だそうです。宮前デザイナーのイメージ段階だった4月頃からコレクションに関わり、長い時間を共有してきました。

「1回限り、15分程度のショーにベストを尽くすためにチームが動いている。この緊張感は独特で、スタイリストとして最大限の力が試される場でもあります」と伏見さん。宮前デザイナーが思い描いたイメージを具現化し、的確にスタイリングするのが主な仕事です。

「服に対する考え方やセオリーが息づく「イッセイ ミヤケ」との仕事は、とてもいい経験。このデビューショーの成功を祈るとともに、新しい可能性を秘めた宮前さんの今後にも期待しています」

isseymiyake-live57_004.jpg 実は伏見さん、中学生の時に偶然TVで見たパリコレの映像に刺激されたことをきっかけに、スタイリストを目指すようになったのだそう。その時の憧れが、10月2日の「イッセイ ミヤケ」2012年春夏コレクション発表で、ついに実現を果たします。

次のページは>>コレクション3日前に密着:ショー演出のWOWチームが合流、ヘッドピースを制作するクリストフ コパン来社、パタンナーの仕事、モデルに質問、など

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